6月はコアアルゴリズムアップデートもあり、扱うジャンルによってはバタバタされた方も多かったのではないでしょうか。
早速ですが、6月のSEOニュースについてまとめていきます!
このページに書いてあること
コアアルゴリズムアップデートの実装
Later today, we are releasing a broad core update, as we do several times per year. It is called the June 2021 Core Update. Our guidance about such updates is here:https://t.co/e5ZQUA3RC6
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 2, 2021
This will be followed by the July 2021 Core update. Here’s more information about that…
本日後半に、年に数回行っているように、広範なコア アップデートをリリースします。これは、2021 年 6 月のコア アップデートと呼ばれます。このような更新に関するガイダンスは次のとおりです。 https://webmasters.googleblog.com/2019/08/core-updates.html… これに 2021 年 7 月のコア アップデートが続きます。それについての詳細はこちら…
https://developers.google.com/search/blog/2019/08/core-updates
今年に入って初めてのコアアップデートがきましたね!
相変わらず、Googleからは具体的な説明はありませんが、様子を見ていると、YMYL系やIT、恋愛系のジャンルに変動があったようですね。
— かさい (@yosuke58enji) June 30, 2021
ふとTwitterで流れてきた記事を置いてきます。
非常に細かく調べられていて、面白い記事でした。Amsive Digitalさんの結論としては
特に製品レビューサイトに影響を及ぼしている主要な傾向が起こっているようです。これは、2021年のGoogle I / OでのGoogleのショッピンググラフの発表と何らかの形で結びついている場合とそうでない場合があります。
https://www.amsivedigital.com/insights/seo/winners-and-losers-of-googles-june-2021-core-update/
なるほど🤔
Googleが4月に発表したプロダクトレビューアップデートの影響もあるようですね。
People appreciate product reviews with in-depth research. Our product reviews update that's going out today is designed to better reward such rich content. For now, it involves English language searches. Learn more about it and our advice for creators: https://t.co/CRTpW2B3AG
— Google Search Central (@googlesearchc) April 8, 2021
特にレビューサイトへの影響は、アフィリエイトサイトがターゲットになりましたが、『ユーザーにとってどれだけ有益な情報を提供できるか』という点は変わらないと思います。
現状日本語にはまだ、適用していないとしていますが、今回のコアアップデートで少しその要素も関わっているような感じですね。
レビューサイトの運営者は改めて、コンテンツや文言を確認しておきましょう。
プロダクトレビューアップデートについての詳細はこちら
サーチコンソールが正規表現「正規表現に一致しない」をサポート
サーチコンソールでは、4月より正規表現のフィルタのサポートを開始しました。なかなかとっつきにくい『正規表現』ですが、使えると便利です。
例えば、「SEO&Webマーケ」という企業があるとします。
場合によっては「SEOandWebマーケ」や「S&W」とも略されているとしましょう。
そういった場合は、下記のようにカスタムフィルタをかけることで、一括で調べることができます。
正規表現を用いた検索コマンド例
SEO&Webマーケ | SEOandWebマーケ | S&W
詳しく説明するとこの話で記事が終わってしまうので、より詳しい表現を学びたい方はこちらをご覧ください。
今回は、その正規表現を「除外に使いたい」というフィードバックがあったようで、早速実装に至ったようです。
データの絞り込み方に今まで以上に幅が広がった形になりましたね。
突き詰めていくと面白い世界ですので、ぜひ簡単な表現から試してみて「痒いところに手が届く」使い方ができるようにしましょう。
CLSとLCPの定義が変更?
発表から延期を重ねて、ようやく実装シーズンに入った『表示速度』ですが、なかなか落ち着きませんね。
ただし、今回の定義変更に関しては、全体的に良い方向へ進むとのことですので、ご安心を。
具体的に見ていきます。
CLSの定義変更?
まず『CLS』に関してですが、ページエクスペリエンスに向けた回で、Jeffrey Jose氏が言及しています。
簡単に言うと、「従来はセッション中にすべてのレイアウトシフトが含まれていたが、新しい定義では、最も大きなレイアウトシフトを発生させたポイントのみがCLSの最終スコアに影響する」とのことです。
こちらは、鈴木謙一さんのブログが非常にわかりやすくまとめてくださっています。
冒頭でも、鈴木さんのブログでもありますが、重要なのはこの変更ですべてのサイトにおいて『CLS』が良くなるということです。
LCPの定義変更?
