ウェブサイトを運営する上で、SEO対策は欠かせません。
SEO対策の施策は様々ありますが、中でもrobots.txtは、検索エンジンにどのようにウェブサイトを巡回(クロール)して欲しいかを伝えるための指示書のようなもので、SEO効果を高めるための基礎となります。

しかし「robots.txtの存在は知っているけれど、どのように設定すれば良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、robots.txtの基本的な役割から、記述方法、アップロード手順、テスト方法、注意点まで、SEO効果を高めるためのrobots.txt書き方を初心者の方にも分かりやすく解説します。
SEO効果を最大限に引き出し、ウェブサイトの成長を促進するために、ぜひ本記事を参考にして、robots.txtの設定を見直してみましょう。

robots.txtとは?

robots.txtとは、ウェブサイトの管理者が検索エンジンのクローラーに対して、サイト内のどの部分をクロールしてよいか、どの部分をクロールしないでほしいかを指示するためのファイルです。

ウェブサイトのルートディレクトリ(例:https://www.example.com/robots.txt)に設置され、クローラーはウェブサイトにアクセスする際に、まずこのrobots.txtを参照します。クローラーはrobots.txtに書かれた指示に従い、サイト内のページを巡回し、情報を収集します。

robots.txtは、検索エンジンに対してウェブサイトの構造を理解させ、効率的なクロールを促すために重要な役割を果たします。また、公開したくないページへのアクセスを制限することで、情報漏えいを防ぐ効果もあります。ただし、robots.txtはあくまでもクローラーへの「お願い」であり、悪意のあるクローラーが指示を無視する可能性も否定できません。

robots.txtの基本的な役割

`robots.txt`は、ウェブサイトの管理者が検索エンジンのクローラーに対して、サイト内のどの部分をクロールして良いか、どの部分をクロールしてはいけないかを指示するためのファイルです。

ウェブサイトには、公開したいページもあれば、検索結果に表示したくないページも存在します。`robots.txt`は、クローラーに対してこれらの指示を出すことで、ウェブサイトのコンテンツを適切に管理する役割を担います。

例えば、会員登録ページや管理画面など、一般公開を想定していないページへのアクセスを制限したい場合、`robots.txt`に記述することで、クローラーがこれらのページにアクセスすることを防ぎます。

`robots.txt`は、あくまでもクローラーに対する「お願い」であり、全てのクローラーが必ずしも指示に従うとは限りません。しかし、Googleなどの主要な検索エンジンは、`robots.txt`の指示に従ってウェブサイトをクロールするため、適切に設定することで、SEO効果を高めることができます。

robots.txtの歴史と背景

Webの世界が広がり始めた初期、ウェブサイト制作者たちは、生まれたばかりの検索エンジンに、サイトの情報を効率的に巡回してもらうための方法を模索していました。

そんな中、1994年に誕生したのが「robots.txt」というシンプルなテキストファイルです。これは、ウェブサイトの管理者が、検索エンジンのクローラーと呼ばれるプログラムに対して、「サイト内のどこに行っていいか」「どこに行ってはいけないか」を指示するためのルールを記述するために作られました。

当時、ウェブサイトの情報は貴重なものとされており、すべての情報を公開したくない、あるいは公開する準備が整っていないページをクローラーに巡回させたくないというニーズがありました。robots.txtは、このようなニーズに応えるための画期的な方法として、広く受け入れられるようになりました。

そして、robots.txtは、誕生から30年近く経った現在でも、ウェブサイトと検索エンジンのコミュニケーションを支える重要な役割を担い続けています。ウェブサイトの規模や構造が複雑化するにつれて、robots.txtの役割はますます重要性を増しており、SEO対策において欠かせない要素となっています。

SEOにおけるrobots.txtの重要性

SEOにおいて、robots.txtはWebサイトの評価やパフォーマンスに直接影響を与えるものではありません。しかし、robots.txtは検索エンジンのクローラーに対して、Webサイトの巡回方法を指示するためのファイルです。

適切にrobots.txtを設定することで、クローラーのアクセスを制御し、重要なページを効率的に巡回させることができます。結果として、検索エンジンはWebサイトの情報を正確に理解し、検索結果に適切に反映することができます。

例えば、重複コンテンツや品質の低いページへのアクセスを制限することで、クローラーのクロール予算を無駄にすることなく、重要なページにより多くのクロールを割り当てることができます。これは、検索エンジンがWebサイトの全体像をより正確に把握するのに役立ちます。

