最終更新日: 2026/05/28

AI流入とSEO流入の共食いを自分で見極める方法

AI流入とSEO流入の共食いを自分で見極める方法

「AI流入が増えてきたけど、SEOの効果が薄れてきた気がする…もしかして共食いしてる?」そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。ChatGPTやGeminiなどのAIツールが普及したことで、Webサイトへの流入経路が複雑になってきました。この記事では、AI流入とSEO流入の比較分析を通じて、共食いの有無を見極める方法を初心者にもわかりやすく解説します。

AI流入とSEO流入は「共食い」しているのか?結論を先にお伝えします

AI流入とSEO流入は「共食い」しているのか?結論を先にお伝

結論からお伝えすると、AI流入とSEO流入は「多くの場合、共食いしていない」と考えてよいケースがほとんどです。ただし、条件によっては競合が生じることもあります。まずは全体像を把握しておきましょう。

ほとんどのケースで共食いは起きていない

AI流入とSEO流入は、そもそもユーザーが情報にたどり着くルートがまったく異なります。Googleで検索して訪れるユーザーと、ChatGPTの回答からリンクを経由して訪れるユーザーは、行動のきっかけや目的が別物です。そのため、片方が増えたからといってもう片方が減る「ゼロサム」の関係にはなりにくいのです。実際に多くのサイトでは、AI流入が増えてもSEO流入は横ばいか緩やかな上昇を維持しているケースが見られます。

ただし「一部のキーワード」では競合が発生することがある

一方で、特定の条件が重なると競合が起きるケースもゼロではありません。たとえば「〇〇とは」「〇〇のやり方」といった明快な疑問系キーワードは、AIチャットボットが直接答えを提示しやすいため、Googleでわざわざ検索するユーザーが減る可能性があります。こうしたシンプルな情報提供型のページでは、SEO流入数が以前より落ちているケースも報告されています。すべてのキーワードで同じことが起きるわけではなく、コンテンツの性質によって状況が変わります。

まず自分のサイトがどちらのケースか確認することが大切

「うちのサイトはどっちなんだろう?」と気になるのが当然ですよね。一般論として「共食いしていない」と聞いても、自分のサイトで実際に何が起きているかは、データを見なければわかりません。GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールを使って、自サイトの流入データを確認することがまず第一歩です。この記事では、その具体的な確認手順をステップ形式でご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

そもそもAI流入とSEO流入の違いとは?

そもそもAI流入とSEO流入の違いとは?

比較分析を始める前に、AI流入とSEO流入がそれぞれどういうものかを整理しておきましょう。2つの違いを理解することが、共食いの有無を正しく判断するための土台になります。

SEO流入とは何か(検索エンジン経由のアクセス)

SEO流入とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで何かを検索した結果、検索結果ページに表示されたリンクをクリックしてサイトに訪れることを指します。検索エンジン最適化(SEO)によって記事やページの検索順位を上げ、ユーザーのクリックを獲得するのが基本的な仕組みです。Googleアナリティクスでは「Organic Search」という流入元として記録されます。長年Webマーケティングの主軸となってきた流入経路で、検索クエリ(ユーザーが入力したキーワード)に対してコンテンツが評価されることで流入が生まれます。

AI流入とは何か(ChatGPTやGeminiなどのAI経由のアクセス)

AI流入とは、ChatGPTやGemini、Perplexityなどの生成AIやAI搭載の検索ツールを通じてサイトに訪れることです。ユーザーがAIに質問すると、AIが回答の中で参考情報として特定のURLを示すことがあります。そのリンクをクリックした場合がAI流入にあたります。Googleアナリティクスでは「Referral(参照元)」として記録されることが多く、参照元のドメインを見ると「chat.openai.com」「gemini.google.com」などが確認できます。まだ比較的新しい流入経路ですが、AIの利用者が増えるにつれて注目度が高まっています。

