だいぶ記事の更新をサボっておりました。
恥ずかしげもなく言えば、自社サイトのトラフィックはコアアプデの影響もあり落ちまくりです。
弊社の規模だからこんなこと言えますが、自社部門も持ち合わせる大企業様でしたらはっ倒されるようなお話しですよね。
このページに書いてあること
【AIの話】Google CEOが語るこれから(10年後)のSEO
近年、生成AIをはじめ、多くのAIが台頭しており、検索エンジンにも「SGE」などのAIが搭載され、検索クエリに対して回答を行ってくれるAIが登場しています。
そんなAIが普及し始めることで「検索(SEO)といった行為は減るのではないか?」といった意見も多く見受けられます。
そんな意見に対するGoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏が語りました。
- AIは新しいものではありません。それはもう何年もの間 Google の一部となっています。
- Google は何年にもわたって回答と要約を提供してきました
- ウェブサイトは検索が重要
- SGE はチャットボット エクスペリエンスではなく、検索エクスペリエンスです
- 検索とチャットボットは別のものです
- AI は検索を改善します (検索に代わるものではありません)
SGEによる検索トラフィックの減少を予測する記事はたくさんありますが、そうではない理由はたくさんあり、サンダー氏は検索エクスペリエンスをチャットボットエクスペリエンスと区別することでそれを説明しています。
サンダー氏によると、検索とチャットボットは別のものであるため、そうではありません。
つまり良質なコンテンツが前提にあり、そこへたどり着くための手助けとしてとAIは共存していくといったイメージのようです。
ココログラフの見解
- 良い意味でも悪い意味でも、広告の面という意味で検索エンジンが廃れることは、Googleとしても避けたはずです。
- 検索クエリによって、一般ユーザーがSGEのようなAIを便利と感じるか、鬱陶しいと感じるか微妙なところです。
- 抜粋情報が記事ありきというものも、抜粋してくる記事の信憑性を踏まえるとドメインパワー(強ドメイン)依存は避けられなさそう。
【AI】MetaAIがGoogleの検索結果を追加
Meta社は昨年2023年の9月27日(現地時間)に、大規模言語モデル「Llama 2」を基盤としたAI会話アシスタント「Meta AI」等一連のAI製品を発表しました。
今回はその回答の生成にGoogleの検索結果を含むといった発表になります。
ココログラフの見解
- このようにGoogleの検索結果を参照するAIが増えることで、結果としてGoogleへの露出に対する価値は下がらない
- 広告の表示されないブラウザ「Brave」などでもブラウザに自社のAIを搭載する取り組みをはじめており、この手の検索補助AIはこれから大きなテーマになりそう。
- SGEも含めだが、定量的に一般ユーザーの使用率やエンゲージメント等の情報を追っていきたい。
(正直この手の検索AIは一般ユーザーによく思われるのか微妙な感じがしている)
【テクニカル】クロールバジェットは広告・マーチャントセンターにも消費
Xにて、我らがジョンミューラー氏(以後、ジョン氏)は、「マーチャントセンターの自動更新は、クロールバジェットの消費にカウントされるのでしょうか?」といった質問を受けます。
そこで、「もちろん、目指すべきはサーバーに対して高負荷を避けることです。」
と回答しました。
クロールバジェットの考え方
Google はあらゆる業種にわたるすべての Googlebot アクティビティを考慮しています。
これには、オーガニックの検索はもちろん、Merchant Center、広告、およびさまざまなクロール アクティビティすべてが含まれます。
クロールの頻度やイメージについては、サイトに応じて狙いや理想があるでしょう。
改めて、公式のセントラルよりガイドを読んでおきましょう。
大規模サイトのクロール バジェット管理 | Google 検索セントラル
ココログラフの見解
クロールバジェットの意識は難しい部分があります。
妙な意識を持ってクロールの制御を誤る懸念もあるので、手を動かす際は慎重に対応すべきです。
【業界あるある】GA4は海外でも不人気な意見が多い
海外SEOプレイヤーとしては、有名・人気なLily Ray氏。(以後、Lily氏)
Xではお馴染みの方も多いかもしれません。(名前で検索するとアーティストとしてのプロフィールが多くてユニークでした。Xでもオフの日はDJをされていたり明るい方です。)
