最終更新日: 2026/06/01

AIOダッシュボードの作り方と必要な指標を初心者向けに解説

AIOダッシュボードの作り方と必要な指標を初心者向けに解説

「自分のサイト、AIに引用されてるの?」そんな疑問を持ち始めたら、それはAIOダッシュボードを作るタイミングかもしれません。ChatGPTやGeminiが普及した今、GA4の数字だけ眺めていても、AI検索の影響は見えてきません。この記事では、GA4・引用率・SoVの3つを組み合わせたAIOダッシュボードに必要な10指標と作り方を、初心者でも実践できるよう順を追って解説します。

AIOダッシュボードとは?AI時代に必要な新しいサイト計測の仕組み

AIOダッシュボードとは?AI時代に必要な新しいサイト計測の

AIOダッシュボードとは、AI検索時代に合わせてサイトのパフォーマンスを多角的に計測するための管理画面のことです。従来のSEO指標に加え、AI引用率やShare of Voice(SoV)といった新しい指標を組み合わせることで、AIが普及した現在のWeb環境での自サイトの「見え方」を把握できます。

従来のSEO指標だけでは何が足りないのか

これまでのSEO計測といえば、検索順位・オーガニック流入数・直帰率あたりが主役でした。でも正直なところ、これらの数字だけでは「AIに自サイトが引用されているか」「ブランドの認知がAI経由で広がっているか」は一切わかりません。

たとえば検索順位が1位でも、ChatGPTの回答に競合他社ばかり登場していたら、実際のユーザー接点は想像より少ない可能性があります。AI検索が日常になりつつある今、従来指標だけでは「見えていない部分」がじわじわと広がっています。

AIOダッシュボードで何がわかるようになるのか

AIOダッシュボードを使うと、次の3つの視点からサイトの状態を一覧できます。

  • 流入の状況:GA4のオーガニック流入・ダイレクト流入・エンゲージメント率などの基本データ
  • AIへの露出度:ChatGPTやGeminiなどに自サイトが引用されている頻度(引用率)
  • 競合との比較:検索結果やAI回答内での自サイトの存在感(SoV)

これらをひとつの画面にまとめることで、「流入は落ちていないのにコンバージョンが減った理由」「AI検索でのブランド露出が増えた背景」といった変化の原因を掴みやすくなります。

GA4・引用率・SoVの3つを組み合わせる理由

GA4は「自サイトの中で何が起きているか」を教えてくれますが、外の世界での自サイトの存在感は測れません。そこでAI引用率とSoVが必要になります。

GA4→引用率→SoVの順に見ると、「流入数の変化(GA4)」→「AIに引用されているか(引用率)」→「競合と比べてどのくらい目立っているか(SoV)」という因果関係が見えてきます。3つをバラバラに見るより、組み合わせることで施策の優先順位が格段につけやすくなります。

なぜ今AIOダッシュボードが必要なのか?AI検索が広がる背景

なぜ今AIOダッシュボードが必要なのか?AI検索が広がる背景

AI検索ツールが日常的に使われるようになり、Webサイトへのアクセス経路が大きく変わりつつあります。この変化を数値で把握するには、従来の計測手法にAI特有の指標を加える必要があります。

ChatGPTやGeminiが検索行動を変えつつある

「ちょっと調べたいな」というとき、Googleではなくいきなり ChatGPT に質問する人が増えています。Statista の調査では、ChatGPT の月間アクティブユーザーは2024年時点で1億人を超えており、情報収集の入り口が多様化していることがわかります。

この流れで起きているのが、「検索エンジンを経由しないWeb参照」の増加です。AIが回答を生成する際、その情報源としてWebサイトを参照するため、ユーザーが直接訪問しなくても自サイトの情報が間接的に消費される場面が増えています。

AI検索では「引用されるか」が新しい勝負になっている

検索結果で1位を取ることが重要だったのと同じように、AI回答内で引用されるかどうかが新しい評価軸になっています。AIが「このサイトの情報は信頼できる」と判断すれば、回答の中で自然に紹介されます。

