先月のコアアップデートに引き続き、今日からまたアップデートが始まりましたね。

今回は、Google検索セントラル掲載の記事

『Google のコア アップデートについてウェブマスターが知っておくべきこと』

に記載されている内容を、SNSや公式の引用を踏まえながら読んでいきます。

過去にも記載しましたが、さらに情報をアップデートしたものとして、解説していきます。

今一度このタイミングで、コンテンツの見直しをする方も多いでしょうし、私自身も常にアップデートをする必要があると感じています。初心に立ち帰り、Googleのシグナルをなぞってみることで、何か得られることもあると思います。

まずはアップデートに関して公式のアナウンス。

7月2日今年に入り2回目のコアアップデートを実施

「前回に引き続き、今月もアップデートを開始します。期間は1〜2週間を予定しています。」とのこと

一応、前回のアップデートの際にGoogleが『プロセスの詳細』としてつぶやいていました。

エクスペリエンスと結果の品質を向上させるための変更が加えられています。

詳細はこちらから。

https://blog.google/products/search/how-we-update-search-improve-results/

ガジェットが日々新しくなるように、検索エンジンも日々更新していく必要があると、Googleの熱い思いが記されています。

コアアップデートについては、前回の「6月のSEOまとめ」記事で触れていますので、こちらも参照にしてください。

https%3A%2F%2Fcocorograph
favicons?domain=cocorograph 【2021年7月最新版】6月のSEOトレンドやニュースまとめ
6月はコアアルゴリズムアップデートもあり、扱うジャンルによってはバタバタされた方も多かったのではないでしょうか。 早速ですが、6月のSEOニュースについてまとめていきます! コアアルゴリズムアップデートの実装 本日後半に […]

6月のアップデートに関しては、『レビューサイト』に大きな影響がありましたね。

これはついに国内にもプロダクトレビューアップデートが来たのではないかとザワつきましたね。

ではこの後より、セントラルの記事の内容に入ります。

コアアップデートとコンテンツの再評価

以下Googleより引用

コアアップデートが行われた際に、サイトに問題がなくてもパフォーマンスが低下することがあります。

これは、ガイドラインに違反したわけでもありませんし、違反に対する措置が行われたわけでもありません。

実際にコアアップデートの変更とは、コンテンツ全体に対するGoogleのシステム評価方法を改善するために行われるので、特定のページやサイトを対象として変更されることはありません。

コアアップデートへの理解として、例を挙げると、

あなたは2015年の映画ランキングTOP100というコンテンツを作ったとします。

しかし、数年経った今では、リストを再考する必要があります。以前はリストになかった素晴らしい映画が上位にランクインする可能性もありますね。

リストが更新されることによって、以前は高い位置にいた映画がランクダウンしても、その状況はその映画が悪いわけではなく、それ以上に高い評価を受けた映画が新しく登場しただけに過ぎません。

https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

これは非常にわかりやすい例えですね。

特に、どの業界でも情報は鮮度が大切で、日々トレンドやニーズに合わせて日々移り変わります。

そして次に続きます。

映画の例でお話をしたように、仮にアップデートで順位が落ちても、『修正すべきポイント』があるとは限りません。それでも、やはり何かをする必要はあると感じるはずです。

できるだけ優れたコンテンツを提供できるように集中してください。Googleのアルゴリズムは、あくまでコンテンツの品質に基づいて掲載順位を決定しているからです。

https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

より優れたコンテンツが登場した場合は、自社サイトに比べてどの点がどのくらい優れているのかを確認することが大切ですね。

そういった意味では、運用・担当しているサイトだけでなく、前後の競合や上位サイトも常にチェックしておき、コンテンツの更新や、順位の入れ替えに素早く反応しておくべきでしょうね。

ちなみに下記アドバイスをGoogleは提示しており、「随時更新されていくので、コンテンツの自己評価に活かせ」とのことです。

コンテンツと品質に関する質問

  • コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供しているか。
  • コンテンツは、特定のトピックに対して、包括的または完全な説明を充分に提供しているか。
  • コンテンツは、当たり前のことだけでなく、洞察に富んだ分析や、興味深い情報を含んでいるか。
  • コンテンツが他ソースから得られたものである場合、単なるコピーや書き換えでなく、付加価値とオリジナリティを充分に提供しているか。
  • 見出しやタイトルは内容を説明する有用なものになっているか。
  • 見出しやタイトルはコンテンツを誇張したり、読者に対して、強い不快感やショックを与えたりするものではないか。
  • 自らブックマークしたり、友人と共有したり勧めたくなるようなものか。
  • コンテンツは、雑誌、百科事典、書籍などに掲載または引用される価値があるか。

上記が、7月2日現在の『コンテンツと品質に関する質問』です。

一般的に、SEOをやるうえでは前提となるような『意識』に関して、詳しく深掘りをしている内容になっています。

前回の記事では、『Googleはコピーコンテンツをオリジナルコンテンツよりも評価する?』という話題に触れました。▼下記SEJの記事を参照

「コピーしたサイトが、そもそもサイトとしての質が高い場合、そっちを評価しちゃうかもね」とジョン氏

もちろん、情報を引用する際には、モラルや引用元への敬意が必要ですが、引用やコピーが『悪』ではないと思います。上位になるにつれて、似ている情報は増えてきますし同じようなコンテンツになりがちですし…