また、robots.txtは、開発中のページや公開前のコンテンツを一時的にクローラーから隠す役割も果たします。これにより、意図しない情報漏洩を防ぎ、Webサイトの品質を維持することができます。

このように、robots.txtは直接的なSEO効果を生み出すものではありませんが、検索エンジンと適切にコミュニケーションを取るための重要なツールと言えるでしょう。 robots.txtを正しく設定することで、クローラーの効率的なクロールを促進し、間接的にSEO効果を高めることに繋がります。

クローラーとインデックス制御の関係

検索エンジンの世界では、「クローラー」と「インデックス」は切っても切り離せない重要な要素です。robots.txtは、この2つの要素に影響を与えることでSEO効果を高める役割を担っています。

まず「クローラー」について説明します。クローラーとは、Googleなどの検索エンジンがWebサイトの情報を収集するためにインターネット上を巡回するプログラムのことです。クローラーは、Webサイトのページを巡回し、その内容を分析してインデックスと呼ばれるデータベースに追加していきます。

「インデックス」とは、簡単に言うと、GoogleがWebサイトの情報を蓄積している巨大な図書館のようなものです。検索エンジンは、ユーザーが検索キーワードを入力すると、このインデックスの中から関連性の高いページを探し出し、検索結果として表示します。

robots.txtは、クローラーに対して「このページは収集しないでください」という指示を出すことができます。例えば、まだ公開準備が整っていないページや、ユーザーに見せる必要のない管理画面などをクローラーに収集させないことで、インデックス登録を防ぐことができます。

逆に、重要なページを確実にクローラーに収集してもらい、インデックス登録を促すことも可能です。これは、WebサイトのSEO効果を高める上で非常に重要な要素となります。

このように、robots.txtを通じてクローラーの行動を制御することで、Webサイトのインデックスを最適化し、SEO効果を高めることが可能になります。

robots.txtを使用することで得られるSEO効果

SEOにおいてrobots.txtは、ウェブサイトの「案内図」のような役割を担い、クローラーと呼ばれる検索エンジンのプログラムに対して、どのページにアクセスして良いか、どのページにはアクセスして欲しくないかを指示します。

robots.txtを適切に設定することで、ウェブサイトはクローラーの動きを制御し、SEO効果を高めることが期待できます。

例えば、ウェブサイトの運営上、重要ではないページや公開準備中のページをクローラーが巡回してしまうと、クローラーのクロール予算を無駄に消費してしまう可能性があります。
クロール予算とは、クローラーがウェブサイトを巡回する際に消費するリソースのことです。
限られたクロール予算内で、重要なページを効率的に巡回してもらうために、robots.txtを使ってアクセス制限をかけることは有効な手段です。

また、重複コンテンツの問題を避けることもできます。重複コンテンツとは、同一または非常に似通ったコンテンツが複数存在することを指し、検索エンジンの評価を下げる要因の一つと考えられています。robots.txtを使って重複コンテンツへのアクセスを制限することで、検索エンジンからの評価を適切に保つことが期待できます。

さらに、画像ファイルやPDFファイルなど、検索エンジンにインデックスさせたくないファイルへのアクセスを制限することも可能です。

このように、robots.txtを効果的に活用することで、検索エンジンがウェブサイトを正しく理解し、評価を高めることに繋がります。

robots.txtファイルの作成方法

robots.txtファイルは、ウェブサイトのルートディレクトリに配置するシンプルなテキストファイルです。
このファイルを作成することで、検索エンジンのクローラーに対して、サイト内のどのページにアクセスを許可し、どのページへのアクセスを制限するかを指示できます。

robots.txtファイルの作成は、特別な専門知識がなくても、テキストエディタさえあれば簡単に行えます。
Windowsであれば「メモ帳」、Macであれば「テキストエディット」といった標準搭載のアプリケーションで十分です。

まずは、テキストエディタを開き、新規ファイルを作成します。
そして、これから説明するrobots.txtの記述ルールに従って、必要な指示を記述していきます。

例えば、Googlebotに対してサイト全体へのアクセスを許可する場合、以下のように記述します。

“`
User-agent: Googlebot
Disallow:
“`

もし、特定のディレクトリへのアクセスを制限したい場合は、以下のように記述します。

“`
User-agent: Googlebot
Disallow: /private-directory/
“`

このように、robots.txtファイルは、シンプルなルールに従って記述することで、ウェブサイトへのクローラーのアクセスを制御できます。
作成したrobots.txtファイルは、後述する手順でサーバーにアップロードする必要があります。