2つの流入元がどのように異なるか

SEO流入とAI流入は、ユーザーの行動プロセスや情報への到達方法が根本的に異なります。それぞれの違いを3つの観点から見ていきましょう。

流入経路の違い

SEO流入は「検索エンジン → 検索結果の一覧 → サイト」という経路をたどります。ユーザーは複数の検索結果を見比べて、自分でクリックするページを選びます。一方、AI流入は「AIツール → AIの回答 → サイト」という流れです。AIが回答の一部として特定のURLを提示し、ユーザーはAIに選ばれたサイトを訪問することになります。自分で比較・選択するプロセスが少ない点がSEO流入との大きな違いです。

ユーザーの行動パターンの違い

SEO流入のユーザーは、検索結果の複数ページをチェックしながら自分なりに情報を集めることが多いため、サイト内を複数ページ回遊することもあります。AI流入のユーザーは、すでにAIから一定の回答を得た状態でやってくるため「詳細を確認したい」「もっと深く知りたい」という目的が明確なことが多いです。そのためページ滞在時間が長くなる傾向も報告されており、質の高い流入になりやすいという特徴があります。

コンテンツへの到達方法の違い

SEO流入では、Googleのアルゴリズムがコンテンツの品質・関連性・被リンクなどを評価して検索順位を決めます。AI流入では、AIがコンテンツの信頼性や情報の正確さ、参照元として適切かどうかを独自の基準で判断して紹介します。つまり、SEOで高評価を得るための施策とAIに引用されやすいコンテンツ作りは、完全に一致するわけではありません。ただし「信頼できる情報を丁寧に書く」という基本は共通しており、両立できる部分も多いです。

AI流入とSEO流入が「共食い」するとはどういう意味か

AI流入とSEO流入が「共食い」するとはどういう意味か

「共食い」という言葉は少し物騒に聞こえますが、マーケティングの文脈では「自社の施策同士が互いの効果を打ち消し合う状態」を指します。AI流入とSEO流入における共食いとはどういう状況なのか、具体的に確認しておきましょう。

共食いとは:片方が増えると片方が減る状態のこと

AI流入とSEO流入の共食いとは、「AI経由のアクセスが増えた分だけ、SEO経由のアクセスが減る」という状態です。たとえば、あるページへの月間アクセスが合計100件だったとして、AI流入が30件増えたのに合計は100件のまま変わらない場合、SEO流入が30件食われていることになります。これがまさに共食いのイメージです。全体の流入が増えるなら問題ないのですが、合計が伸びず片方だけが増減している場合は、競合が起きている可能性を疑う必要があります。

共食いが起きやすい条件とは

共食いが起きやすいのは、主に次のような条件が重なったときです。

  • ユーザーの疑問に対してAIが完全な回答を出してしまう「情報完結型」のコンテンツ(例:「〇〇の意味は?」「〇〇の手順」)
  • ターゲットキーワードが「AIが得意とするシンプルな質疑応答」に近いもの
  • SEO流入の多くが「情報収集目的」であり、AIチャットボットで代替できてしまうもの

このような場合、ユーザーはわざわざ検索エンジンを使わずAIに直接聞くようになるため、検索数自体が減り、SEO流入が細くなることがあります。

共食いが起きにくい条件とは

反対に、共食いが起きにくいのは次のようなケースです。

  • 最新情報や事例、価格など「リアルタイム性」が求められるコンテンツ
  • 個人の体験談やレビューなど「一次情報」が価値になるコンテンツ
  • 比較検討・購買意図が強いトランザクション系のキーワード
  • 専門性の高い詳細解説や、特定の業界・ツールに特化した情報

こうしたコンテンツはAIが完全には代替しにくく、ユーザーが実際にサイトを訪れる動機が残ります。SEO流入とAI流入が互いを補う形で共存しやすい領域です。

AI流入とSEO流入が競合しているかを見極める3つのチェックポイント

AI流入とSEO流入が競合しているかを見極める3つのチェック

実際に自サイトで共食いが起きているかどうかを判断するには、いくつかの観点からデータを見る必要があります。難しく考えなくても、まずは次の3点を確認するだけで大まかな状況が見えてきます。