そんなLily氏が、Xにてアンケートをとりました。
「GA4に対して、世のSEOプレイヤーが抱いている1番の不満を探したい」というテキスト共に、下記の4択でアンケートをとりました。
- UI/UXが不便 61.6%
- 教育不足(わかり易いノウハウが少ない的なニュアンスでしょうか) 8.6%
- データの不正確さ・遅延(ラグ等) 25%
- レポートの複製ができない 4.7%
(1585票)
といった結果になりました。
この辺の不満は、日本人が我々が抱いている感覚と変わらないですね。
リプライを見ると、多くの方が不満を追加していきます。
下記コメントはLily氏の投稿ツリーより引用
「5. もう単なる分析ツールではない」(上記の4択じゃ少なすぎるという意見も…。)
「上記のすべてに対応するオプションが必要です。さらに、一般的なレポートのバグや、GA4 と Bigquery 間の指標の整合性の欠如も加えましょう。」(この話題もよくありますね。)
「すべてが気に入らない。毎日一日中使っていた製品を、1日1回だけ覗く製品に変えてしまった。著者がいて、トラフィックソースやトレンドが簡単に表示され、リアルタイムと日次ビューがしっかりしているので、Parsleyの方が好きだ。何か問題があるのだろうか? ええ、でも統計分析にはどれも問題がある。GA4は、プレゼンテーション、形式、機能を徹底的に再考すべきだ。」(めちゃくちゃ怒ってはる…。)
中には、「世のSEOプレイヤーたちが変化を恐れすぎでは?どうせ数年経てば普通に使っているでしょう」といった意見もありましたが、ネガティブな意見が多いです。
ココログラフの見解
- 変わってしまったものは仕方がないが、クライアントとの共通認識が非常に難しい。特に、見る指標やタイミングによって数字が微妙に異なるので、認識合わせや「GA4がこういうもの」という共有が非常に難しい。
- ただ、国内では小川卓さんのように、GA4に真摯に向き合い、ノウハウを広げようと尽力されている方もいる。我々も情報をうまく汲み取り、共存していく働きかけも非常に大切です。
【AI】AIbotをブロックすべきかどうか?
※本トピックはMOZのWho Should Block AI Bots?記事より内容を参照・引用して、簡潔に語っています。
2023年8月、OpenAIはGPTのbotを公開し、robots.txtにてブロックすることができるようになりました。
Originality.aiとオックスフォード大学ロイター研究所の調査によると、膨大な数の Web サイト (一部のセグメントでは 48% もの) がこれを実装し、ブロックをするようになったとのことです。
ただし、MOZの見解としては、「botが公開された時点で、そのタイミングまでの情報は既に取得しているだろう。仮にブロックしたとしても、今後公開される情報へのアクセスを遅らせることくらいしかできないだろう」と述べています。
ブロックしない場合のケース
主にブロックしないべきだろうと考えるケースは下記3つです。
- 現状におけるトラフィックの獲得
- 現状におけるブランドの露出
- 将来の展開に期待するケース
現状におけるトラフィックの獲得
多くの有識者たちが、ChatGPTの働きと検索エンジンの働きは異なるため、「ChatGPTが検索エンジンの代替えになることは無いだろう」と話しています。
実際、BingがChatGPTを統合しても、市場のシェアが増えたのは1%程度となっておりゲームチェンジャーのような革命が起こることは無いであろうと予測しています。
ただし、業種にもよるかもしれませんが、ChatGPTが提供する多様な利用価値とビジネスに与える潜在的影響を考慮すれば、その機能を排除するのではなく、どのように活用できるかを考えるべきであるという考え方が見受けられます。
それにより、ビジネスはこれらの新しいツールを最大限に利用し、将来的な変化に適応できるようになるという点においてはクロールを妨げるべきでは無いという意見もあります。
現状におけるブランドの露出
ChatGPT等のAIが生成するコンテンツが直接的なトラフィックをもたらすかどうか?だけでなく、ブランドや製品が現住されるかどうかも重要な点といえます。
特に、自社製品について話すページへのモデルのアクセスを制限することで、ブランドや製品が正確に、あるいは全く言及されない可能性を高めてしまうかもしれないと指摘しています。