ファイル作成の基本手順

robots.txt ファイルは、ウェブサイトのルートディレクトリに設置するシンプルなテキストファイルです。
特別なソフトウェアや専門知識は必要なく、メモ帳などのテキストエディタを用いて簡単に作成できます。

まずはテキストエディタを開き、新規ファイルを作成しましょう。
Windowsであれば「メモ帳」、Macであれば「テキストエディット」といった標準搭載のテキストエディタで十分です。

ファイル名は必ず「robots.txt」とします。
大文字・小文字の区別をしっかり守ってください。
ファイルを作成したら、内容は後ほど記述することにして、まずはデスクトップなどわかりやすい場所に保存しておきましょう。

この robots.txt ファイルに、後ほど解説する記述ルールに従ってウェブサイトへのアクセスに関する指示を書き込んでいくことになります。

テキストエディタを使用したファイル作成

robots.txtファイルは、特別なソフトウェアや専門知識がなくても、普段使い慣れたテキストエディタで簡単に作成できます。 Windows標準搭載の「メモ帳」やMacの「テキストエディット」など、シンプルなもので十分です。

まず、テキストエディタを開き、新規ファイルを作成します。 そして、robots.txtファイルに必要な記述ルールに従って、許可・制限したい内容を記述していきます。 記述ルールについては、この記事の前後のセクションで詳しく解説していますので、参考にしてください。

記述が完了したら、ファイル名を「robots.txt」と指定して保存します。 この際、文字コードは「UTF-8」を選択してください。 文字コードを間違えると、 robots.txtが正常に機能しない可能性があります。

作成したrobots.txtファイルは、ウェブサイトのルートディレクトリにアップロードします。 アップロード方法については、後のセクションで解説します。

robots.txtの記述方法

robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して、ウェブサイトのどの部分をクロールしてよいか、どの部分をクロールしないでよいかを指示するファイルです。

robots.txtファイルでは、「User-agent」と「Disallow」「Allow」「Sitemap」の記述を用いてクローラーへの指示を記述します。

「User-agent」は、どのクローラーに対して指示を出すかを指定します。
例えば、Googleのクローラーであれば「Googlebot」と記述します。
全てのクローラーに対して指示を出す場合は「*」を使用します。

「Disallow」は、クローラーにクロールを許可したくないページやディレクトリを指定します。
例えば、「/private/」と記述すると、「https://example.com/private/」以下の全てのページへのアクセスを制限します。

「Allow」は、「Disallow」で指定した範囲内でも、クロールを許可したいページやディレクトリを指定します。
例えば、「Disallow: /」と記述した場合、サイト全体がクロールされなくなりますが、「Allow: /contact/」と記述することで、「https://example.com/contact/」へのアクセスは許可されます。

「Sitemap」は、ウェブサイトのサイトマップのURLをクローラーに伝えるために使用します。
サイトマップは、ウェブサイトの構造を検索エンジンに伝えるためのファイルであり、クローラーがウェブサイトを効率的にクロールするのに役立ちます。

これらの記述を組み合わせることで、ウェブサイトのクロールを細かく制御することができます。

例えば、下記のような記述をすることで、特定のディレクトリへのアクセスを制限しつつ、サイトマップの場所をクローラーに伝えることができます。

“`
User-agent: *
Disallow: /private/

Sitemap: https://example.com/sitemap.xml
“`

robots.txtは、SEO対策において重要な役割を果たします。
robots.txtを適切に設定することで、クローラーがウェブサイトを効率的にクロールできるようになり、検索エンジンからの評価向上に繋がります。

User-agentの書き方

「User-agent」は、robots.txtにおいてどのクローラー(検索エンジンのロボット)に対して指示を出すかを指定するための重要な項目です。ウェブサイトにアクセスするクローラーはそれぞれ固有の名前を持っています。 robots.txtでは、この「User-agent」を使って特定のクローラー、あるいはすべてのクローラーを指定し、その後の記述に従ってアクセスを制御します。

