SEO を行ううえで内部対策は欠かせない施策ですが、SEOを意識するあまり過剰に行ってしまうと、
検索エンジンからペナルティを受け、逆効果になってしまうこともあります。
そのような事態におちいらないように、注意すべきポイントを再確認しましょう。

  • 隠しテキストやミラーコンテンツなどの不正は厳禁
  • 形だけのコンテンツは評価されにくい
  • 検索エンジンがなければやらないような施策は控える

内部対策におけるスパム行為

これまでにもたびたび触れてきたように、内部対策においても、スパム行為と呼ばれる、検索エンジンから好ましいと思われない施策があります。場合によっては検索エンジンからペナルティを加えられ、検索結果での表示順位が大幅に下落するどころか、そもそも検索結果に表示されなくなってしまうこともあるため、スパム行為は避けておかなければなりません。

一昔前は、より多くの検索キーワードにWebサイトが引っかかるように、コンテンツに過剰にキーワードを盛り込む行為が流行っていました。

たとえば、画像の代替テキストに使用するalt属性に、あれこれとキーワードを詰め込む行為や、背景色と同じ色の文字で、いわゆる「隠しテキスト」を潜ませる行為などが、その代表的なものです。こうした行為は、検索エンジンを騙してWebサイトの評価を高めようとするスパム行為にほかなりません。本文や見出しなどに不当にキーワードを詰め込む行為はもちろんのこと、このような見えないキーワードを不当に掲載していることが検索エンジンに認識された場合、やはりそのWebサイトはペナルティを受ける可能性があります。

<具体的なスパム行為の例/h3>

・隠しリンク
隠しテキストと同様に、背景色と同じ色でテキストリンクを設置し、SEO的に有利な評価を得ようとする行為です。
ユーザーから見えない位置にリンクを貼る行為も、隠しリンクとしてスパム行為とされる可能性があります。

・キーワードの繰り返し
コンテンツ内に何度も同じキーワードを挿入したり、HTMLタグ内、もしくは画像のALTの中にキーワードを挿入するなどの行為がこれにあたります。キーワードの繰り返しは、表示されていても隠してもいても関係なく、SEOスパムとして認知される可能性があります。

・極めて小さいフォントサイズの指定
隠しテキストと同じような行為です。ユーザーが確認できないサイズのキーワードを入れ込み、見栄えを損なうことなく大量のテキストを埋め込み、SEO的に有利な評価を受けようとするスパム行為です。

・故意なリダイレクト(ドアウェイページ)
検索エンジン用に用意されたページに飛ばし、検索上位を狙う行為です。ドアウェイページにはテキストを大量に埋め込んだり、大量のリンクが埋め込まれています。こういったページを作り、リダイレクトさせるような処理をした場合、SEOスパムと認知されます。

挙げればキリがありませんが、どれも百害あって一利なしの行為なので正々堂々とSEO施策を行っていきたいですね。

広がるスパム行為の範囲

以前はこのような、WebサイトのHTMLコーディングに関わる機械的なペナルティが多かったのですが、最近は、こうしたHTMLコーディングがらみの不正行為だけがマイナス評価を受けるわけではありません。検索エンジンのアルゴリズムが進化し、Webサイトに記載しているテキストコンテンツの中身を調べる技術が成熟してきているからです。

いまや検索エンジンは、本当にユーザーが求めているコンテンツが掲載されているのかや、ほかのWebサイトで使われているコンテンツを使いまわしたりしていないかをチェックして、コンテンツの優劣を判断するようになっています。とくに最近は、ほかのWebサイトで使っているコンテンツをまるごと流用したものだけでなく、接続詞や句読点を変えただけの酷似したコンテンツを掲載しているものも「重複コンテンツ」や「ミラーコンテンツ」などと呼び、スパムとして取り締まっています

不正を意図せずに酷似したコンテンツが生じてしまった場合であっても、同様にスパムと判定されてしまう可能性があります。こうなると検索結果からWebページが削除されてしまったり、最悪の場合はWebサイト全体の削除にまで至ってしまったりする可能性があるため、十分に注意しましょう。