チェックポイント①:同じキーワードで両方から流入が来ているか

最初に確認したいのは、同じテーマ・キーワードに対してAI経由とSEO経由の両方からアクセスが来ているかどうかです。たとえば「SEO 初心者 やり方」というキーワードで検索流入もあり、かつAI経由でも同ページへの流入が確認できる場合は、競合が起きている可能性を疑う出発点になります。逆に、AI流入と検索流入がまったく別のページに来ている場合は、それぞれ役割が異なるコンテンツであり、共食いは起きていないと考えられます。まずはGA4とサーチコンソールを開いて、どのページにどこから来ているかを確認してみましょう。

チェックポイント②:流入数の増減が逆の動きをしていないか

次に、AI流入が増えた時期とSEO流入が減った時期が重なっていないかをチェックします。たとえば、直近3ヶ月でAI経由のアクセスが月50件→100件に増えた一方、同期間のオーガニック検索流入が月500件→400件に落ちていた場合は、関係があるかもしれません。ただし、これだけで「共食いだ」と判断するのは早計です。SEO流入の減少には、アルゴリズムの変動や季節性など別の原因も多くあります。あくまで「逆の動きが重なっているかどうか」を確認する一つの手がかりとして見てください。

チェックポイント③:ユーザーの離脱率や行動に差があるか

もう一つ見ておきたいのが、AI経由で来たユーザーとSEO経由で来たユーザーの行動の違いです。GA4の「参照元・メディア」別レポートで、流入元ごとのエンゲージメント率(または離脱率)や平均セッション時間を比べてみましょう。AI経由のユーザーのほうが明らかに滞在時間が短く直帰率も高い場合は、コンテンツとの相性が悪いか、求めている情報がすでにAI側で完結していた可能性があります。行動指標に大きな差がなければ、どちらの流入も質的に近く、共食いの悪影響は出ていないと判断できます。

Googleアナリティクス4でAI流入を確認する手順

Googleアナリティクス4でAI流入を確認する手順

AI流入を数字として把握するには、Googleアナリティクス4(GA4)を使います。設定や操作が少し難しく感じるかもしれませんが、基本的なレポート機能を使うだけで確認できます。順を追って見ていきましょう。

GA4でAI流入を見るための基本設定

GA4でAI流入を確認する前に、まずサイトにGA4のトラッキングコードが正しく設置されているかを確認してください。設置済みであれば特別な追加設定なしでも、AI経由の流入は「参照元(Referral)」として自動的に記録されます。ただし、ChatGPTのアプリ版や一部の環境では参照元情報が送られず「Direct(直接)」に分類されることもあります。完璧にすべてのAI流入を捕捉するのは現時点では難しいですが、主要なAIツールからのウェブアクセスはReferralとして記録されることが多いので、まずはそこを見ていきましょう。

参照元・メディアでAI経由のアクセスを特定する方法

GA4でAI流入を確認する手順は次のとおりです。

  1. GA4にログインし、左メニューから「レポート」を選択
  2. 「集客」→「トラフィック獲得」をクリック
  3. 表の左上にある「セッションのデフォルト チャネル グループ」をクリックし、「セッションの参照元/メディア」に切り替える
  4. 一覧の中から「chat.openai.com / referral」「gemini.google.com / referral」「perplexity.ai / referral」などのドメインを探す

これらが表示されていれば、AI経由の流入が記録されている証拠です。表示されていない場合は、AI流入がまだ少ないか、アプリ経由でDirect計上されている可能性があります。

AI流入の数値をSEO流入と並べて比較する方法

GA4でAI流入とSEO流入を並べて比較するには、「比較機能」または「探索レポート」を活用するのが便利です。探索レポートでは、「セッションの参照元/メディア」をディメンションに設定し、「google / organic」(SEO流入)と各AIドメインの「referral」を絞り込んで、同じグラフ上で推移を表示できます。期間を3ヶ月や6ヶ月に設定して時系列で見ると、流入数の増減パターンが視覚的につかみやすくなります。数値が画面に並んだとき、AI流入とSEO流入が「同時に増えている」のか「逆の動きをしている」のかがはっきりしてきます。