例えば、Googleのクローラーは「Googlebot」という名前なので、「User-agent: Googlebot」と記述することで、Googlebotのみに適用されるルールを指定できます。

robots.txtでは、User-agentを指定した後、そのクローラーに対する許可や制限のルールを記述します。つまり、「User-agent: Googlebot」と記述した後に続くルールはGooglebotに対してのみ有効となり、他のクローラーには影響しません。

すべてのクローラーに対して同じルールを適用したい場合は、「User-agent: *」と記述します。「*」はワイルドカードを意味し、すべてのクローラーを表します。

User-agentの指定は、robots.txtで非常に重要な役割を担っています。ウェブサイトへのクロールやインデックスを適切に制御するために、それぞれのクローラーに合わせた記述を行いましょう。

全てのクローラーを指定する場合

robots.txtでは、ウェブサイトにアクセスするクローラーに対して、特定のページやディレクトリへのアクセスを許可したり、制限したりできます。

アクセス制限を設定する前に、「どのクローラーに対して指示を出すか」を明確にする必要があります。もしあなたが、ウェブサイト全体にアクセスしてほしくないと考えているなら、「*(アスタリスク)」を使って、全てのクローラーを指定しましょう。

具体的には、以下のように記述します。

“`
User-agent: *
“`

この記述は、「User-agent」という項目でクローラーを指定し、「*」ですべてのクローラーを対象としていることを意味します。

この記述に続いて、具体的なアクセス制限の指示を記述していきます。

特定のクローラー(例:Googlebot)を指定する場合

robots.txtでは、ウェブサイトにアクセスして情報を収集するクローラー(ロボット)の種類ごとに、許可する動作や禁止する動作を指定できます。

例えば、Googleのクローラーのみに対して、特定のディレクトリへのアクセスを許可したい場合、以下のように記述します。

“`
User-agent: Googlebot
Disallow: /secret-directory/
“`

この場合、「User-agent: Googlebot」でGoogleのクローラーを指定し、「Disallow: /secret-directory/」で「/secret-directory/」というディレクトリへのアクセスを禁止しています。

他の検索エンジンのクローラーには、別のルールを適用したい場合は、以下のように記述します。

“`
User-agent: Bingbot
Disallow: /another-secret/

User-agent: Yahoo! Slurp
Disallow: /yet-another-secret/
“`

このように、クローラーごとに異なるルールを設定することで、ウェブサイトへのアクセスを細かく制御できます。

Disallowの書き方

「Disallow」は、ウェブサイトの特定のページやディレクトリへのアクセスをクローラーに禁止する重要な指示です。

robots.txt ファイルでは、「User-agent」で指定したクローラーに対して、どの部分を「Disallow」するかを具体的に記述します。

記述の基本は、「Disallow: 」の後に、アクセスを禁止したいURLパスを記述します。

例えば、ウェブサイト全体へのアクセスを禁止したい場合は、「Disallow: /」と記述します。これは、ルートディレクトリからのすべてのアクセスを禁止するという意味です。

特定のディレクトリへのアクセスを禁止したい場合は、「Disallow: /ディレクトリ名/」のように記述します。例えば、「/example/」というディレクトリへのアクセスを禁止したい場合は、「Disallow: /example/」と記述します。

特定のページへのアクセスを禁止したい場合は、「Disallow: /ページのURL」のように記述します。例えば、「/contact.html」というページへのアクセスを禁止したい場合は、「Disallow: /contact.html」と記述します。

また、「Disallow」は部分一致にも対応しています。例えば、「Disallow: /img/」と記述すると、「/img/」で始まるすべてのURLへのアクセスが禁止されます。

「Disallow」を効果的に使用することで、クローラーがクロールすべきでないページを明確に指示し、ウェブサイトのクロール効率を高めることが可能になります。

サイト全体のアクセス制限

あなたのウェブサイト全体にアクセス制限をかけたい場合、`Disallow: /` と記述します。

例えば、ウェブサイトのリニューアル中で、完成前の状態を検索エンジンにインデックスさせたくない場合などに有効です。

この記述を行うことで、全ての検索エンジンのクローラーに対して、サイト全体へのアクセスを禁止するよう指示が出されます。

ただし、この設定はあくまでもクローラーへの「お願い」であることを理解しておきましょう。

悪意のあるクローラーは、この指示を無視してウェブサイトにアクセスする可能性もあります。

ウェブサイト全体を完全に非公開にするには、パスワード保護などの他の方法と併用することが重要です。

ディレクトリ単位のアクセス制限

robots.txtでは、ウェブサイトの特定のディレクトリへのアクセスをクローラーに許可したり、制限したりできます。 ディレクトリ単位でのアクセス制限は、例えば、画像ファイルやCSSファイルなど、SEOに直接関係のないリソースが格納されているディレクトリへのクローラーのアクセスを制限する場合に役立ちます。