引用されるサイトの特徴として、専門性が高い・情報が構造化されている・一次情報を含む、といった点が挙げられます。裏を返すと、薄い内容やコピー的な記事は引用されにくい傾向があります。この「引用されるかどうか」を計測するために、AIOダッシュボードが役立ちます。

従来の順位計測ツールでは見えなくなったもの

Ahrefs や Google Search Console は優秀なツールですが、AI検索内での自サイトの引用状況は計測対象外です。また、AI回答経由でブランド認知が上がってもGSCには反映されないため、「なんとなく問い合わせが増えた気がするけど理由がわからない」という状態が生まれやすくなっています。

このギャップを埋めるのが、AI引用率やAI回答内SoVを加えたAIOダッシュボードです。既存ツールを否定するのではなく、「見えていなかった部分を補完する」というイメージで捉えると理解しやすいです。

AIOダッシュボードに必要な10の指標一覧

AIOダッシュボードに必要な10の指標一覧

AIOダッシュボードを構成する指標は、GA4・AI引用率・SoVの3カテゴリに分かれます。それぞれのカテゴリから取得すべき指標を以下で詳しく解説します。

GA4で取れる基本的な流入・行動指標

GA4から取得できる指標は、サイト内で実際に何が起きているかを示す基礎データです。以下の4つが、AIOダッシュボードで特に重要な指標です。

オーガニック検索流入数

Google検索経由でサイトに来たユーザー数を指します。GA4では「セッションのデフォルト チャネル グループ」で「Organic Search」を絞り込むことで確認できます。

この数字の変動を月次で追うことで、検索エンジンからの集客力の推移がわかります。AI検索が普及するにつれてオーガニック流入が微減傾向になるケースがあり、後述するAI引用率やダイレクト流入と合わせて見ることで、その原因が掴めます。

直接流入数(ダイレクトトラフィック)

ブックマーク・URL直打ち・アプリ内リンクなど、参照元が不明な流入をまとめたものです。AI検索からのリンクをクリックしても参照元が記録されないケースがあるため、AI流入の一部がここに含まれていることがあります。

オーガニック流入が横ばいなのにダイレクト流入が増えている場合、AI検索経由の流入が増えているサインである可能性があります。単独で見るより、他の指標との比率変化に注目するのがポイントです。

ページ滞在時間・エンゲージメント率

GA4では従来の「直帰率」に代わり、「エンゲージメント率」が主要指標となっています。エンゲージメントセッションとは、10秒以上の滞在・2ページ以上の閲覧・コンバージョン発生のいずれかを満たしたセッションのことです。

AI検索経由で来たユーザーは「すでに概要をAIから得ている」ため、より深い情報を求めて訪問している傾向があります。そのためエンゲージメント率が高めに出やすく、コンテンツの質を評価する指標として参考になります。

ランディングページ別のコンバージョン数

どのページから入ってきたユーザーが最終的に問い合わせや購入などのコンバージョンに至ったかを示します。GA4の「ランディング ページ + クエリ文字列」レポートにコンバージョン列を追加することで確認できます。

AIOダッシュボードでは、AI引用率の高いページとコンバージョン率を並べて見ることで、「AI経由で集客できているページがビジネス成果にも貢献しているか」を判断する材料になります。

AI検索の影響を測る引用率・露出指標

AI引用率と関連指標は、自サイトがAI検索にどれだけ露出しているかを把握するためのものです。GA4には含まれないため、手動調査やツールを組み合わせて取得します。

AI引用率(AIに自サイトが引用された割合)

特定のキーワードでChatGPT・Gemini・Perplexityなどに質問したとき、自サイトが回答内で引用・言及された割合です。たとえば「SEOとは」というキーワードで10回質問したとき、5回自サイトが登場すれば引用率は50%になります。

