Webマーケティングを担当することになったけれど、「CVRの計算式がわからない」「上司に報告する数値が合っているか不安」と悩んでいませんか?

CVR(コンバージョン率)は、Webサイトの健康状態を知るためのとても大切な指標です。計算自体は決して難しくありませんが、目的に応じて「分母」を使い分ける必要があるなど、少しだけコツがいります。

この記事では、初心者の方でも迷わず計算できるように、CVRの基本計算式から具体的なシミュレーション、さらには数値の目安までをやさしく解説します。正しい計算方法をマスターして、自信を持ってサイト分析やレポート作成ができるようになりましょう。

CVR(コンバージョン率)の基本計算式と求め方

CVR(コンバージョン率)の基本計算式と求め方

まずは、CVRを求めるための基本となる計算式を押さえましょう。一見難しそうに見えるかもしれませんが、実は割り算と掛け算だけで算出できるとてもシンプルなものです。ここでは基本の式と、実際に数値を入れた計算例、そして言葉の意味について詳しく見ていきます。

基本の計算式:コンバージョン数÷セッション数×100

CVR(コンバージョン率)を求める最も基本的な計算式は以下の通りです。

CVR(%) = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100

例えば、あなたのサイトに「100回」の訪問(セッション)があり、そのうち「1件」の商品購入(コンバージョン)があったとします。この場合、「1 ÷ 100 × 100 = 1」となり、CVRは1%です。

  • コンバージョン数(分子): 商品購入や資料請求など、成果に至った回数
  • セッション数(分母): サイトへの訪問回数

最後に100を掛けるのは、数値をパーセンテージ(%)で表すためです。まずはこの「成果 ÷ 訪問数」という形を覚えておいてください。

具体的な数値を使ったCVRの計算シミュレーション

計算式がわかったところで、もう少し具体的な数値を使ってシミュレーションしてみましょう。実際の業務では、以下のような桁数の多い数値を扱うことがほとんどだからです。

  • ケースA: セッション数 12,500、コンバージョン数 150 の場合
    • 計算:150 ÷ 12,500 × 100 = 1.2%
  • ケースB: セッション数 5,000、コンバージョン数 25 の場合
    • 計算:25 ÷ 5,000 × 100 = 0.5%

エクセルで計算する場合は、=コンバージョンセル/セッションセル と入力し、セルの書式設定を「パーセンテージ」にすると簡単に算出できます。電卓を叩くときは、最後に「×100」を忘れないようにしましょう。

CVRとは?言葉の意味と重要性をわかりやすく解説

そもそもCVRとは「Conversion Rate(コンバージョンレート)」の略で、日本語では「顧客転換率」とも呼ばれます。サイトを訪れた人のうち、どれくらいの人が「あなたの望む行動(購入や登録)」をしてくれたかを示す割合のことです。

この数値がなぜ重要かというと、Webサイトを「穴の空いたバケツ」に例えるとわかりやすいでしょう。いくら水を注いでも(集客しても)、バケツに大きな穴が空いていれば(CVRが低ければ)、水はどんどん漏れてしまいます。

CVRを把握することは、この「バケツの穴の大きさ」を知り、効率よく成果を上げるための第一歩なのです。まずは現状の数値を正しく知ることから始めましょう。

目的によって使い分けるCVR計算の3つのパターン

目的によって使い分けるCVR計算の3つのパターン

基本の計算式は「成果÷訪問数」ですが、実は分析の目的によって、分母に使う数値を使い分けることがあります。「誰が」見たのか、「何回」見たのか、あるいは「広告を何回クリックしたのか」。これらの違いを理解することで、より深い分析が可能になります。ここでは代表的な3つのパターンをご紹介します。

サイト全体の成果を測る「セッション数」ベースの計算

最も一般的で、Googleアナリティクスなどの解析ツールでも標準的に使われているのが「セッション数(訪問回数)」を分母にする方法です。

計算式:コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100

同じ人が朝と夜に1回ずつサイトを訪れた場合、セッション数は「2」とカウントされます。この計算方法は、サイト全体の集客力に対する成果を測るのに適しています。「サイトにどれくらいのアクセスがあり、そのうち何回成果が発生したか」という、サイトパワーの全体像を把握したいときは、このセッションベースの計算を採用しましょう。

1人の行動を正確に追う「ユーザー数(UU)」ベースの計算

「1人のユーザーが購入に至った割合」を厳密に知りたい場合は、「ユーザー数(UU:ユニークユーザー)」を分母にします。

計算式:コンバージョン数 ÷ ユーザー数 × 100

1人の人が購入を迷って10回サイトを訪れ、最後に1回購入したとします。セッションベースでは「1/10」でCVRは低くなりますが、ユーザーベースなら「1/1」で100%となります。