ディレクトリへのアクセスを制限するには、`Disallow`ディレクティブで、制限したいディレクトリのパスを指定します。 例えば、`/images/`ディレクトリへのアクセスを制限したい場合は、次のように記述します。

“`
User-agent: *
Disallow: /images/
“`

この記述により、すべてのクローラーは`/images/`ディレクトリとその配下のファイルにアクセスできなくなります。 特定のクローラーに対してのみアクセスを制限したい場合は、`User-agent`でクローラーを指定します。

ディレクトリ単位でのアクセス制限は、クローラーが重要なページをクロールするための時間を確保し、SEO効果を高めるために有効な手段です。

ページ単位のアクセス制限

robots.txtで特定のページへのアクセスを制限したい場合、そのページのURLを指定して`Disallow`に記述します。

例えば、「https://www.example.com/secret.html」へのアクセスを禁止したい場合は、以下のように記述します。

“`
Disallow: /secret.html
“`

これにより、クローラーは「secret.html」へのアクセスを制限されます。

重要なポイントは、robots.txtはあくまでもクローラーに対する「お願い」であり、悪意のあるクローラーはこれを無視してアクセスしてくる可能性もあるということです。

そのため、本当に重要なページを保護したい場合は、robots.txtだけに頼らず、パスワード保護など、より強力なセキュリティ対策を講じることをおすすめします。

パラメータを含むURLのアクセス制限

ウェブサイトには、動的にコンテンツが生成されるページが存在することがあります。
例えば、検索結果ページや、ECサイトの商品一覧ページなどで、URLに「?sort=」や「&price=」といったパラメータが付与され、その値によって表示内容が変化します。

これらのパラメータを含むURLは、無限に生成される可能性があり、クローラーの負荷を増大させたり、重複コンテンツとみなされる可能性があります。
そのため、robots.txtを用いて、クロールを制限する必要がある場合があります。

パラメータを含むURLへのアクセスを制限する場合、`Disallow`ディレクティブで、該当のパラメータを含むURLパターンを指定します。

例えば、`example.com`というドメインにおいて、`?sort=`で始まるパラメータを含むURL全てへのアクセスを制限したい場合は、下記のように記述します。

“`
Disallow: /?*sort=
“`

このように、アスタリスク(*)を用いることで、ワイルドカードとして機能し、様々なパターンに対応できます。

ただし、パラメータを含むURL全てを制限してしまうと、重要なページがクロールされず、検索結果に表示されなくなる可能性もあります。
アクセス制限を行う際は、ウェブサイトの構造やコンテンツをよく分析し、必要なページへのアクセスを阻害しないように注意することが重要です。

Allowの書き方

「`Disallow` はクローラーのアクセスを制限する命令でしたが、`Allow` は逆に「ここはアクセスしてもOKですよ」と特定のページやディレクトリへのアクセスを許可する命令です。`Disallow` で広く制限をかけた後に、`Allow` でピンポイントに許可を与えたい場合などに役立ちます。

例えば、サイトリニューアル中でほとんどのページをクローラーに巡回させたくないけれど、特定の重要なページだけはアクセスを許可したい、といった状況を考えてみましょう。

そんな時は、`Disallow: /` でサイト全体へのアクセスを制限した上で、`Allow: /new-product/` のように、公開したいページへのパスを指定して `Allow` を記述します。

このように `Allow` を使うことで、robots.txt での柔軟なアクセス制御が可能になります。

特定のページのみ許可する場合

一般的に、`Disallow` でクローラーのアクセスを制限しますが、逆に特定のページのみを許可したい場合は `Allow` を使用します。

例えば、`/products/` ディレクトリ内のページはクロールを許可したくないけれど、 `/products/special-offer.html` という特定のページだけはクロールを許可したい場合は、次のように記述します。

“`
User-agent: *
Disallow: /products/
Allow: /products/special-offer.html
“`

このように `Allow` を使うことで、特定のページへのアクセスを許可することができます。`Allow` は `Disallow` よりも優先されるため、上記のように記述すると `/products/` ディレクトリ内の他のページはクロールされませんが、 `/products/special-offer.html` はクロールされます。