これは、新商品を発売したり、ブランドをリブランディングする際に特に影響が大きいかもしれません。新しい情報は外部ソースを通じてのみ取り込まれるため、その情報が否定的であったり、不正確であったりする可能性があります。
つまり、ブランド露出のためにAIが提供する機会を最大限に活用し、AIによるブランドの言及を促進することが推奨されるといった意見です。
将来の展開に期待するケース
※この点は良くも悪くも未知数という前提です。
もしかすると、数年後にGPTbotがクロールによって集めた情報をもとに、新しい検索エンジンが展開され話題性や性能によってはそこからの流入や影響力が計り知れない可能性もあるという仮説です。
そうなった際、常に情報を学習させておいた方が、先行者有利になるのは間違いありません。
様々な背景や現実を踏まえると可能性は低いかもしれないが、ChatGPTも数年でここまでインパクトのあるツール・存在になることは思わなかったはずです。
ブロックすべきケース
反対に、botをブロックすべきケースとして、下記が考えられます。
- 既存コンテンツの掘(壁)
- 法律が整うまでの時間稼ぎ
- 今後の展開
既存コンテンツの掘(壁)
ブロックすべきという意見として、「Googleなどの競合としてChatGPTが脅威になることではなく、AIが作成したコンテンツがオリジナルのコンテンツよりもトラフィックを奪ってしまう」といったことが挙げられています。
たとえば、健康に関するある特定のトピックについて詳細な情報を提供するウェブサイトがあったとします。
通常であれば、そのウェブサイトには多くの訪問者が期待される内容です。しかし、LLMを用いて生成されたコンテンツが同じトピックについて書かれ、かつ効率的に大量に生成されると、検索エンジンはこれらの生成コンテンツを優先して表示する可能性があります。
その結果、本来そのオリジナルのウェブサイトに流れるはずだった訪問者が、AIによって作成された記事に誘導されることになります。
法律が整うまでの時間稼ぎ
一部の出版社は、botをブロックしておくべきでが彼らが感じている脅威を十分に遅らせることができ、それによって法的(および商業的)なフレームワークが導入されるのを見るまでの時間を稼げると感じている可能性があるようでした。
出版社などがコンテンツボットをブロックすべきケースとしては、技術の進展に対して現在進行中の法的な不確実性がクリアされ、より確固たる法的及び商業的基盤が整うまでの猶予を得るために考慮されるべきです。これにより、技術の適用がどのように進められるべきかについて、より慎重なアプローチが可能となる意見になります。
今後の展開
将来的な展望として、AIボットによって動かされる新しい顧客獲得チャネルが増える可能性がある一方で、同じ技術による脅威も増える可能性があることが指摘されます。
具体例として、ブランドのディープフェイクや模倣製品などが挙げられます。このような展開は、現在のこうした技術の強みに適合しており、多くのブランドはこのような創造物の品質を低下させるためにできることを行うでしょう。
これは、技術の進歩がもたらすポジティブな側面だけでなく、潜在的なリスクや課題にも目を向ける必要があることを示唆しています。ブランドは、技術を利用して競争優位を築く方法を模索すると同時に、自社のイメージや製品を守るための対策も考慮する必要があります。具体的には、ブランドイメージを損なう可能性のあるディープフェイクや模倣品の出現に対して、積極的なモニタリングと対応策を講じることが求められます。
結局botはブロックすべきなのか?/ココログラフの見解
ここまで話したように、業種や考えによってどういった対応をすべきか考える必要があります。
必ずしもどちらが良いといった簡単な話ではありません。
Ziff Davis メディア ブランドのほとんど (Moz もその 1 つ) は出版事業を行っており、他のほとんどの出版事業と同様に、AI ボットをブロックしています。 Moz はより微妙なアプローチを検討していますが、これはまだ議論の余地があります。(引用:Who Should Block AI Bots?)
部分的なブロックなど、テクニカルな手法もさまざま考えられます。
引用元の記事でもまとめに記載されていますが、「ブロックしているケースも多い中で、なぜこの議論が少ないんだ?」とあります。
確かに、ここに言及して盛り上げっているケースってあまりSNSでも見ない印象があります。
今一度、自社の業界や展望を考えて、どういった対応がベストなのか考える必要がありますね。