そのカテゴリーや話題に対して、より良い情報を築き上げていくという点において、『コンテンツが他のソースから得られたものである場合、単なるコピーや書き換えでなく、付加価値とオリジナリティを充分に提供しているか。』という点は非常に意識すべきポイントだと感じます。

ユーザーにとって一番大切なことは、「求めている情報や、解決したい悩みに対してどれだけクリティカルな返事をくれるか」です。

逆に言えば、みんなにコピーされるくらい、良い情報を提供すべきでしょう。

日々、より良いコンテンツ作成に向けて、貪欲に情報を集めていきたいですね。

専門性に関する質問

  • コンテンツは、明確な情報源、関係する専門知識の証明、著者またはコンテンツを公開しているサイトの背景情報(著者ページへのリンクやサイトの概要ページなど)など、掲載されている情報が信頼性の高いものであることを示すための情報を提供しているか。
  • コンテンツを制作しているサイトを調査した場合、そのトピックに関する権威者としてそのサイトが信頼されている、または広く認識されているという印象を受けるか。
  • コンテンツは、トピックに関して明らかに充分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれているか。
  • コンテンツに明らかな誤情報がないか。
  • お金や人生に関連する問題について、このコンテンツを安心して信頼できるか。

この辺は、いわゆる『E-A-T』と言われる部分であったり『YMYL』の領域に関する部分ですね。

去年の最後のアップデート

昨年の年末に行われたコアアップデートでは、割とE-A-Tに関する部分が改めて評価につながったのではないかという仮説も多く見受けられました。

個人的には、『コンテンツは、トピックに関して明らかに充分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれているか。』の項目が非常に大切だと感じていて、

その道に詳しい方はもちろん、その道を好きな方に書いて欲しいと思います。

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お寿司屋さんにフレンチの記事を書いてもらうよりは、フレンチを愛する美食家や、フレンチが大好きで日々勉強しているシェフのような方が、記事を書く方が確実に面白いではと感じます。

もちろん扱い情報によっては、有益な情報のみを端的に記してある方が良い場合も。

ですが、好きな人ならではの視点や語り方というのは、時に人を惹きつけます。

人気のあるブロガーさんやライターさんの記事って、ただ有益なだけでなく、その人ならではの表現や、切り口が面白かったりしますよね。

魅力的なコンテンツを作れるように、日々探求しましょう。

コンテンツの提示や制作に関する質問

  • コンテンツに誤字やスタイルに関する問題がないか。
  • コンテンツは適切に制作されているか。急いで制作されたような印象を与えていないか。
  • コンテンツが多数のクリエイターへの外部委託によって大量制作されていたり、複数のサイトの大規模なネットワークに拡散されており、個々のページまたはサイトのプレゼンスが低下していないか。
  • コンテンツに、主要なコンテンツを妨害したり注意をそらしたりするほどの大量の広告が掲載されていないか。
  • コンテンツは、モバイル デバイスでも適切に表示されるか。

この項目非常に大切ですね、『モバイルファースト』に関してだったり、『セマンティックHTML』に関する部分になりますね。

よくいわれるのが、見出しタグを適切に使うことや、リストタグを使用する。などHTMLの構造を基本に乗っ取り丁寧に制作する(セマンティック)ことです。

これは、クローラーがサイトに訪問する際にサイトの構造をスムーズに理解するためとされています。

ユーザーだけでなく、クローラーにとっても親切なサイト設計をすることも、SEOを行ううえでは非常に重要です。

▼スペルミスに関しては、先日このような話題がありました。

テキストに文法的および技術的な誤りがたくさんあると、ページの品質が低いように見える場合があります。」とジョン氏

ツイートで少々失礼な発言をしていますが(すいません…)、実際上位に表示されている競合サイトでも、多少の誤字脱字は見受けられるので、文章に違和感がないレベルでの範囲であれば大きな影響はないと感じます。

ですが、より良いコンテンツを目指す以上、気をつけたいですね。

比較に関する質問

  • 検索結果の他のページと比較した場合、コンテンツは実質的な価値を提供しているか。
  • コンテンツは、サイトの訪問者が本当に求めるものを提供しているように思えるか?あるいは、検索エンジンで上位に表示するためだけを狙って作成されたように思えるか。

今お話をした内容に近いですが、この手の話もよく聞きます。

SEOを意識するがあまり、文章が不自然であったり、前後のつながりがめちゃくちゃになってしまったり…

SEOへの意識をいかに自然な文章で、読みやすく取り入れられるかが大切ですね。

品質評価ガイドラインと E-A-T について

Googleでは、検索品質評価ガイドという評価ガイドラインが存在します。

https%3A%2F%2Fstatic.googleusercontent.com%2Fmedia%2Fguidelines.raterhub.com%2Fja%2F%2Fsearchqualityevaluatorguidelines
favicons?domain=static.googleusercontent