`Allow` を使用する場合には、意図したページだけがクロールされ、他のページがブロックされていることを確認することが重要です。

Sitemapの書き方

robots.txt ファイルでは、サイトマップのURLをクローラーに伝えることができます。これは、サイトの構造をクローラーに理解させ、クロールとインデックスを効率化するために非常に有効です。

サイトマップの記述は、\

XMLサイトマップの場所をクローラーに知らせる場合

robots.txt ファイルでは、XMLサイトマップの場所をクローラーに伝えることができます。
XMLサイトマップは、ウェブサイトの構造を検索エンジンに伝えるためのファイルです。
これを robots.txt に記述することで、クローラーはウェブサイトを効率的に巡回しやすくなります。

XMLサイトマップの記述には、「Sitemap:」というディレクティブを使用します。
その後に、サイトマップのURLを記述します。

例えば、サイトマップのURLが「https://example.com/sitemap.xml」の場合は、以下のように記述します。

“`
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml
“`

robots.txt に複数のサイトマップを記述することも可能です。
その場合は、一行ずつ記述します。

“`
Sitemap: https://example.com/sitemap1.xml
Sitemap: https://example.com/sitemap2.xml
“`

サイトマップを robots.txt に記述することで、クローラーがウェブサイトの情報をより早く、正確に取得できるようになり、SEO効果の向上が期待できます。

robots.txtファイルのアップロード方法

作成した「robots.txt」ファイルをウェブサイトに反映させるには、サーバーへのアップロードが必要です。ここでは、FTPソフトを使った方法と、ホスティングサービスの管理画面からアップロードする方法の二つを紹介します。

FTPソフトを使用する場合は、まず FileZilla などのFTPソフトをダウンロードし、サーバー情報を入力して接続します。接続が確認できたら、ウェブサイトの公開ディレクトリ(多くの場合「public_html」などの名前)を開き、robots.txtファイルをアップロードします。この際、ファイル名は必ず「robots.txt」と小文字で統一してください。大文字が含まれると正しく認識されません。

FTPソフトを使用するのが難しい場合は、ご利用のレンタルサーバー会社が提供する管理画面からアップロードする方法もあります。多くの場合、ファイルマネージャーなどの機能が用意されており、FTPソフトと同様にファイルをアップロードできます。具体的な操作方法は、ご利用のホスティングサービスのマニュアルなどを参照してください。

いずれの方法でアップロードする場合も、アップロード先のディレクトリはウェブサイトのルートディレクトリであることを確認してください。ルートディレクトリとは、ウェブサイトのドメイン名にアクセスした際に最初に表示されるページが存在するディレクトリのことです。

サーバーへのファイルアップロード手順

robots.txtファイルを作成したら、次はウェブサイトのルートディレクトリにアップロードする必要があります。FTPクライアントソフトを用いたアップロードが一般的ですが、使用しているホスティングサービスによっては、ファイルマネージャーなど、より簡単なアップロード方法を提供している場合もあります。

FTPクライアントソフトを使用する場合、まずホスティングサービスから提供されたFTP情報(ホスト名、ユーザー名、パスワード)を入力し、サーバーに接続します。接続が確認できたら、ウェブサイトの公開ディレクトリ、多くの場合「public_html」や「www」といった名称のディレクトリを探します。ルートディレクトリは、ウェブサイトのドメイン名に直接アクセスした際に表示されるページが存在する場所です。

ルートディレクトリに移動後、作成した「robots.txt」ファイルをアップロードします。正しくアップロードが完了すると、「robots.txt」ファイルがウェブサイトのルートディレクトリに配置され、検索エンジンのクローラーがアクセスできるようになります。

FTPソフトの操作方法は使用するソフトによって異なるため、詳細な手順はそれぞれのソフトのマニュアルを参照してください。

ホスティングサービスを利用したアップロード

前述の通り、robots.txtファイルはWebサイトのルートディレクトリに配置する必要があります。多くの場合、FTPツールを用いてサーバーに直接アップロードする方法が一般的ですが、近年利用者が増加しているレンタルサーバーやクラウドホスティングサービスを利用している場合は、より簡単な方法でアップロードが可能です。