現時点では自動計測ツールが限られているため、主要キーワード10〜20件を対象に手動でサンプリング調査する方法が現実的です。週次で同じキーワードを確認し、割合を記録していくと傾向が見えてきます。

ブランド検索数の変化

「[ブランド名] + サービス名」のような指名検索数の変化を、Google Search Console で追います。AI検索でブランドが紹介されると、後からブランド名で検索するユーザーが増える傾向があります。

AI引用率と合わせて見ることで、「AIに引用された結果、指名検索が増えている」という相関関係を確認できます。ブランド認知の変化を定量的に把握する、シンプルながら効果的な指標です。

AI検索経由の流入推定数

現在のところ、AI検索からの流入を正確に分離するのは難しい状況です。ただし「ダイレクト流入の増加分」「ブランド検索数の増加分」を参考値として合計することで、AI経由流入の大まかな規模感を推定できます。

UTMパラメーターをAI検索ツールのリンクに付与できる場合(Perplexityの引用リンクなど)はそのデータも活用しましょう。あくまで推定値ですが、ゼロよりも根拠のある数字として管理できます。

競合との比較に使うSoV(Share of Voice)指標

SoV(Share of Voice)は、特定のキーワード群に対して自サイトがどれだけ露出しているかを、競合と比べて割合で示す指標です。以下の3つの切り口で計測します。

オーガニックSoV(検索結果での自サイトの存在感)

対象キーワード一覧に対して、自サイトが検索結果に表示された割合を競合と比較したものです。計算式は「自サイトの表示回数 ÷ 全サイトの表示回数合計 × 100」で表されます。

Ahrefs や Semrush の「Share of Voice」機能を使うか、Google Search Console のインプレッション数を競合と比較することで算出できます。検索全体での存在感を数値化できるため、定点観測に向いています。

AI回答内SoV(AI検索での引用シェア)

特定キーワードでAIに質問した際、回答内で発生した引用の総数のうち自サイトが占める割合です。たとえば10件の質問に対する回答内で計30件の引用があり、そのうち自サイトが5件引用されていた場合、SoV=5÷30×100≒16.7%(約17%)となります。ただし、引用の集計単位(URL引用・ブランド言及・文中参照を含むかどうかなど)は調査設計によって変わるため、実際に運用する際は集計ルールをあらかじめ決めておくと再現性が高まりますよ。

この指標はオーガニックSoVとは別に管理するのがおすすめです。オーガニックSoVが検索結果上の表示・順位やクリック・表示回数などをベースにした指標であるのに対し、AI回答内SoVはAI回答における引用・言及ベースの指標です。「検索では強いがAIでは弱い」「AIでは引用されるが検索流入は少ない」といった不均衡を発見するために活用してみてください。AIOダッシュボードに必要な10指標と作り方(GA4+引用率+SoV)を整える上でも、この2つの指標はセットで確認する習慣をつけておくと安心です。

コンテンツカバレッジ率(重要テーマをどれだけ網羅しているか)

自サイトが対象テーマについてどれだけ網羅的にコンテンツを持っているかを示す割合です。たとえば「SEOに関する重要キーワード100件のうち、自サイトがカバーしている(検索結果に表示されている)のが60件」であればカバレッジ率は60%です。

AIは情報の網羅性が高いサイトを引用しやすい傾向があるため、カバレッジ率を高めることがAI引用率の改善にも直結します。コンテンツ拡充の優先順位をつける際の判断材料として活用できます。

各指標の意味と見方をわかりやすく解説

各指標の意味と見方をわかりやすく解説

指標の名前を知っていても、「実際に何を見ればいいの?」と感じることは多いです。ここでは3カテゴリそれぞれの見方を、初心者にもわかりやすく整理します。

GA4の指標:何をどこで確認するか

GA4を開いたら、まずは「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」の順に進みましょう。ここで「セッションのデフォルト チャネル グループ」を選ぶと、オーガニック・ダイレクト・リファラルなど流入元ごとのセッション数が確認できます。

