Web広告の運用担当になったばかりのあなた、管理画面やレポートに出てくる「ROAS(ロアス)」という言葉に戸惑っていませんか?
「これって何%あればいいの?」「どうやって計算するの?」と、最初は疑問だらけですよね。
ROASは、広告費に対してどれだけ売上が生まれたかを知るための、とっても大切な指標なんです。
この記事では、初心者の方にもわかりやすくROASの意味や計算方法、目標の立て方について解説します。
難しい数式も、電卓片手に簡単に計算できるようになりますから、安心してくださいね。
まずは基本の意味から、一緒に見ていきましょう。
このページに書いてあること
ROAS(ロアス)とは?初心者向けに意味を解説
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まずは、ROAS(ロアス)という言葉の基本的な意味から押さえておきましょう。
この言葉は、Web広告の世界では毎日のように使われる重要な指標です。
意味を正しく理解することで、広告の効果を正しく評価できるようになりますよ。
ROASの定義:広告費に対してどれだけ売上が上がったか
ROASとは、一言でいうと「かけた広告費に対して、どれだけの売上が回収できたか」を表す数値です。
たとえば、1万円の広告費を使って商品が売れ、5万円の売上が上がったとしましょう。
このとき、「広告費の5倍の売上があった」と判断できますよね。
このように、投資したコストに対するリターンの大きさをパーセンテージ(%)で表したものがROASなんです。
数値が高ければ高いほど、「広告の効果が高い」と判断できるんですよ。
日本語訳は「広告費用対効果」
ROASは、英語の「Return On Advertising Spend」の頭文字をとった言葉です。
直訳すると「広告費に対するリターン」となりますが、日本語では一般的に「広告費用対効果」と呼ばれています。
- Return:見返り、利益
- On:~に対する
- Advertising Spend:広告費
この日本語訳だけでも覚えておくと、会議などで言葉が出てきたときにイメージしやすくなりますね。
「回収率」というニュアンスで捉えておくと、さらに分かりやすいかもしれません。
Web広告運用でROASが重要視される理由
なぜWeb広告運用でこれほどROASが重視されるのでしょうか。
それは、「売上への貢献度」がひと目でわかるからです。
単に「たくさんクリックされた」とか「何件売れた」というだけでは、その広告が本当に儲かっているのか判断しにくいですよね。
ROASを見れば、「1円の広告費が何円の売上に変わったか」が明確になります。
限られた予算を効率よく使って売上を最大化するためには、このROASという指標が欠かせない羅針盤になるんですよ。
ROASの計算式・求め方【シミュレーション付き】

ROASの意味がわかったところで、次は実際の計算方法を見ていきましょう。
「計算」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実はとってもシンプルなんです。
小学生の算数レベルの計算式で求められるので、構えずに確認してみてくださいね。
基本の計算式:売上÷広告費×100(%)
ROASを求める基本の計算式は以下の通りです。
ROAS(%) = 売上 ÷ 広告費 × 100
売上金額を、使った広告費で割って、最後に100を掛けてパーセント表示にするだけです。
とても単純ですよね。
この式さえ覚えておけば、いつでも自社の広告効果をチェックできます。
「売上が分子(上)、広告費が分母(下)」と覚えておきましょう。
具体例:広告費10万円で売上50万円の場合
では、具体的な数字を使ってシミュレーションしてみましょう。
【例題】
- 1ヶ月の広告費:10万円
- 広告経由の売上:50万円
この場合の計算は以下のようになります。
- 500,000円(売上) ÷ 100,000円(広告費) = 5
- 5 × 100 = 500%
つまり、この場合のROASは500%です。
これは「広告費1円あたり5円の売上になった」ということを意味します。
具体的になると、イメージが湧きやすいですよね。
ツールを使わず電卓で計算する際の手順
手元に電卓がある場合や、スマートフォンの電卓アプリを使う場合の手順も紹介しますね。
- まず「売上金額」を入力する
- 「÷(わる)」ボタンを押す
- 「広告費」を入力する
- 「=(イコール)」ボタンを押す
- 最後に「×100」をして計算する
これだけでOKです。たとえば売上300万円で広告費50万円なら「300÷50=6」となり、最後に100を掛けて「ROAS 600%」と求められます。
会議中などに「今のROASは?」と聞かれても、サッと計算できるようにしておくと安心でしょう。
ROASと似た用語「ROI」「CPA」との違い