これらのサービスでは、ファイル管理機能が備わっていることが一般的です。コントロールパネルや管理画面にログインし、ファイルマネージャーといった名称の機能を探してみましょう。ファイルマネージャーを開くと、Webサイトのファイルやフォルダがツリー構造で表示されます。

robots.txtファイルをアップロードするには、まずルートディレクトリ(多くの場合、「public_html」や「www」といった名前のフォルダ)に移動します。そして、「アップロード」ボタンをクリックし、作成したrobots.txtファイルを選択します。アップロードが完了すると、ファイルマネージャー上にrobots.txtファイルが表示され、正しく配置されたことを確認できます。

ホスティングサービスによって、インターフェースや操作手順は多少異なる場合があります。不明な点があれば、利用しているサービスのヘルプページを参照したり、サポート窓口に問い合わせてみましょう。

robots.txtファイルのテスト方法

robots.txtファイルを作成したら、正しく機能するかどうか必ずテストを行いましょう。テストを行うことで、意 inadvertently に重要なページへのアクセスをブロックしてしまうなどのミスを事前に防ぐことができます。

robots.txtファイルのテストには、主に以下の2つの方法があります。

1つ目は、Google Search Consoleのrobots.txtテスターを利用する方法です。Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のウェブサイト分析ツールです。robots.txtテスターは、その機能の一つで、robots.txtファイルの内容に問題がないか、実際にGooglebotがどのように解釈するかをシミュレーションすることができます。

具体的な使い方としては、まずGoogle Search Consoleに自分のウェブサイトを登録する必要があります。その後、robots.txtテスターを開き、テストしたいrobots.txtファイルの内容を貼り付けます。そして、「テストを実行」ボタンをクリックすると、Googlebotがそのrobots.txtファイルをどのように解釈するか、問題がないかどうかを確認することができます。もし問題があれば、エラーメッセージが表示されるので、robots.txtファイルを修正し、再度テストを行うことができます。

2つ目は、手動でファイルを確認する方法です。これは、ブラウザのアドレスバーに「ウェブサイトのURL/robots.txt」と入力することで確認できます。例えば、ウェブサイトのURLが「https://www.example.com/」であれば、「https://www.example.com/robots.txt」と入力します。

正しく設定されていれば、robots.txtファイルの内容が表示されます。この方法では、Googlebot以外のクローラーがrobots.txtファイルをどのように解釈するかは確認できませんが、robots.txtファイルが正しく設置されているか、基本的な記述に誤りがないかなどを確認することができます。

いずれの方法でも、テストはrobots.txtファイルを編集する都度、必ず行うようにしましょう。

Google Search Consoleのrobots.txtテスタ―の使い方

robots.txtファイルを作成したら、正しく機能するか確認することが重要です。

Google Search Consoleを使えば、robots.txtテスターというツールで簡単に確認できます。

Google Search Consoleにログインし、対象のウェブサイトのプロパティを選択したら、左側のメニューから「robots.txt テスター」を選択します。

すると、現在のrobots.txtファイルの内容が表示されます。

確認したいURLを入力し、「テスト」ボタンをクリックすると、そのURLに設定したrobots.txtのルールに従って、クローラーがアクセスできるかどうかを確認できます。

例えば、「Disallow: /private/」と設定していて、「https://example.com/private/」というURLを入力してテストすると、「ブロックされています」と表示されます。

テスト結果には、ブロックの原因となったルールも表示されるので、誤って重要なページをブロックしていないか、簡単に確認できます。

もし、意図した通りに動作しない場合は、robots.txtファイルを修正し、再度アップロードしてテストを繰り返します。

robots.txtテスターは、robots.txtファイルを修正するたびに活用することで、常にクローラーに対して意図したアクセス制御を行うことができます。

手動でのファイル確認方法

robots.txt ファイルを手動で確認するには、ブラウザのアドレスバーに「https://[あなたのドメイン]/robots.txt」と入力します。
[あなたのドメイン] の部分は、ご自身のウェブサイトのドメイン名に置き換えてください。

例えば、ウェブサイトのドメイン名が「example.com」であれば、「https://example.com/robots.txt」と入力します。

正しく robots.txt ファイルが設置されていれば、ブラウザ上に robots.txt ファイルの内容が表示されます。
記述内容を確認し、クローラーに対する指示が意図通りになっているかを確認しましょう。