エンゲージメント率は「エンゲージメント」レポート、コンバージョンは「コンバージョン」レポートからそれぞれ確認します。ランディングページ別に見たいときは「ページとスクリーン」レポートを開き、「ランディング ページ」のディメンションに切り替えてください。慣れるまでは画面構成がわかりにくく感じるかもしれませんが、使う場所は限られているので、この3〜4か所を押さえれば十分です。

AI引用率の意味:なぜ引用されることが重要なのか

AI引用率は「AIの回答内で自サイトが情報源として登場する頻度」を表します。Webページを見に行くのは「信頼できる情報を探している」ユーザーですが、AIの回答を読むユーザーはさらにその上で「AIも認めた情報源」として自サイトを認識します。これがブランド信頼度の向上や指名検索の増加につながります。

またAIに引用されやすいサイトは、構造化されていて・専門的で・信頼性が高い傾向があります。つまり引用率を高める取り組みは、SEO的にも質の高いコンテンツを作ることと一致しています。「AIに好かれるコンテンツ」と「ユーザーに読まれるコンテンツ」の方向性は、基本的に同じです。

SoVの意味:競合と比べて自分の「見え方」を数値化する

SoV(Share of Voice)は、市場の中での「声の大きさ」を数値で示す概念です。テレビCMの時代には広告費シェアを意味しましたが、Webでは検索結果や広告・AI回答でどれだけ露出しているかに置き換わっています。

たとえば同じキーワードで検索したとき、競合A社が100回・競合B社が80回・自社が20回表示されているとすると、自社のSoVは約10%です。この数字を継続して追うことで「じわじわシェアが削られている」「新しいコンテンツを出してSoVが上がった」という変化をタイムリーに察知できます。感覚ではなく、数字でシェアの変化を見る習慣をつけると改善の糸口が見つかりやすくなります。

AIOダッシュボードの作り方・手順

AIOダッシュボードの作り方・手順

実際のダッシュボード構築は、GA4のデータ整理→AI引用率の調査→SoVの集計→Looker Studioでの可視化→定期レビューのサイクルという5ステップで進めます。各ステップを順番に見ていきましょう。

ステップ1:GA4のデータを整理して必要なレポートを準備する

まずGA4で計測できている状態かを確認します。Googleタグマネージャーまたは直接タグを設置してGA4プロパティが正常に動作しているかをチェックしましょう。

次に「探索」レポートを使って、以下のカスタムレポートを作成しておくと便利です。

  1. チャネル別セッション数(Organic Search・Direct の推移)
  2. ランディングページ別エンゲージメント率・コンバージョン数
  3. 期間比較レポート(前月比・前年同月比)

作成したカスタムレポートは後でLooker Studioに接続するため、レポート名をわかりやすく整理しておくのがポイントです。

ステップ2:AI引用率を調べる方法(手動チェック・ツール活用)

AI引用率の調査方法は、現状では大きく2つあります。

手動チェック:自サイトにとって重要なキーワード(15〜20件が目安)をリストアップし、ChatGPT・Gemini・Perplexity それぞれに同じ質問を入力して、回答内に自サイトのURL・ブランド名・コンテンツが登場するかを記録します。スプレッドシートに「キーワード / AI種類 / 引用有無 / 引用箇所」の列を作ると管理しやすいです。

ツール活用Semrush の AI ToolkitBrandwatch など、AI引用を追跡できる商用ツールも増えています。無料では Perplexity の引用履歴確認 を手動で活用する方法もあります。初心者のうちはまず手動チェックから始め、データ量が増えてきたらツール導入を検討しましょう。

ステップ3:SoVを計算するために競合データを集める

SoVを計算するには、まず対象キーワードリストと競合サイトを決める必要があります。

  1. キーワードリストを作成:自サイトが順位を取りたいキーワードを20〜50件用意します
  2. 競合を3〜5社に絞る:実際に検索して上位に出てくるサイトから選びましょう
  3. 表示回数を集計:Google Search Console で自サイトの表示回数を、Ahrefs や Semrush で競合の表示回数を確認します
  4. 割合を計算:「自サイトの表示回数 ÷ (自サイト+競合全体の表示回数)× 100」がSoVです