特に、検討期間が長く何度も再訪問されるような商材(不動産や高額家電など)では、このユーザーベースの計算の方が、実態に近い「成約率」が見えてくるでしょう。

Web広告の費用対効果を見る「クリック数」ベースの計算

Web広告、特にリスティング広告などの運用レポートを作成する際は、「クリック数」を分母にすることがあります。

計算式:コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100

広告をクリックしてサイトに到達した回数を基準にするため、基本的にはセッション数ベースと近い数値になります。しかし、広告管理画面上の数値と整合性を取りたい場合や、広告費に対する直接的なリターン(ROASなど)とあわせて評価したい場合には、このクリック数ベースでの計算が役立ちます。広告のパフォーマンスを単体で評価したい時におすすめです。

CVR計算時によくある間違いと注意点

CVR計算時によくある間違いと注意点

CVRの計算はシンプルですが、単純だからこそ陥りやすいミスがあります。定義が曖昧だったり、期間がズレていたりすると、算出された数値は役に立たないものになってしまいます。ここでは、正確なデータを出すために気をつけるべき3つのポイントを解説します。

計算に含めるコンバージョンの定義を統一する

計算を始める前に、「何をもってコンバージョンとするか」を明確にしておくことが大切です。これを決めずに計算すると、月によって基準が変わり、正しい比較ができなくなってしまいます。

  • 商品購入完了ページへの到達
  • 会員登録の完了
  • 資料請求フォームの送信完了
  • メルマガ登録

例えば、「資料請求」と「メルマガ登録」を混ぜて計算してしまうと、CVRは高く見えますが、売上への貢献度はわかりにくくなります。目的ごとにCVを分け、それぞれで計算することをおすすめします。

分母の期間と分子の期間を正しく合わせる

意外と多いミスが、分母(セッション数)と分子(コンバージョン数)の集計期間がズレているケースです。

例えば、「分母は先月(3月1日〜31日)のセッション数」を使っているのに、「分子は今月(4月1日〜現在)のコンバージョン数」を使ってしまえば、当然ながら正しいCVRは算出できません。

レポート作成時など、複数のデータソースから数値を拾ってくる際は、必ず「対象期間(Date Range)」が一致しているかを指差し確認しましょう。エクセルの行ズレなどにも注意が必要です。

CVRと混同しやすい「CTR(クリック率)」との違い

Webマーケティング用語には似たような3文字の略語が多く、特に「CTR(Click Through Rate:クリック率)」はCVRと混同されがちです。

  • CVR(Conversion Rate): サイトに来た人が成果に至った割合
  • CTR(Click Through Rate): 広告や検索結果が表示された回数のうち、クリックされた割合

CTRは「サイトに来る前」の指標、CVRは「サイトに来た後」の指標です。この2つを取り違えると、施策の方向性がまったく変わってしまうので、言葉の定義をしっかりと区別しておきましょう。

計算したCVRは適正?業界別の平均値と目安

計算したCVRは適正?業界別の平均値と目安

「計算したCVRが1%だったけれど、これって良いの?悪いの?」と不安になることもあるでしょう。実はCVRの平均値は、業界や商材によって大きく異なります。ここでは、主な業界別の目安となる数値をご紹介します。自社の数値と比較する際の参考にしてみてください。

ECサイト・ネットショップの平均CVR目安

一般的なECサイト(アパレル、雑貨、食品など)におけるCVRの平均は、おおよそ1%〜3%程度と言われています。

もちろん、指名買いが多いブランド力の高いサイトや、セールの時期などは5%を超えることもありますが、通常時は「100人来て1〜3人が購入すれば合格点」と考えて良いでしょう。逆に1%を大きく下回る場合は、商品ページやカートの使い勝手に課題があるかもしれません。まずは1%の壁を超えることを目標にしてみてください。

BtoBサービス・リード獲得サイトの平均CVR目安

BtoB(法人向け)サービスの場合、コンバージョンポイントが「資料請求」や「無料トライアル」といったハードルの低いものに設定されることが多いため、ECサイトよりもCVRが高くなる傾向があります。

目安としては3%〜5%程度、場合によっては10%近くになることも珍しくありません。ただし、「お問い合わせ」のような確度の高いアクションをCVとしている場合は、1〜2%程度に落ち着くこともあります。CVのハードルの高さによって目安が変わる点を意識しましょう。

金融・不動産など検討期間が長い商材の傾向

金融商品(保険、ローン)や不動産、高額なBtoB商材などは、検討期間が長く、慎重に比較検討されるため、即決されにくい傾向があります。

とはいえ、極端に低い数値ばかりではありません。一般的な目安としては、金融・保険で約5%前後、不動産で2〜3%、BtoBサイトでも1.5〜3%程度と言われています。一部の非常に高額な商材などでは1%未満になることもありますが、まずはcvr 計算式で算出した自社の数値が、業界平均と比べてどうなのかを確認してみましょう。

検討期間が長い分、一度の訪問で決まらなくても焦る必要はありません。リターゲティング広告やメールマガジンなどで、粘り強くお客様との接点を持ち続けることが大切ですね。