Webマーケティングの世界には、ROASとよく似たアルファベット3文字の用語がたくさんあります。
特に「ROI」や「CPA」は混同しやすいので、ここで違いをはっきりさせておきましょう。
それぞれの違いを表で整理しながら解説しますね。
ROI(投資利益率)との違いは「利益」を見るかどうか
ROI(ロイ/アールオーアイ)は「Return On Investment」の略で、「投資利益率」のことです。
ROASとの最大の違いは、「売上」を見るか「利益」を見るかという点です。
- ROAS:売上 ÷ 広告費(売上ベース)
- ROI:利益 ÷ 投資額(利益ベース)
ROIは、広告費だけでなく原価なども引いた「手元に残る利益」をもとに計算します。
そのため、ビジネス全体の最終的な儲けを判断するにはROIの方が適しているんですよ。
CPA(顧客獲得単価)との違いは「売上金額」を見るかどうか
CPA(シーピーエー)は「Cost Per Acquisition」の略で、「顧客獲得単価」のことです。
こちらは「コンバージョン(購入や申込)1件を獲得するのにいくらかかったか」を表します。
- ROAS:広告費に対していくら「売上」が上がったか(%)
- CPA:1件獲得するのにいくら「コスト」がかかったか(円)
CPAは「金額(円)」で表されるので、低いほうが優秀です。
単品通販など、商品単価が一定の場合はCPAで管理するケースも多いですね。
ROAS・ROI・CPAの使い分け方
これら3つの指標は、目的によって使い分けることが大切です。
わかりやすく表にまとめてみました。
| 指標 | 日本語訳 | 単位 | 見るべきポイント | 適した場面 |
|---|---|---|---|---|
| ROAS | 広告費用対効果 | % | 売上の回収効率 | ECサイトなど商品単価がバラバラな場合 |
| ROI | 投資利益率 | % | 最終的な利益率 | 事業全体の採算性を判断する場合 |
| CPA | 顧客獲得単価 | 円 | 1件あたりのコスト | 資料請求や会員登録など、成果地点に金額が発生しない場合 |
Web広告の運用現場では、日々の調整にはROASやCPAを使い、月次の振り返りなどでROIを確認する、といった使い分けが一般的ですよ。
ROASの目安は?目標数値の決め方と損益分岐点

「ROASの計算方法はわかったけど、結局何%を目指せばいいの?」というのが一番気になるところですよね。
実は、ROASは「高ければ高いほど良い」という単純なものではありません。
利益が出るラインを見極めて、適切な目標を設定することが成功への鍵となります。
一般的なROASの目安(平均値)
ROASの目安は、取り扱う商材の利益率によって大きく異なります。
一般的には、200%〜500%程度がひとつの目安と言われることが多いですが、これはあくまで参考値です。
たとえば、原価がほとんどかからないデジタルコンテンツならROAS 150%でも利益が出るかもしれません。
逆に、原価率が高い家電製品などはROAS 500%でも赤字になることがあります。
「平均値」に惑わされず、自社の利益構造に合わせた目標を立てることが大切ですよ。
利益が出るライン「損益分岐点ROAS」の計算方法
赤字にならずにトントンになるラインのことを「損益分岐点ROAS」と呼びます。
これを把握していないと、売上は上がっているのに実は損をしている、なんてことになりかねません。
損益分岐点ROASは、以下の式で計算できます。
損益分岐点ROAS = 1 ÷ 粗利率 × 100
例えば、商品の粗利率(売上から原価を引いた利益率)が50%の場合、
1 ÷ 0.5 × 100 = 200%
となります。
つまり、この商品はROAS 200%を下回ると赤字になってしまうということです。
まずはこの数値を計算してみましょう。
限界利益率を考慮した目標ROASの設定
損益分岐点がわかったら、そこに「確保したい利益」を上乗せして目標ROASを設定します。
これを考えるときに役立つのが「限界利益率」という考え方です。
ギリギリ黒字のライン(損益分岐点)を目標にしてしまうと、会社としての利益が残りませんよね。
「広告費以外にかかる経費」や「目標とする利益額」を考慮して、損益分岐点ROASよりも高い数値を目標に設定する必要があります。
一般的には、損益分岐点ROASに20%〜50%ほど余裕を持たせた数値を初期の目標にすることが多いですよ。
ターゲットROAS(目標広告費用対効果)とは
Google広告やYahoo!広告などの運用型広告には、「ターゲットROAS(目標広告費用対効果)」という自動入札機能があります。
これは、あらかじめ設定したROASの目標値を達成するように、AIが自動で入札単価を調整してくれる便利な機能です。
「過去30日間に一定以上のコンバージョン数がある」などの利用条件はありますが、うまく活用すれば運用工数を減らしながら効果を最大化できます。
目標数値が明確になったら、こうした自動化機能の活用も検討してみてくださいね。
ROASが低い原因と改善するための5つの施策

