Google ウェブマスター向け公式ブログが更新され、『Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと』が、公開されました。
先日、コア アルゴリズムアップデートがあった際に参照されていた記事の日本語版です。
本記事では、アップデートで順位が落ちて困惑している方向けに、Googleの記事が伝えたいことを、初心者にもわかりやすいように、掘り下げて解説したいと思います。
- Googleのアップデートについて理解すること
- Googleの品質評価の基準を理解しよう
- 大切なのはコンテンツに集中すること
このページに書いてあること
順位が変動した場合にやるべきこと
まず、あなたのサイトの検索順位が落ちたのであれば、やるべきことは下記の通りです。
- どのようなページの順位が落ちているか確認する
- Googleの品質評価ガイドラインを守れていないか確認する
- どんな人の為のコンテンツだったかを見つめ直す
- このコンテンツを必要としている人のためにコンテンツを修正する
では早速、今回のGoogleの記事の内容をご説明しながら、丁寧に解説していきます。
Googleの公式ブログの記事の内容について
まず、記事の構成としては、
- Googleのアップデートについて
- アップデートにおけるコンテンツ評価への影響
- ウェブサイト管理者が何をすべきか
- 品質評価ガイドラインについて
- 順位下落の回復がいつになるか
というような構成になっています。
前提として、Googleも、ユーザーがGoogleを使って検索をしてくれなくなってしまっては困るので、検索するユーザーが、Google検索を通して探していた答えを得ることによって満足してもらえるように、検索体験の品質向上を目指してアップデートを行っています。
Googleは、『もっと、こういう検索結果になった方が、検索ユーザーの為になるのではないか。そうなるように調整をしよう』ということでアップデートを行うわけなので、アップデートが適用されると、当然、検索結果が変わる(順位が変動する)ことになります。
今まで検索結果に表示されていなかったサイトの検索順位が上昇することもあれば、アップデート前には評価され、検索上位に表示されていたコンテンツの順位が下落してしまったり、検索結果に表示されなくなったりということが起こります。
この記事は、主にはそういった、アップデートの影響で検索順位の低下や、検索からの流入を失ってしまったウェブサイトの管理者に対してのアドバイスを提供しているわけです。
Googleのアップデートについて
ここからは、内容について解説していきます。
そもそも何をアップデートしているのか
アップデート、アップデートといいますが、このアップデートというのは、何をアップデートしているんだというお話です。
Googleは、検索結果を作る為に各ウェブサイトを評価します。
その評価の際に、『アルゴリズム』と呼ばれるシステムを使っています。
このアルゴリズムには、200以上の種類があり、それらが複合的に算出した評価を使って、検索順位が決定されているのです。
Googleのアップデートの種類
このお話では、Googleのアップデートには
- 日常的に行なっているアップデート
- たまに行われる大きなアップデート
大きなアップデートが行われる際には、事前の通知と、対応したほうがいいことがある場合は、その内容のを共有しています。
さらに、大きなアップデートの中でも特に大きな影響がある、『コア アップデート』というものが存在し、コア アップデートが行われると、広範囲で検索結果、掲載されているウェブサイトの順位が変動します。
ここで、もしも自分のサイトの順位が下がってしまったとしても、焦っておかしな修正を行わないようにしてほしいと、Googleは注意しています。
アップデートにおけるコンテンツ評価への影響
なぜ修正しないでというかというと、Googleのアップデートは、特定のサイトの順位をあげようとか、下げようといった目的で行われているものではありません。
Googleが特定のサイトの順位下げるということは、『ウェブマスターガイドライン』に違反し、ペナルティーを受けた場合だけです。
ウェブマスターガイドラインというのは、Google検索を行うユーザーの利便性を保つ為に、Googleがサイト管理者にお願いしている基本ルールのようなものです。
知っていて損はありませんので、一度目を通してみてください。
世界中に星の数ほどあるサイトの中で、Googleがわざわざ特定のサイトの順位だけを狙い撃ちして下げるなんて面倒なことはしません。
もしもあなたのサイトの順位が落ちたとしても、通常はあなたのサイトが悪いわけではないのです。
ウェブサイト管理者が何をすべきか
まず、順位が落ちたサイト、ページがウェブマスターガイドラインに違反していないかどうかは確認し、違反があった場合は修正しましょう。
次にやるべき事は、アップデート後にどのようなコンテンツが評価されていて、Googleがどういった趣旨で検索結果を更新したのかを理解し、自らのコンテンツに反映していくということです。
結局、検索ユーザーに求められていると思われるコンテンツへ合わせていくということになります。
その点については、Googleの記事でも『コンテンツに集中する』という言葉でアドバイスされています。
品質評価ガイドラインについて
では、どのようなコンテンツがGoogleに評価されるのか。
Googleはコンテンツの品質をどのように考えているか公開しています。
また、検索品質評価ガイドライン(英語) という、Google社内で使われている、『こういうサイトがいいよね!』 という評価基準のマニュアルも公開しています。
このような基準で、Googleでは検索結果の品質評価者が検索結果を確認し、次のアップデートのための意見を集めているのです。
コンテンツの改善を行う際は、これらの『Googleがコンテンツを評価する基準』を理解していただいた上で取り組んでいただくことをお勧めします。
コンテンツを自己評価するためのチェックリスト
そして、今回最も重要なのが、追加されたコンテンツを自己評価するための新しい質問です。
今回の記事では、Google が過去に提示したアドバイスを確認するように勧められています。
Googleは、今回このアドバイスを更新し、コンテンツを自己評価するための新しい質問が追加されました。
下記に引用しておきます。
コンテンツと品質に関する質問
- コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供しているか?