Googleサーチコンソールでキーワードごとの状況を確認する手順

Googleサーチコンソールでキーワードごとの状況を確認する

Googleサーチコンソール(GSC)は、SEO流入の詳細を調べるのに欠かせないツールです。特にキーワードごとのクリック数や表示回数が確認できるため、SEO流入の変化とAI流入の動向を照らし合わせるのに役立ちます。

サーチコンソールでSEO流入の検索クエリを確認する方法

Googleサーチコンソールにログインしたら、左メニューの「検索パフォーマンス」をクリックします。画面上部の「検索タイプ」が「ウェブ」になっていることを確認したら、下部のテーブルで「クエリ」タブを選択してください。これでユーザーがどんなキーワードで検索してサイトにたどり着いたかが確認できます。「クリック数」「表示回数」「CTR(クリック率)」「平均掲載順位」の4つの指標が表示され、それぞれの数値が多い順や少ない順に並び替えることができます。まずはクリック数の多いキーワード上位10〜20件を確認するところから始めると全体感がつかめます。

クリック数・表示回数の推移でSEO流入の変化を読み取る方法

検索パフォーマンス画面の上部グラフでは、期間を指定してクリック数と表示回数の推移を確認できます。直近の3ヶ月と、その前の3ヶ月を「期間を比較」機能で並べて表示すると、SEO流入が増えているのか減っているのかが一目でわかります。特定のキーワードについて調べたい場合は、クエリのフィルターを使って絞り込むことも可能です。たとえば「AI流入が増えたと思われる時期」と「その前後のSEO流入の数値」を比べてみると、実際に影響が出ているかどうかを具体的に確認できます。

AI流入が増えた時期とSEO流入の変化を照らし合わせる方法

GA4でAI流入が増加し始めた時期を確認したら、同じ期間のサーチコンソールのデータを見てみましょう。たとえば「2024年10月からAI流入が増え始めた」とわかったなら、GSCで同じ10月以降のSEO流入の変化を確認します。

  • SEO流入が同時期に急落している → 共食いの可能性あり
  • SEO流入は横ばいまたは増加している → 共食いではない可能性が高い
  • SEO流入が減っているが、AI流入増加の時期とズレている → 別の原因(アルゴリズム変動など)を疑う

このように時系列の照らし合わせを行うことで、データに基づいた判断ができます。

共食いの有無を判断するための比較分析の進め方

共食いの有無を判断するための比較分析の進め方

ここまでの確認ポイントを踏まえて、実際に比較分析を進める手順を5つのステップでご紹介します。各ステップを順番に進めることで、自サイトの状況を体系的に把握できます。

ステップ①:期間を決めてAI流入とSEO流入のデータをそれぞれ取得する

まず、分析する期間を決めましょう。最低でも直近3ヶ月分のデータがあると傾向が見えやすくなります。できれば6ヶ月〜1年分あると、季節変動の影響も考慮しやすいです。GA4では「参照元・メディア」レポートからAI流入のセッション数を、「google / organic」のデータでSEO流入のセッション数をそれぞれ期間指定で取得します。ExcelやGoogleスプレッドシートに月別で書き出しておくと、この後の比較が楽になります。

ステップ②:流入数の増減を時系列で並べて比較する

取得したデータを時系列のグラフにしてみましょう。縦軸にセッション数、横軸に月をとり、AI流入とSEO流入の2本の折れ線グラフを重ねて描きます。このグラフで「2本の線が逆方向に動いているかどうか」を確認します。片方が上がると片方が下がるパターンが続いている場合は、共食いの可能性があります。両方が同じ方向に動いている(または無関係に動いている)なら、競合関係にはないと判断できます。グラフにするひと手間が、数字を眺めるだけでは気づけない変化を見せてくれることがあります。