もし、ブラウザにエラーメッセージが表示された場合は、robots.txt ファイルが存在しないか、設置場所に問題がある可能性があります。
ファイルのアップロード状況を確認するか、サーバー管理者へ相談してみましょう。

robots.txtの注意点

robots.txtは、クローラーに対してウェブサイトへのアクセス範囲を指示するためのファイルですが、いくつかの注意点があります。

robots.txtは、あくまでもクローラーへの「お願い」であり、強制力はありません。悪意のあるクローラーは、robots.txtの指示を無視してウェブサイトにアクセスする可能性があります。重要な情報や公開したくない情報は、robots.txtで制御するのではなく、パスワード保護など、他のセキュリティ対策を講じるようにしましょう。

robots.txtは、検索エンジンからウェブサイトを完全に削除する手段として使用することはできません。検索エンジンは、他のウェブサイトからのリンクや過去のクロールデータに基づいて、robots.txtでブロックされたページの情報も保持している可能性があります。ページを検索結果から完全に削除したい場合は、サーバー側で適切なステータスコード(404 Not Found や 410 Gone)を返すように設定する必要があります。

robots.txt内に複数のルールが設定されている場合、クローラーは上から順番にルールを読み込みます。より具体的なルールが優先されるため、記述順序には注意が必要です。例えば、特定のクローラーに対して、サイト全体へのアクセスを許可した後に、特定のディレクトリへのアクセスを禁止するルールを設定した場合、クローラーはそのディレクトリにもアクセスできてしまいます。

robots.txtは正しく設定しないと、意図せず重要なページが検索エンジンにインデックスされなかったり、逆に非公開にしたいページがインデックスされてしまう可能性があります。設定後は、Google Search Consoleなどのツールを使って、robots.txtが正しく機能しているかを確認することが重要です。

インデックス削除には使用しない

robots.txtは、クローラーに対してサイトへのアクセスを制御する指示書のようなものですが、ページを検索結果から完全に削除する機能はありません。

「このページは検索結果に表示しないで」という指示を出すには、robots.txtではなく、noindexタグやパスワード保護などの方法を使用する必要があります。

robots.txtでページへのアクセスをブロックした場合、クローラーはそのページにアクセスできなくなり、コンテンツを読み取ることができなくなります。その結果、ページの情報が検索エンジンに登録されなくなり、検索結果に表示されなくなる可能性があります。

しかし、既に検索エンジンに登録されているページをrobots.txtでブロックしても、完全に検索結果から削除されるわけではありません。ページへのアクセスが制限されているため、検索エンジンはページの情報を更新できず、徐々に検索順位が下がる可能性はありますが、ページ自体へのアクセスは可能です。

検索結果から完全にページを削除したい場合は、Google Search Consoleなどのツールを使って削除リクエストを送信する必要があります。

ファイルの処理順序に関する注意事項

robots.txtは上から順番に処理されるため、記述する順番によって意図した設定にならない場合があります。

例えば、`Disallow: /` でサイト全体へのアクセスを制限した後に、`Allow: /important-page/` で特定のページへのアクセスを許可する記述をしても、クローラーは先に「サイト全体へのアクセス制限」を読み込んでしまうため、「特定のページへのアクセス許可」は無効になってしまいます。

複数のルールが設定されている場合、クローラーはより具体的な指示に従います。サイト全体へのアクセスを制限したい場合は、`Allow`ディレクティブよりも`Disallow`ディレクティブを先に記述する必要があります。

また、異なるクローラーに対して個別にルールを設定している場合は、それぞれのクローラーに対して記述順序が影響することを覚えておきましょう。

robots.txtはシンプルな構造ですが、記述順序によって意図しない結果を引き起こす可能性があります。設定する際は、クローラーの処理順序を意識し、テストツールなどを活用して意図通りに設定されているか確認することが重要です。

まとめ

この記事では、SEO効果を高めるためのrobots.txtファイルの書き方について、基礎から応用、注意点までを網羅的に解説しました。robots.txtとは、ウェブサイトにアクセスするクローラーに対して、サイト内のどの部分をクロールするか、しないかを指示するためのファイルです。

適切にrobots.txtを設定することで、クローラーによる無駄なクロールを防ぎ、重要なページにより多くのクロールを促すことができます。これは、ウェブサイトの評価を向上させ、検索エンジンのランキングで上位表示を目指すSEO対策において非常に重要です。

この記事で紹介した手順や記述方法を参考に、ぜひご自身のウェブサイトにもrobots.txtファイルを作成し、SEO効果の向上を目指しましょう。