こちらも同時期に変更がされています
内容としては、LCPの対象となっていたページ要素に動きがある・消えてしまうと、他の要素を探す・探すための処理が行われていましたが、今回の変更により最初にLCPと定義された要素に動きがあって消えたりしても、他の要素を探すことはなく、当初の要素よりも大きなサイズのLCP要素が、発見された場合のみLCP要素の候補として選択されます。
文章だけだと難しく聞こえてしまいますが、基本的にはこちらも多くのユーザーにとって、良い影響をもたらしてくれるものとされています。
コアウェブバイタルズに関する話題は、コーディング要素や内側の話が大きく関わってくるので、慣れていないと難しい要素も多いですがSEO担当者としては、知識だけでもつけておきましょう。
難しいので、丸投げせずに少しずつでも慣れていけると素敵ですね。
Search Console Insights(サーチコンソールインサイト)の実装
Googleはよりサーチコンソールのパフォーマンスチェックに便利なSearch Console Insightsの提供を開始しました。

Search Console Insights は、コンテンツ クリエイターとパブリッシャー向けの新しいエクスペリエンスです。オーディエンスが自サイトのコンテンツをどのように見つけ、何に興味を引かれるのかを把握するのに役立ちます。この新しいエクスペリエンスは、Google Search Console と Google Analytics の両方のデータに基づいています。
Googleより
レポートの内容としては、過去28日間の
- 『サイト概要/pvや平均pv時間』
- 『新規で追加されたページやコンテンツ』
- 『アクセスの多いコンテンツ』
- 『サイトへのアクセス経路/自然検索なのか直接なのかなど』
- 『Google経由で多い検索クエリ』
- 『他サイトからの参照リンク』
- 『ソーシャルメディアからのアクセス経路/Twitter・Facebookなど』
の計7種類を確認することができます。
サーチコンソールやアナリティクスでの細かい分析が苦手な方は、有効活用してみましょう。

有識者にとっても、パッと見て欲しい情報が手に入るので、毎日サイトの計測をしている運用者には時間短縮のツールとして期待が高まりますね。
サーチコンソールインサイトはこちらから
スパム対策のアップデートを実施
Googleは2週にわたり、スパムアップデートを実施しました。
The second part of our spam update has has begun today, and it will also conclude later today, unless we share otherwise.
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 28, 2021
フィッシング詐欺などのスパムを行っているWebサイトや、マルウェアに感染しているWebサイトページに対して措置をとるアルゴリズムを更新した模様です。
国内、海外問わずに実施され、画像検索にも適用とのこと。こちらに関しても、特段詳しい情報はアナウンスがありませんでした。
おそらく上位化図っているスパムよりも、ユーザーへの悪影響を与えるスパムへの傾向が強い感じがする。
SEOおたくさん記事より
少なくともみなさんが、健全なサイト運営をされている限りは、悪い影響を受けることはないと思います。
しかし、悪質なアタッカーはあの手この手で仕掛けてきますので、TLSやセーフブラウジングを活用しながら日々注意を払っておきましょう。
Googleはオリジナルコンテンツよりも盗作を評価する?
個人的には、6月のSEO情報として、一番ざわついたトピックのようにも感じます。
John Mueller explains why Google may choose to reward article thieves by ranking stolen content instead of the original article via @martinibuster: https://t.co/OMgYs4XtcS #Google #HeyGoogle @Google #SEO
— SearchEngineJournal® (@sejournal) June 21, 2021
ある人がこんな質問をジョンに投げかけました。
私のコンテンツをまるっとコピーして、しかもそのコンテンツがオリジナルのものよりもランクが高く評価されています。そういう人は実際にいますか?またそのような場合はどのような措置をとるべきでしょうか?