AI回答内SoVはステップ2で収集したデータを元に、「自サイトの引用回数 ÷ 全サイトの引用回数合計 × 100」で算出します。最初は小さいスケールで始めて、慣れてきたら対象キーワードを広げていくのがおすすめです。

ステップ4:Looker Studio(無料)でダッシュボードを作成する

データが揃ったら、Google の無料BIツール「Looker Studio」でダッシュボードを組み立てます。GA4との接続が標準機能で用意されているため、初心者でも比較的取り組みやすいです。

Looker Studioにデータソースを接続する手順

Looker Studio にアクセスし、Googleアカウントでログインします。「空のレポートを作成」→「データを追加」の順に進み、「Google アナリティクス」を選択して対象のGA4プロパティを接続しましょう。

スプレッドシートで管理している引用率・SoVのデータは、「Googleスプレッドシート」コネクターを使って接続できます。各シートを別のデータソースとして追加しておくと、後でグラフに使いやすくなります。

10指標をまとめたレポートページを作るコツ

ダッシュボードは「一目で状態がわかる」ように設計するのが大切です。以下のレイアウトを参考にしてみてください。

配置エリア

内容

上段(スコアカード)

オーガニック流入数・ダイレクト流入数・エンゲージメント率・コンバージョン数

中段(折れ線グラフ)

各流入チャネルの時系列推移

下段左(棒グラフ)

AI引用率・ブランド検索数の変化

下段右(ゲージまたは数値)

オーガニックSoV・AI回答内SoV・カバレッジ率

各指標に「前月比」の変化率を添えるだけで、増えた・減ったが一目でわかります。色は赤・緑などシンプルに使い分けると視認性が上がります。

自動更新できるように設定する方法

GA4データソースはLooker Studioが定期的に自動更新してくれるため、特別な設定は不要です。更新頻度はデフォルトで15分〜1時間程度です。

スプレッドシートで管理する引用率・SoVデータは自動更新されないため、週次のチェック作業を習慣化してシートを手動更新する運用が現実的です。Googleスプレッドシートの更新日をセルに記録しておくと、「いつのデータか」を見失わずに済みます。作業を自動化したい場合は、Google Apps Script で定期実行するスクリプトを組む方法もあります。

ステップ5:週次・月次でモニタリングするサイクルを作る

ダッシュボードを作っただけでは意味がなく、定期的に見るサイクルを作ることが大切です。

  • 週次(5〜10分):オーガニック流入・直帰率の急変確認 → AI引用率のサンプル調査 → 異常値があれば原因をメモ
  • 月次(30〜60分):10指標全体の前月比を確認 → SoVの変化を競合比較 → 翌月の改善アクションを1〜2つ決める

「何かあったら確認する」のではなく、カレンダーにモニタリングの時間を固定で入れておくのがポイントです。月次レビューでは数字だけでなく「なぜこの変化が起きたか」を短くメモしておくと、後から見返したときに施策の効果を判断しやすくなります。

AIOダッシュボードを使った改善の進め方

AIOダッシュボードを使った改善の進め方

ダッシュボードは数字を眺めるためではなく、改善のアクションを決めるためにあります。指標ごとに「数字が悪いときに何をすべきか」の判断軸を持っておきましょう。

数字を見て「何を変えるべきか」を判断する方法

AIOダッシュボードの数字を見たとき、まず「どの指標が下がっているか」を確認し、次に「原因はGA4側か・AI引用率側か・SoV側か」を切り分けます。

たとえばオーガニック流入は横ばいなのにコンバージョンが落ちている場合、ランディングページのエンゲージメント率を確認します。一方、流入自体が減っているならSoVや引用率の変化を先に見る、という流れで「どの階層で問題が起きているか」を絞り込めます。すべての数字を同時に改善しようとすると迷子になるため、ひとつの指標を選んで集中的に改善する姿勢が大切です。

