Web サイトをユーザーとマッチさせるためには、ユーザーが検索するキーワードの把握が欠かせません。
Webサイトに最適なキーワードを選定し、コンテンツに反映させることで、ユーザーのニーズに合致するWebサイトに仕上げましょう。
- メインキーワードとサブキーキーワードを選定する ワードを掛け合わせる
- 検索クエリを調べてキーワードに活用する
- 検索ボリュームとその動向も確認しておく
見たままキーワードを出してみよう
ユーザーがWebサイトを検索するときの出発点となるのは、検索エンジンに入力するキーワードです。ユーザーは、自身が求めている商品・サービスに関連すると思うキーワードを検索し、そのキーワードに関連するWebサイトとの出会いを果たします。
そのため、SEOにおいてキーワードの選定は非常に重要な意味を持ちます。CHAPTER1-03でも触れたように、「ルージュ」というキーワードでコンテンツを作成したがために、「口紅」というキーワードの検索結果ではWebサイトが表示されないということも起こりうるのです。このようなズレによってユーザーを取りこぼしてしまうことがないように、自社のWebサイトに適したキーワードを選定するためのポイントをしっかりとおさえておきましょう。
まずは、Webサイトで扱う商品・サービスを、見たまま、イメージのまま、一つ一つキーワードを洗い出す作業から開始します。この段階では、難しく考える必要はまったくありません。家具の通販サイトを例に解説してみます。この通販サイトが画像①のような構成の場合、各カテゴリごとに「ソファー」、「ベッド」、「テーブル」などと、メインとなるキーワードを拾い上げていきましょう。
サブキーワードも重要
このようにメインのキーワードを洗い出したら、そこに「通販」などのサブとなるキーワードを掛け合わせていきます。ここで掛け合わせるキーワードとしては、画像②の例に挙げられているような、「商品の特徴」、「価格」、「ユーザーニーズ」などを表しているものがよいでしょう。
このサブキーワードでとりわけ重視したいのは、商品の「強み」や「売り」をしっかりとおさえておくことです。たとえば、業界でいちばん安い価格がその商品の強みなのであれば、「激安」、「格安」、「最安」などのメジャーどころだけでなく、「◯○円以下」や「一番安い」などといったひねりのあるものも入れておきたいですね。デザインなどが売りなのであれば、「デザイン」、「おしゃれ」、「かわいい」、「シャンパンゴールド」などとあわせて、デザイナーの名称や「まるい」などのキーワードも盛り込んでおきましょう。
このように、商品・サービスの強みや売りを具体的にしっかりとおさえておけば、検索ユーザーのニーズと合致する可能性が高くなります。すなわち、成約率が高いユーザーを集客できる可能性が高くなるのです。ユーザーのニーズを満たせるWebサイトとなれば、検索結果で上位に表示される可能性も高まり、さらに効率よく集客できるようになります。
Google Search Consoleと検索クエリ
キーワードの選定において、自分で考えうるキーワードを洗い出すことは重要ですが、実際にユーザーがどのようなキーワードで検索して、自社サイトを訪れていのるかを理解することもきわめて重要です。ユーザーが予想だにしないキーワードで検索し、Webサイトに来訪してくることも非常に多いからです。
2016年1月現在、Google検索からのアクセスが暗号化されてしまったため、残念ながらアクセス解析を利用して、どのようなキーワードで検索エンジンから自社サイトにアクセスがあるのかを確認することはできません。しかし、Googleから無料で提供されている Google Search Console(サーチコンソール)を利用することで、ユーザーが実際に検索しているキーワードを参照することが可能です。
ユーザーが検索エンジンで検索するキーワードのことを検索クエリといいますが、Google Search Console では、ユーザーの検索クエリで、自社サイトが表示された回数とクリック数、さらに平均掲載順位を確認することが可能です。つまり、ユーザーがどのようなキーワードで検索し、その結果、自社サイトが検索結果ページの何番目に何回表示され、どのくらいのクリックが発生したのかを把握することができるのです。
検索クエリの活用