https://www.searchenginejournal.com/why-google-ranks-plagiarism-over-original-content/411196/#close参照
ジョンの答えは長くなるので簡潔にショートアンサーで解説します。
そもそもですが、コピーされたサイトよりも、オリジナルサイトの品質が低い場合は、コピーをしたサイトや記事が優遇されることがあります。『サイトの質が高い方=信頼性が高い』とみなすからです。
実際にそのような状況に遭遇してしまったら、まずは自身のサイト全体の質を、高めることに注力すべきでしょう。
綺麗事ではなく、非常に難しい内容となりましたが、この辺に関しては、日頃からコツコツと地道な努力を重ねることですね。
サイトの品質を高めるためには、
- オリジナルの画像を使用する
- 情報も新鮮でオリジナルのものを
- 定期的な頻度での更新
- 地道な努力をコツコツ積み重ねる
これに尽きると思います。
上記のSEJでの記事でも、低品質な内部リンクや外部リンクなどもサイトの質を落とす要因ではと言及しています。
とまあ、蓋を開けてみれば、未知なる難しいことをしなければいけない話でもない(もちろん手間はかかりますが…)ので、ユーザーファーストでより良い情報を提供するべく奔走しましょう。
言語理解の新技術 MUM(Multitask Unified Model)を発表
Googleは5月に、MUM(Multitask Unified Model)という言語理解に関する、新しい技術オンラインで開催した Google I/O 2021 で発表しました。(ちなみに『マム』と発音します。)
https://blog.google/products/search/introducing-mum/
目的としては、新型コロナウイルスのワクチンに関する情報の精度を向上する目的で、検索への適用となりました。
以下MUMの研究開発に携わっている、Google・Fellow and VP of SearchのPandu Nayak氏の発言
昨年、私たちはパンデミックの発生を受けてプロジェクトをスタートしました。「COVIDワクチンとは何か」「どこで入手できるのか」「どのようにして接種するのか」「接種率はどのくらいか」など、ユーザーがワクチンに関して求めている有益な情報を提供しています。
このサービスを開始するにあたり、重要な点として「トリガーの問題」がありました。どんな言葉がCOVIDワクチンを指しているのか、と言うことです。
当然ながら人々はCOVIDワクチンを様々な方法で参照しています。言語によっても地域によっても、どんな言葉で検索するのかは、バラバラです。ですからまずは、人々がCOVIDをどのように呼んでいるかをすべて把握する必要がありました。
MUMはその課題を簡単に解決することができました。どの情報が実際にCOVIDワクチンのことを指しているのかを確認し、COVIDワクチン体験のきっかけにすることができます。
これは非常に素晴らしいことです。スライドには様々な名前が表示されていますが、私が特に気にいっている名前は「mRNA-1273」ですね。これは何を示しているのかわからない、ワクチンとは思えないような名前ですが、人々がワクチンを参照する際には、多かれ少なかれ専門的な用語が含まれます。
しかしMUMを使うことで、ちゃんとこれもCOVIDワクチンの名前である、と抽出できています。
参照:Impress Watch様 https://www.watch.impress.co.jp/docs/topic/1335134.html
細かな仕組みや原理について分解すると少し難しいのですが、引用元の例えをあげておきますね。
アダムス山に登山をしたことがある人がいます。彼は次に秋の富士山に挑戦をしようと決めました。
その方に次に必要な情報として、
- 富士山の標高
- 秋の平均気温(日本における)
- 登山コースの種類
- 適切な服装
などなど、あげればキリがありませんが、このような情報が必要です。
これらの情報を「一回の検索」で取得することは非常に難しく、何回か検索を繰り返す必要があります。
しかし、登山のスペシャリストに「秋の富士山に登山をしたい」と言えば、おそらく一回で上記の疑問や情報を伝えてくれるでしょう。
Googleの検索エンジンの課題として、まだその領域に達していいないことが課題となっています。Googleは複雑な検索が行われる際には、平均8個のクエリが登場するとしています。このMUMではそういった複雑なニーズに対しての対応を行うことが可能とされています。

先ほどの例を再度挙げると、「アダムズ山に登山したことがあって、次の秋に富士山に登山したい。前とは違って何を準備すべきか?」と検索窓に打ち込んだとします。
MUMは「検索者がアダムズ山の登山経験があり、次の秋に富士山へ登山しようとしている」という検索意図を自然言語によって構成されたクエリから把握します。
そして、「アダムズ山とは何か、富士山とは何か」、「登山とはどのような行為を指すのか」、「秋に富士山を登山する場合にどのような装備が適しているのか」といった複雑な要素を同時に処理して、理解することが可能です。
そうなると、結果一度の検索で「いりくんだ答えや、ユーザーが知りたい専門的な情報」を提供することが可能になるというわけです。
さらにすごいのは、MUMはテキストだけではなく、画像も理解することが可能です。例えば、先ほどの登山を例にすると、写真を見せて「この靴を使って登山をしても大丈夫ですか?」と尋ねれば、適切な回答を返してくれるようになります。
テクノロジーの更なる進化に期待したいですね。
まとめ
コアアルゴリズムアップデートに関しては、7月にも第二弾が行われるようですが、日頃から真っ当な運営をしていれば何も大きな心配は必要ないと思います。
確実な正解はありませんが、多くの媒体から情報を精査して、PDCAを回していくことが大切だと感じます。
この記事が多少なりとも、お役に立てばと思います。
記事を読んで不明な点等がありましたらお気軽にTwitter(@kaznak_com)などでご質問ください。
ではまた。