ステップ③:同じキーワード・ページに絞って影響を確認する

全体のセッション数だけでなく、特定のページやキーワードに絞って影響を見ることも大切です。GA4では「ランディングページ」ディメンションと「参照元・メディア」を組み合わせることで、あるページへの流入がAIとSEOそれぞれからどう変化したかを確認できます。サーチコンソールでも特定クエリを選択してクリック数の推移を見られます。「トップページ全体」ではなく「このページのこのキーワード」という粒度で調べることで、共食いが起きているページを特定できます。

ステップ④:ユーザーの行動指標(滞在時間・直帰率)を比較する

流入数だけでなく、流入後のユーザー行動も比較しましょう。GA4で「参照元・メディア」別に「平均エンゲージメント時間」と「エンゲージメント率」を確認します。なお、GA4では従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)の「直帰率」に相当する指標として「エンゲージメント率」が使われています。AI経由のユーザーが非常に短い時間でサイトを離れていたり、エンゲージメント率がSEO流入と比べて著しく低い場合は、コンテンツとのミスマッチが起きているかもしれません。反対に、AI流入のユーザーのほうが深くコンテンツを読んでいるなら、質の高い流入として積極的に評価できます。

ステップ⑤:共食いと判断する基準を設ける

分析結果を「共食いあり」と判断するための基準をあらかじめ決めておくと、感覚的な判断を避けられます。たとえば次のような基準が参考になります。

  • AI流入が増加した期間に、同ページへのSEO流入が20%以上減少している
  • AI流入とSEO流入の流入数が反相関(一方が増えると他方が減る)パターンが3ヶ月以上続いている
  • 全体のトータル流入数が増えていないのに、流入元の内訳比率だけが変化している

3つすべてに当てはまるなら共食いの可能性が高く、1〜2つなら様子見が妥当です。数値の基準はサイト規模によって変わるので、自サイトの過去データを参考に設定してみてください。

共食いが確認された場合にとるべき対応

共食いが確認された場合にとるべき対応

分析の結果、実際に共食いが起きていることが確認されたとしても、慌てなくて大丈夫です。状況に応じた対応を取ることで、流入全体のバランスを整えることができます。

キーワード戦略を見直してコンテンツの役割を整理する

共食いが起きているということは、一つのページがAI流入もSEO流入もどちらも取ろうとしていて、結果的にどちらにも中途半端になっている可能性があります。まずサーチコンソールで共食いが起きているキーワードを特定し、そのキーワードに対してコンテンツの役割を整理しましょう。「このキーワードはSEOで上位を狙うべきもの」「これはAIに引用されやすい形にすべきもの」と分類することで、コンテンツの方向性が明確になります。目的が明確なページは、どちらの流入経路でも評価されやすくなります。

AI流入向けとSEO流入向けのコンテンツを使い分ける

共食いを解消する方法の一つとして、コンテンツを意図的に分けて作ることが挙げられます。

  • SEO向けコンテンツ:検索意図に合った網羅的な解説記事。内部リンクや関連ページへの導線を意識し、サイト内回遊を促す構成にする
  • AI引用向けコンテンツ:明確な事実・定義・手順などを簡潔にまとめたページ。AIが回答の根拠として引用しやすい信頼性の高い情報を掲載する

同じテーマでも「SEOで集客するページ」と「AIに引用されることで認知を広げるページ」を別に設けることで、それぞれの役割を活かせます。

どちらの流入を優先すべきかを判断する考え方

SEO流入とAI流入のどちらを優先すべきかは、サイトの目的とビジネスモデルによって変わります。たとえば、コンバージョン(問い合わせや購入)に直結しやすいキーワードはSEO流入を優先し、ブランド認知拡大が目的のコンテンツはAI流入も活用するという考え方が実用的です。すべてのページで両方を追うのは現実的ではないので、「このページはどちらの流入からのユーザーがより価値あるか」という視点で優先度を決めると判断がしやすくなります。SEOコンサルタントに相談しながら戦略を整理するのも一つの選択肢です。