検索クエリを利用すれば、ユーザーが検索するキーワードの傾向がわかるので、どのようなニーズを持ってユーザーが検索しているのかを理解するためのヒントとなります。自社サイトの表示回数が多いキーワードなどは、コンテンツ内にさらに積極的に含めることをおすすめします。
Google Search Consoleで検索クエリとして表示されるキーワードは、検索によって自社サイトの表示に成功したキーワードであるため、自社サイトが検索エンジンからそのキーワードに関して一定の評価をされているということになります。
ただし、検索クエリとして表示されるキーワードと自社サイトで設定しているキーワードに大きなズレがあった場合は、検索エンジンからのWebサイトの評価もずれているということになる。そのような場合は、コンテンツを改善する必要があるものと認識しましょう。
検索ボリュームと動向
ここまで、自社サイトに関連するキーワードの抽出・確認方法について解説してきました。しかし、想定していなかった
思わぬキーワードが、実際には多く検索されているという場合もあります。キーワードについて十分に準備するためには、自社サイトとは無関係に、検索エンジン全体でどのようなキーワードがどのくらいの回数検索されているかも把握しておかなければなりません。
Google Search Consoleでもキーワードの検索量(検索ボリューム)の傾向をある程度把握することができますが、あくまで自社サイトに関連するものだけであり、自社サイトと無関係のキーワードまでは確認することができません。広くキーワードを抽出したり、競合他社のWebサイトがどのようなキーワードに注力しているかを把握したりするためには、リスティング広告のキーワードツールを利用する必要がありますね。ここでは、GoogleAdWordsのキーワードプランナーを紹介していきます。
キーワードプランナーを利用すれば、特定のキーワードの検索ボリュームをかんたんに把握することができます。また、Google AdWordsで広告出稿のためにどれだけそのキーワードが使用されているか(競合性)を知ることもできるため、キーワード選定の大きなヒントとなるでしょう。
また、Googleトレンドを使用すれば、特定のキーワードの検索ボリュームの長期的な動向を調べることが可能です。検索ボリュームの時間的な推移をグラフで確認できるため、今後検索ボリュームの伸びそうなキーワードを見つけやすくなります。たとえば時期と関連のあるキーワードについて調べれば、毎年、何月くらいにどの程度の検索ボリュームが見込めるかなどを把握することができます。
このようなツールを駆使して、キーワードの検索ボリュームとその動向を調査すると、当初想定していなかったキーワードを見つけることができるものです。そのようなキーワードを見つけたら、そこから自社サイトに最適なキーワードを選定し、コンテンツに反映させていけばよいでしょう。このようにしてユーザーのニーズを満たせるWebサイトの構築を目指すことが、SEOの成功には欠かせないポイントなのです。
ここまでの流れで、キーワードの選定はおおむね完了するものと思われます。ただし、当初想定していなかったキーワードやユーザーのニーズを理解したあと、それに合わせてサイト設計を修正する必要があることも忘れてはなりません。新しく選定したキーワードで検索するユーザーのニーズに答えられるコンテンツ構成が、それぞれのWebページで整っているかどうかを、入念に確認しておきましょう。
COLUMN
リスティング広告のクリック単価
リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックするごとに課金されます。掲載の有無や順位は入札金額で競われるため、検索ボリュームが多いキーワードなど、人気が高いキーワードでは、一般的に1クリックあたりの単価(クリック単価)が高くなります。競合他社のWebサイトもそのようなキーワードでのSEOに注力しているため、こうしたクリック単価の高騰が起きます。
キーワードの競合性が下がれば、クリック単価をおさえることができます。そのためには、1語のみのキーワード(ビッグワード)よりも、複数を掛け合わせたキーワード(ミドルワード)や、固有名詞で表されるキーワード(ブランドワード)を使用するとよいでしょう。
なお、広告の掲載順位は、コンテンツの品質によっても変化する。高品質のコンテンツであればクリック単価を下げられるため、キーワードと合致した優れたコンテンツを目指していきましょう。