AI引用率が低いときに試したい改善策

AI引用率が期待より低い場合、以下の観点でコンテンツを見直してみてください。

  • 専門性を高める:数字・事例・一次情報(自社調査・インタビューなど)を含める
  • 構造化を整える:見出し・リスト・テーブルを使い、情報をスキャンしやすくする
  • 網羅性を上げる:関連テーマをカバーするコンテンツを増やし、カバレッジ率を高める
  • E-E-A-T を意識する:著者情報・監修者の明記・外部リンクの充実で信頼性を示す

AIは「この情報を引用すれば正確な回答ができる」と判断できるサイトを選ぶ傾向があります。読者にとって本当に役立つ情報を丁寧に作ることが、結果的に引用率の改善につながります。

SoVが下がっているときに確認すべきポイント

SoVが下がっているときは「自分が落ちているのか、競合が上がっているのか」を先に確認します。自分の表示回数が変わらず競合の表示回数が増えているなら、競合の新コンテンツがヒットしている可能性があります。

確認すべきポイントは以下のとおりです。

  1. SoVが下がったキーワードを特定する(全体ではなく個別キーワードで確認)
  2. そのキーワードで上位表示している競合コンテンツを実際に読む
  3. 自社コンテンツとの差分(情報量・鮮度・構成)を洗い出す
  4. コンテンツのリライトまたは新規作成を実施する

SoVの変化は「今すぐ対処すべき課題」を教えてくれるセンサーとして機能します。毎月のモニタリングで下落傾向に早めに気づき、手を打つことが重要です。

初心者がつまずきやすいポイントと対処法

初心者がつまずきやすいポイントと対処法

AIOダッシュボードの構築で壁にぶつかりやすい場面は、だいたい3つに絞られます。焦らず一つずつ解決していきましょう。

GA4の設定がうまくいかないときの確認箇所

GA4でデータが取れていない・数字がおかしいと感じたら、以下の順番で確認してみてください。

  1. タグが正しく設置されているか:Googleタグアシスタント(Chrome拡張)でサイトを開き、GA4タグが「Fired」になっているか確認
  2. フィルターが邪魔していないか:GA4プロパティの「データフィルタ」で内部トラフィックが除外されているか確認。社内IPから閲覧している場合、除外設定が正しくないと自分のアクセスが混入します
  3. コンバージョン設定がされているか:計測したいイベント(フォーム送信・ボタンクリックなど)が「コンバージョンとしてマーク」されているかGA4で確認

「データが少なすぎる」場合は、タグの設置漏れやフィルターの誤設定が原因であることがほとんどです。

AI引用率の計測方法がわからないときの代替手段

「何をどう調べればいいかわからない」という場合は、まず非常にシンプルな方法から試してみましょう。

ChatGPT の検索ボックスに「[自社サービス名] とは何ですか?」「[主力キーワード] について教えてください」と入力して、返ってきた回答に自サイトの情報や名前が登場するか確認するだけです。これを週に1回・5〜10件のキーワードで実施してスプレッドシートに記録すれば、初歩的なAI引用率のトラッキングになります。

完璧なデータより「始めること」が大切です。まずは小さくスタートして、慣れてきたらキーワード数や確認するAIツールの種類を増やしていけば十分です。

SoVの計算が複雑に感じるときのシンプルな考え方

SoVの計算が難しく感じる原因のひとつは、「何と何を足してどこで割るか」がわかりにくいことです。最もシンプルな考え方として、まず「比べる相手(競合2〜3社)」と「比べる舞台(キーワード10件)」を決めてしまうことをおすすめします。

あとはスプレッドシートに各キーワードの「自サイトの表示回数」と「競合各社の表示回数」を並べ、合計に対する自サイトの割合を出すだけです。最初から全キーワードを対象にしようとすると作業量が膨大になるため、まず10件のコアキーワードに絞って試算してみてください。「だいたいの傾向がわかれば十分」と割り切ると、心理的な負担もぐっと軽くなります。