共食いが起きていない場合にやるべきこと

共食いが起きていない場合にやるべきこと

比較分析の結果、共食いが起きていないとわかったなら、それは好ましい状況です。AI流入とSEO流入が補完関係にある今こそ、両方をうまく活かして流入全体を伸ばすチャンスです。

AI流入とSEO流入を両立させて流入全体を増やす考え方

共食いが起きていないということは、AI流入もSEO流入もそれぞれ独立した形で機能しているということです。この状態をさらに伸ばすには、「SEO流入を維持・強化しながら、AI流入の間口も広げる」という両立の考え方が有効です。具体的には、SEOで上位表示を狙うコンテンツを継続的に更新しつつ、AIに引用されやすい信頼性の高い情報ページを新たに追加していくイメージです。どちらか一方だけに集中するのではなく、流入経路を複数持つことがサイト全体の安定につながります。

AI経由でも評価されやすいコンテンツの特徴

AIに参照・引用されやすいコンテンツには、いくつかの共通点があります。

  • 定義や概念が明確で簡潔にまとまっている
  • 出典や根拠が明示されており信頼性が高い
  • 最新の情報が定期的に更新されている
  • 具体的な数字や事例が含まれている
  • 権威あるサイトや専門家が監修・執筆している

これらの要素は、SEOで評価されるE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)とも重なる部分が多く、SEO対策とAI対策を同時に進める土台になります。

SEO施策を継続しながらAI流入も意識する方法

AIに意識を向けるからといって、SEO施策を止める必要はまったくありません。むしろSEOの基本である「ユーザーの役に立つ質の高いコンテンツを作る」という方針は、AI流入にも有利に働きます。SEO施策を継続しながらAI流入も意識するための実践的な方法をご紹介します。

  • 既存のSEOコンテンツに「よくある質問(FAQ)」を追加して、AIが回答を引用しやすい構造にする
  • ページ内で定義や概念を明確に説明するセクションを設ける
  • 定期的にコンテンツを更新して「最新情報」としての価値を維持する
  • 被リンク獲得や社内リンク整備などSEOの基礎施策を継続する

これらを積み重ねることで、検索流入とAI流入の両方から安定して訪問者を集められる体制が整います。

よくある誤解:AI流入が増えたからSEO流入が減ったとは限らない

よくある誤解:AI流入が増えたからSEO流入が減ったとは限ら

「AI流入が増えた時期にSEO流入が減った」という事実だけを見て、即座に「共食いが起きている」と判断してしまうのは危険です。データの読み方には注意が必要な落とし穴があります。

相関と因果を混同しないために知っておきたいこと

「AとBが同時に起きた」からといって「AがBを引き起こした」とは限りません。これが「相関と因果の混同」と呼ばれる思考の落とし穴です。AI流入が増えた時期にSEO流入が減ったとしても、その2つに因果関係があるとは言い切れません。たとえばAI流入が増えた時期に、Googleのアルゴリズム更新が重なっていたとしたら、SEO流入の減少はアルゴリズム変動が原因かもしれません。データを見るときは「同時期に別の変化が起きていなかったか」を必ず確認する習慣をつけましょう。

SEO流入が減る本当の原因として考えられること

SEO流入が減る原因はさまざまあります。AI流入との競合はその一つにすぎません。代表的な原因を挙げると以下のとおりです。

  • Googleのコアアップデートによる順位変動
  • 競合サイトのコンテンツが強化されて自サイトが押し下げられた
  • ページの読み込み速度や内部構造の問題
  • キーワードの検索ボリューム自体が季節変動・トレンド変化で減少した
  • サイトのリニューアルやURL変更による評価のリセット