全て英語で、pdfにして175ページあります。根気よく読んでください。

というのはなかなか酷なので、簡潔にまとめますと

Googleには、アルゴリズムが適切な検索結果を提供しているか、検証してGoogleに知見を提供する品質評価者という役割が存在します。そこにまつわるガイドラインが上記のもので、常に一貫したアプローチを取れるようにしている。というものです。

以下引用です。

検索品質評価者はページの検索順位を制御できないということを理解することが重要です。品質評価者のデータが直接ランキングのアルゴリズムで使用されることはありません。品質評価者のデータは、レストランにあるフィードバック カード(お客様アンケート)のようなものです。こうしたフィードバックを利用して、Google のシステムが機能しているかを確認しています。

品質評価者がどのようにコンテンツの品質を評価しているかを理解すれば、コンテンツの改善に役立てることができるかもしれません。そして、コンテンツを改善することで、Google 検索での掲載順位も改善される可能性があります。

https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

多くを追求すると、話が終わらなくなってしまいますので深掘りはしませんが、

我々が普段何かを利用して、便利に感じた、不便に感じたという直感的な印象や感想が大切じゃないかと考えます。

Webでも同じで、客観的に自分のサイトやコンテンツを見て、どこかに不便さやわかりにくさを感じてしまう状態は良くないということです。

E-A-Tに関しての情報

こちらもGoogleより引用

品質評価者は、Google が E-A-T と呼ぶ基準をコンテンツが満たしているかを判断するために特別な訓練を受けています。この基準は「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」を意味します。ガイドラインを確認することで、E-A-T の観点からコンテンツを評価して、検討すべき改善点を見つけられるかもしれません。

https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

常々、この指標については話題に上がりますし、注意すべきポイントであると思います。

先ほど、専門性に関するお話も出ましたが、これもふと考えてみれば当たり前のことです。

現代の世の中は、情報が溢れるほど出回っています。その中には、有益な情報も、悪質な嘘の情報もたくさんあり、自分たちで、正しい情報を選ぶ必要があります。

そういった際に、ユーザーが正しい情報を得られるかどうかを分ける、非常に重要な基準がこの要素です。

さらにE-A-Tについて詳しい情報を知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

https://www.mariehaynes.com/resources/eat/

著者: Marie Haynes氏(Googleの公式フォーラムページで発リンクされるくらい権威のある方です。)

掲載順位の回復とその他のアドバイス

「コアアップデート後にコンテンツを改善した場合、サイトの回復までどのくらいかかるのか?」という点。

非常に気になりますよね。

Googleの見解として、大きなくくりでいえば、次のコアアップデート時に反映される可能性は大きいそうです。

しかし、アナウンスするほどの規模でなくても、小さなアップデートは日々行われているので、何もしなくても順位が多少前後することも大いにあるとのこと。

以下公式より引用

サイトの所有者が改善を行ったとしても、掲載順位の回復が保証されるわけではありません。また、ページの掲載順位が検索結果で固定されたり、一定の掲載順位が保証されたりすることもありません。Google のシステムで常にページが上位にランキングされるようにするには、それに相応しいコンテンツが必要です。

Google のような検索エンジンは、人間とは別の方法でコンテンツを理解しているということを意識することも重要です。Google では、コンテンツに関して収集できるシグナルを探しています。そして、それらのシグナルが、人間が関連性を評価する方法とどれくらい相関しているかを確認しています。ページ間のリンクは、有名なシグナルの 1 つです。それ以外にも多数のシグナルが存在しますが、検索結果の信頼性を守るためにそれらのシグナルは公開されていません。

https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates

この言葉に、今までお話をしてきた全てが集約されている気がします。

基本的なHTML構造、文章が不自然ではないか、信頼できる情報をその道の人がわかりやすく提供しているか、などひとつひとつのことを丁寧に、ユーザーの検索意図を感じながら進めていくことが、一番の近道ですね。

一応ここまでが、『Google のコア アップデートについてウェブマスターが知っておくべきこと』に記載されている内容になります。

普段からSEOに携わっている担当者・運営者にとっては、どれも真新しいことではないと感じますが、改めて初心に返らされるような内容でしたね。

まとめ

最近は、海外の大きなSEO会社さんや、メディアさんの記事を読むことが増えました。大きく感じるのは、Googleの公式情報にものすごく忠実で、そこを主として施策や仮説検証を行っている会社さんが多いことです。

もちろん、我々も何か新しい発表がある際は、公式アナウンスに耳を向けていますが、普段の業務になってしまうとついつい、経験則を優先させてしまうことも多いですよね。

悩んだ時にこそ、Googleのフォーラムや公式ページを読み漁るのも大切だと、改めて感じました。

この記事が多少なりとも、お役に立てばと思います。
記事を読んで不明な点等がありましたらお気軽にTwitter(@kaznak_com)などでご質問ください。

ではまた。