CVRが低い原因と数値を改善するための施策

CVRが低い原因と数値を改善するための施策

もし計算したCVRが目安よりも低かった場合、サイトのどこかに「ユーザーが離脱してしまう原因」が潜んでいます。でも大丈夫です。原因を特定し、適切な手当てをすれば数値は必ず改善します。ここでは、今日から見直せる具体的な改善施策を4つご紹介します。

流入キーワードとページ内容のミスマッチを解消する

ユーザーが検索したキーワード(期待)と、着地したページの内容(現実)がズレていると、ユーザーはすぐに帰ってしまいます。これを「ミスマッチ」と呼びます。

例えば、「格安 スニーカー」で検索して入ったのに、高級ブランドのスニーカーばかり並んでいたらどうでしょう?「思っていたのと違う」と感じて離脱しますよね。広告文やSEOキーワードと、ランディングページ(LP)の訴求内容が合致しているか、ユーザー目線で再確認してみましょう。

ファーストビューでユーザーの興味を惹きつける

Webサイトを訪れたユーザーは、最初の3秒で「このページを見る価値があるか」を判断すると言われています。ページを開いて最初に目に入るエリア(ファーストビュー)の印象は決定的に重要です。

  • キャッチコピーは魅力的か?
  • 何のサイトか一目でわかるか?
  • アクションボタン(CTA)は見つけやすいか?

ファーストビューに、ユーザーが求めている情報やメリットを凝縮させることで、その後のスクロール率が上がり、結果としてCVRの向上につながります。

お問い合わせフォームの入力を簡略化する(EFO)

「買いたい」「申し込みたい」と思ったのに、入力フォームが面倒で諦めてしまった経験はありませんか?これを防ぐのがEFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)です。

  • 入力項目を必要最低限に減らす
  • 郵便番号からの住所自動入力を導入する
  • エラー表示をわかりやすくする

入力のストレスを極限まで減らすことは、CVR改善において最も即効性のある施策の一つです。自分でスマホから入力してみて、面倒だと感じる箇所がないかチェックしてみてください。

ページの表示速度を改善して離脱を防ぐ

ページの読み込み速度もCVRに直結します。Googleの調査でも、表示速度が遅くなればなるほど、直帰率(何もせずに帰ってしまう率)が上がることがわかっています。

特にスマートフォンの場合、通信環境によっては表示に時間がかかることがあります。画像のサイズを圧縮したり、不要なプログラムを削除したりして、サクサク動くサイトを目指しましょう。ユーザーを待たせないことは、最高のおもてなしであり、CVRアップの秘訣です。

まとめ

まとめ 1

CVRの計算式や改善方法について解説してきました。最後に、記事の要点を振り返りましょう。

  • 基本計算式: CVR = コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100
  • 使い分け: 目的によって「セッション数」「ユーザー数」「クリック数」を分母に選ぶ
  • 注意点: 期間のズレや定義の不一致に気をつける
  • 目安: ECなら1〜3%、BtoBなら3〜5%程度が一般的
  • 改善: ページ内容の一致、FV改善、フォーム最適化、速度改善が有効

計算式を覚えることはゴールではなく、スタートラインです。算出した数値をもとに「なぜこの数値なのか?」「どうすればもっと良くなるか?」を考え、サイトを改善していくことが何より大切です。

焦らず一つひとつ施策を実行して、サイトの成果を高めていきましょう。

cvr 計算式についてよくある質問

cvr 計算式についてよくある質問
  • CVRの合格ラインはどれくらいですか?
    • 業界や商材によりますが、一般的にECサイトでは1〜3%、BtoBのリード獲得では3〜5%程度が目安とされています。ただし、あくまで目安ですので、自社の過去の数値と比較して改善しているかを見るのが最も重要です。
  • CVRの計算を自動でしてくれるツールはありますか?
    • はい、Googleアナリティクス4(GA4)などのアクセス解析ツールを使えば自動で算出されます。ただし、ツール上で正しくコンバージョン設定を行う必要があります。
  • CVRが100%を超えることはありますか?
    • 基本的にはありませんが、計算方法によっては起こり得ます。例えば「ユーザー数」を分母にし、1人が期間中に複数回購入した場合などです。しかし、通常は100%以下になります。もし超えている場合はデータの集計期間や設定ミスを疑いましょう。
  • 分母は「セッション数」と「ユーザー数」どちらが良いですか?
    • サイト全体の集客効果を見たいなら「セッション数」、一人の顧客の購買行動を深く知りたいなら「ユーザー数」がおすすめです。迷ったら、まずは標準的な「セッション数」で計算すると良いでしょう。
  • スマホとPCでCVRに違いはありますか?
    • はい、一般的にPCの方がスマホよりもCVRが高くなる傾向があります。スマホは移動中などの「ながら見」が多く、PCは腰を据えて検討する場面で使われることが多いためです。デバイス別に分けて集計・分析することをおすすめします。