- コンテンツは、特定のトピックに対して包括的または完全な説明を十分に提供しているか?
- コンテンツは、あたりまえのことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を含んでいるか?
- コンテンツが他の情報源から得られたものである場合、単なるコピーや書き換えでなく、付加価値とオリジナリティを十分に提供しているか?
- 見出しやページタイトルは、内容を説明する有用なものになっているか?
- 見出しやページタイトルは、コンテンツを誇張したり、読者に強いショックや不快感を与えたりするものでないか?
- ブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか?
- コンテンツは、雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値があるか?
専門性に関する質問
- コンテンツは、明確な情報源、関係する専門知識の証明、著者またはコンテンツを公開しているサイトの背景情報(著者ページへのリンクやサイトの概要ページなど)など、掲載されている情報が信頼性の高いものであることを示すための情報を提供しているか?
- コンテンツを制作しているサイトを調査した場合、そのトピックに関する権威者としてそのサイトが信頼されている、または広く認識されているという印象を受けるか?
- コンテンツは、トピックに関して明らかに充分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれているか?
- コンテンツに明らかな誤情報がないか?
- お金や人生を左右するような問題について、このコンテンツを安心して信頼できるか?
コンテンツの提示方法や制作に関する質問
- コンテンツに誤字やスタイルに関する問題がないか?
- コンテンツは適切に制作されているか?急いで制作されたような印象を与えていないか?
- コンテンツが大量生産されていたり、多数のクリエイターへの外部委託によって制作されていたり、大規模なサイト ネットワークに散在しており、個々のページまたはサイトのプレゼンスが低下していないか?
- コンテンツに、主要なコンテンツを妨害したり注意をそらしたりするほどの大量の広告が掲載されていないか?
- コンテンツは、モバイル デバイスでも適切に表示されるか?
比較に関する質問
- 検索結果の他のページと比較した場合、コンテンツは十分な価値を提供しているか?
- コンテンツは、サイトの訪問者が本当に求めるものを提供しているように思えるか?あるいは、検索エンジンで上位に表示するためだけを狙って作成されたように思えるか?
これらを自問して、あなたのサイトに思い当たることがありませんでしたか。
Googleが発信する情報の中には、当然、今Googleが取り組んでいることのヒントが隠されています。
これらをしっかりと読みとって、サイトに反映させていくことが、Googleと上手な付き合う第一歩といえると思います。
順位下落の回復がいつになるか
もしもあなたのウェブサイトの順位が下落しているのだとすれば、『コンテンツの改善が反映され、順位が回復するのはいつになるのか』ということだと思いますが、この記事では、Google
曰く、
大規模なコア アップデートは、数か月ごとに行われる傾向にあります。サイトがコア アップデートの影響を受け、その後にコンテンツを改善した場合、掲載順位が回復する可能性があるのは、次の大規模なコア アップデートのリリース時です。
と、伝えています。
さらに、
サイトの所有者が改善を行ったとしても、掲載順位の回復が保証されるわけではありません。また、ページの掲載順位が検索結果で固定されたり、一定の掲載順位が保証されたりすることもありません。Google のシステムで常にページが上位にランキングされるようにするには、それに相応しいコンテンツが必要です。
とも伝えています。
なんだかちょっと冷たくも感じますね笑
このように、たくさんのテスト、たくさんのアップデートを経てGoogle検索は進化をしてきたわけで、一度適用したアルゴリズムは、元に戻すことはできません。
アルゴリズムが変わらなければ、評価基準も変わらないので、最新のアップデートで恵まれなかったサイトは、次回の更新までコンテンツの改善に励むしかないのです。
そして記事の最後で、『Googleはコンテンツに関して収集できるシグナルを探している』と伝えています。
これは、コンテンツを評価するに値する何かしらのヒントということです。
例えば、
- たくさんの紹介、口コミが集まっている
- ポジティブなコメントの多いページ、またはネガティブなコメントが多いページで紹介されている
- 直帰率が低い、または高い
- 検索結果でのクリック率が高い、または低い
のようなことでしょう。
(これらのシグナルが影響しているというお話ではありません。)
この記事の中では、
ページ間のリンクは、有名なシグナルの 1 つです。それ以外にも多数のシグナルが存在しますが、検索結果の信頼性を守るためにそれらのシグナルを公開することはしていません。
とされており、つまりは教えてくれないんですね。
このように、ウェブ上での様々なヒントも見つけ次第、のちのアップデートでアルゴリズムに取り込まれていくことなので、ウェブ上で、サイト閲覧者に評価したもらったり、紹介してもらったりすることで評価が向上する可能性もあるということです。
結局のところ、検索ユーザーだけでなく、あなたのウェブサイトを見る全ての人から、評価されるサイト、コンテンツを作ることがGoogleに認めてもらえる唯一の正攻法であるということなんですね。
参考:
Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと
ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
良質なサイトを作るためのアドバイス
検索品質評価ガイドライン(PDF)