SEO流入が減っていることに気づいたときは、AI流入との関係を調べる前に、上記の原因も同時に確認するのが正しい進め方です。

データを正しく読むための基本的な考え方

分析をする際に心がけておきたいのは、「一つのデータだけで判断しない」という姿勢です。GA4の数値だけを見ていても、外部の変化(Googleのアルゴリズム、競合の動向、季節性)が見えてきません。サーチコンソール、GA4、外部のSEOツール(たとえばAhrefs、Semrush、Googleトレンドなど)を組み合わせて多角的に確認することで、より正確な現状把握ができます。また、短期間の変動に一喜一憂するのではなく、3ヶ月以上の中長期トレンドで傾向をつかむことが、誤った判断を防ぐうえで大切です。

まとめ

まとめ

AI流入とSEO流入の比較分析について、共食いの有無を見極める方法をお伝えしてきました。結論としては、多くのケースで共食いは起きておらず、2つの流入は補完関係にあります。ただし、情報完結型のキーワードでは一部競合が起きることもあるため、GA4とGoogleサーチコンソールを使って自サイトのデータを確認することが大切です。

共食いが起きているかどうかは、流入数の時系列比較・同ページへの影響確認・ユーザー行動指標の3点をセットで判断するのがおすすめです。データを正しく読む習慣を身につけることが、AI時代のWebマーケティングの土台になります。

「自分のサイトで具体的に分析してみたい」「SEO施策の方向性を整理したい」という場合は、専門家への相談も選択肢の一つです。cocorograph では、SEOコンサルティングを通じてサイトの流入改善をサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。

AI流入とSEO流入の比較分析|共食いの有無を見極める方法についてよくある質問

AI流入とSEO流入の比較分析|共食いの有無を見極める方法に
  • AI流入とSEO流入は必ず共食いするものですか?
    • いいえ、多くのケースでは共食いは起きていません。2つの流入は異なる経路から来るため、基本的には補完関係にあります。ただし、AIが完全に回答できるシンプルな情報提供型のキーワードでは、検索需要が落ちてSEO流入が減ることがあります。
  • AI流入はGoogleアナリティクス4でどうやって確認しますか?
    • GA4の「トラフィック獲得」レポートで「セッションの参照元/メディア」に切り替えると、「chat.openai.com / referral」「gemini.google.com / referral」などのドメインでAI経由のアクセスが確認できます。
  • SEO流入が減った原因がAI流入なのかどうかはどうやって判断しますか?
    • GA4でAI流入が増えた時期と、Googleサーチコンソールでのクリック数が減った時期が一致しているかを確認します。一致している場合でも、同時期のGoogleアルゴリズム更新や競合変化なども原因として検討し、複数の観点から判断することが大切です。
  • 共食いが起きているか判断する目安はありますか?
    • AI流入が増加した期間に同ページへのSEO流入が20%以上減少しており、かつ3ヶ月以上その傾向が続いている場合は共食いの可能性が高いです。全体のトータル流入が増えていないのに内訳の比率だけが変わっているケースも確認のサインになります。
  • 共食いを防ぐためにできることはありますか?
    • コンテンツの役割を整理して、SEO向けの網羅的な解説ページとAI引用向けの信頼性が高い簡潔な情報ページを使い分けることが有効です。また、定期的にコンテンツを更新してE-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)を高めることで、両方の流入経路で評価されやすくなります。
中村 一浩

監修者紹介

中村 一浩

代表取締役CEO

株式会社ココログラフ 代表取締役CEO。1982年生まれ。高校卒業後に携帯販売業界にて、インターネットとハードウェアの急速な進化に触れた後、ウェブの面白さに惹かれ、2009年に株式会社ジオコードに入社。SEOを中心にウェブマーケティングを学び、同時にウェブ制作部門、システム開発部門のマネジメントも兼務。幅広いウェブ運用知識を有する。2018年に独立・起業し、検索エンジンだけでなく検索ユーザーにまで最適化する、SEOの上位互換サービスSUOを提供。SEO / SUOの独自レポートツール、サチコレポート開発者。著書『現場のプロが教えるSEOの最新常識』(Amazon: https://amzn.to/4wPgYEK )

■得意領域
ウェブサイト改善 / SEO対策 / コンテンツマーケティング

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