まとめ

まとめ

AIOダッシュボードに必要な10指標と作り方をGA4・引用率・SoVの3軸で解説しました。AI検索が広がるにつれて、従来のSEO指標だけでは見えない部分が確実に増えています。

大切なのは「完璧なダッシュボードを一度に作ること」ではなく、まず使える状態にして定期的に見るサイクルを作ることです。GA4のレポートを整える→AI引用率を手動でサンプリングする→SoVを10件のキーワードで試算する、この3つから始めるだけでも、今日からAI時代の計測を一歩前進させられます。

数字は「見るだけ」では変わりません。でも定期的に眺めていると、変化の感覚が育ってきて、施策の方向性が定まりやすくなります。まずは小さな一歩から、ぜひ試してみてください。

AIOダッシュボードに必要な10指標と作り方(GA4+引用率+SoV)についてよくある質問

![AIOダッシュボードに必要な10指標と作り方(GA4+引用率+SoV)についてよくある質問](images/AIOダッシュボードに必要な10指標と作り方(GA4+引用率+SoV)についてよくある質問.jpg)

  • AIOダッシュボードは無料で作れますか?
    • はい、GA4(無料)・Looker Studio(無料)・Googleスプレッドシート(無料)を組み合わせることで、費用ゼロでAIOダッシュボードを構築できます。AI引用率の調査も手動チェックであれば無料で実施できます。ツールを使って自動化する場合は有料プランが必要になることがありますが、まずは無料の範囲で十分です。
  • AI引用率を計測するのに専門知識は必要ですか?
    • 基本的な計測は専門知識がなくても始められます。ChatGPTやGeminiに質問を入力して自サイトが登場するか確認し、スプレッドシートに記録するだけでOKです。慣れてきたら計測ツールの導入を検討すると効率が上がります。
  • SoVはどのくらいの頻度で確認すべきですか?
    • 月に1回程度が目安です。週次でオーガニック流入の変化を確認し、大きな変動があったときにSoVを細かくチェックする使い方が実用的です。検索アルゴリズムのアップデートがあった月は、前後のSoV変化を必ず確認することをおすすめします。
  • Looker StudioとGA4を接続するのは難しいですか?
    • 同じGoogleアカウントを使っていれば、接続自体は5分程度で完了します。Looker Studio の「データを追加」からGoogle アナリティクスを選び、対象プロパティを選択するだけです。グラフの作り方に慣れるまで少し時間がかかりますが、Googleの公式テンプレートを使うと最初のハードルを下げられます。
  • 10指標すべてを最初から追う必要はありますか?
    • 必ずしも全部から始める必要はありません。まずGA4の4指標(オーガニック流入・ダイレクト流入・エンゲージメント率・コンバージョン数)を整備し、次にAI引用率のサンプリング調査を加えて、最後にSoVを計算する、という段階的なアプローチが無理なく続けられます。
中村 一浩

監修者紹介

中村 一浩

代表取締役CEO

株式会社ココログラフ 代表取締役CEO。1982年生まれ。高校卒業後に携帯販売業界にて、インターネットとハードウェアの急速な進化に触れた後、ウェブの面白さに惹かれ、2009年に株式会社ジオコードに入社。SEOを中心にウェブマーケティングを学び、同時にウェブ制作部門、システム開発部門のマネジメントも兼務。幅広いウェブ運用知識を有する。2018年に独立・起業し、検索エンジンだけでなく検索ユーザーにまで最適化する、SEOの上位互換サービスSUOを提供。SEO / SUOの独自レポートツール、サチコレポート開発者。著書『現場のプロが教えるSEOの最新常識』(Amazon: https://amzn.to/4wPgYEK )

■得意領域
ウェブサイト改善 / SEO対策 / コンテンツマーケティング

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