評価されにくいコンテンツ

世界中のコンテンツを知っている検索エンジン
前述のとおり最近の検索エンジンは、コンテンツの内容をよく精査するアルゴリズムを導入しているため、過剰にキーワードが詰め込まれているコンテンツや、ほかのWebサイトのコンテンツと酷似したミラーコンテンツなどは評価しません。そればかりか、たとえ不正行為がないとしても、内容が優れていないWebページの評価を下げるようにもなってきています。あくまで検索ユーザーのニーズを満たすことを目標として、検索エンジンは日々改良を加えられているからです。

では、具体的にはどういったコンテンツが、内容が優れていないと認識されてしまうのでしょうか。基本的には、手の込んでいない形だけのコンテンツは評価されにくいと考えてよいでしょう。たとえば、Word Pressなどをはじめとする、CMS(コンテンツ・マネジメント・システムの略)などのプログラムを使用して自動的に大量生成されるコンテンツや、商品のかんたんな説明しか記載されていないアフィリエイト目的のWebページなどが、こうしたコンテンツに該当しますね。

もっとも、手をかけたからといって評価に結び付くともかぎりません。最近では、人間が読んで中身がないと感じるようなコンテンツも、低品質なコンテンツとして警告を受ける場合があります。それというのも検索エンジンは、過去に大量にインデックスしてきた世界中のWebページのコンテンツの傾向と特徴を調査し、統計的に低品質なコンテンツの特徴を把握しているからです。その特徴に類似するようなコンテンツは評価されません。膨大なサンプルデータをもつ検索エンジンならではの評価方法といえるでしょう。

ペナルティと改善

検索エンジンから低品質なコンテンツと認識され、ペナルティなどを受けたとしても、それだけで希望を捨てる必要はありません。ペナルティの原因となっているコンテンツの問題点を改善すれば、内容のあるWebページとして再評価されるからです。

自分でテキストを入れるべきということの説明画像
たとえば、CMSによる自動生成コンテンツを利用している場合は、人間によるライティングに切り替えることで、コンテンツの充実を図れます。商品説明だけしかないアフィリエイトサイトなどでは、自身の体験談や、紹介する商品を使ってみたときの感想を書き添えるなどして、コンテンツの付加価値を高めるとよいでしょう。手抜きや不正がないにもかかわらず警告を受けてしまう場合は、ユーザー目線のコンテンツ作りができているかを再確認しましょう。いずれにしても、楽をしようとせず、正攻法でコンテンツを改善することを心がけていきたいですね。

検索エンジンがなければどうするか

これまで、検索エンジンが嫌がるマイナスの内部対策を紹介してきましたが、これらの多くは検索エンジンが存在していたがゆえに行われたスパム行為です。検索エンジンがなければ、alt属性にキーワードを詰め込む必要も、背景色と同色で隠しテキストを入れる必要もありません。ほかのWebサイトからコンテンツをコピーしてきたり、ボリュームのかさ増しのために低品質なコンテンツを量産する必要もないでしょう。つまり、これらのスパム行為は検索エンジンがあったからこそ行われた行為です。

検索エンジンを騙し、検索結果での上位表示を目指すためだけにあるこうした施策は、検索エンジンの進化とともに必ず淘汰されると考えましょう。これまでもそうであったし、これからもそうなるでしょう。もっともリスクの少ない内部施策の基本は、「検索エンジンがなければどうするか」を考えればおのずとわかります。検索エンジンがなければやらないような施策は、ユーザーのために行われているとはいえません。たとえ検索エンジンがなくとも行うべきであると思われる施策は、ユーザーのために存在する施策に違いありません。そのような施策であれば、ペナルティを受けるリスクは少なく、反対に評価される可能性が高いです。

結局のところ、手間をかけてユーザーファーストの施策を行うことが、検索エンジンに好かれるための近道なのです。