計算してみたら、思ったよりROASが低かった…と落ち込んでいる方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。原因を特定して対策を行えば、数値は必ず改善できます。
ここでは、ROASを改善するための代表的な5つの施策をご紹介します。
できるところから一つずつ試してみてくださいね。
ターゲット設定(オーディエンス)を見直す
まず見直したいのが、「誰に広告を出しているか」です。
商品に興味のない人に広告を表示しても、クリックされるだけで購入にはつながりませんよね。
- 年齢・性別・地域は合っていますか?
- 興味関心や検索キーワードは適切ですか?
- 過去にサイトを訪れた人(リターゲティング)への配信は行っていますか?
ターゲット設定を絞り込み、購入意欲の高いユーザー(オーディエンス)に配信を集中させることで、無駄な広告費を削減し、ROASを向上させることができますよ。
広告クリエイティブ(画像・テキスト)を改善する
広告の画像(バナー)やテキスト(見出し・説明文)は、ユーザーが最初に目にする「お店の看板」です。
ここが魅力的でないと、そもそもサイトに来てもらえません。
- 商品の魅力が伝わる画像になっていますか?
- 「期間限定」「送料無料」など、クリックしたくなる言葉は入っていますか?
- ターゲットの悩みに寄り添った訴求になっていますか?
複数のパターンを作ってテストを行い(ABテスト)、反応の良いクリエイティブを見つけていくことが大切です。
地道な作業ですが、効果は絶大ですよ。
ランディングページ(LP)の成約率(CVR)を高める
広告をクリックしてサイトに来てくれたのに、購入に至らない場合は、ランディングページ(LP)に問題があるかもしれません。
訪問者のうち購入に至った割合(CVR:コンバージョン率)を高めることが、ROAS改善の近道です。
- ページの読み込み速度は遅くないですか?
- 申し込みボタン(CTA)は分かりやすい場所にありますか?
- スマホで見やすいデザインになっていますか?
- 入力フォームは面倒ではありませんか?
ユーザーがストレスなく購入完了できるようなページ作りを心がけましょう。
クロスセル・アップセルで客単価を上げる
ROASの計算式の分子である「売上」を増やすアプローチです。
1人あたりの購入金額(客単価)を上げることができれば、同じ広告費でもROASは改善します。
- クロスセル:関連商品をセットでおすすめする(例:カメラと一緒にSDカードを売る)
- アップセル:より上位の商品をおすすめする(例:松竹梅の「竹」を売る)
「ご一緒にいかがですか?」という一言があるだけで、客単価が上がり、結果としてROASが大きく跳ね上がることがありますよ。
無駄な広告配信を除外してコストを抑える
成果につながっていない無駄な配信をカットすることも重要です。
これを「除外設定」といいます。
- 全くコンバージョンしていないキーワードを除外する
- 誤クリックが多発するスマホアプリ面への配信を停止する
- 成果の悪い地域や時間帯への配信を弱める
こうした「守りの運用」を行うことで、分母である広告費を抑えつつ、質の良いアクセスだけを残すことができます。
定期的にレポートをチェックして、無駄を見つける習慣をつけましょう。
ROAS分析を行うメリットと注意点

ROASは非常に便利な指標ですが、万能ではありません。
メリットだけでなく、注意点もしっかり理解しておくことで、より精度の高いマーケティング判断ができるようになります。
最後に、ROAS分析のメリットと、気をつけるべき落とし穴についてお話しします。
メリット:広告パフォーマンスが可視化される
ROASを分析する最大のメリットは、「広告のパフォーマンスが数字でハッキリ見える化される」ことです。
感覚や経験則ではなく、「Aの広告はROAS 300%、Bの広告は150%」というように客観的な事実に基づいて判断できます。
これにより、予算配分の最適化がしやすくなり、チーム内での報告や説得もしやすくなりますよね。
どの広告が「稼ぎ頭」なのかが一目瞭然になるのは、運用担当者にとって大きな助けになります。
注意点:ROASが高くても利益が出ているとは限らない
一方で注意が必要なのは、「ROASが高い = 会社が儲かっている」とは限らないという点です。
先ほど触れたように、ROASはあくまで「売上」ベースの指標です。
たとえROASが1000%と高くても、原価率が高かったり、人件費や物流費がかさんでいたりすれば、最終的な利益はマイナスかもしれません。
ROASだけを追い求めすぎると、利益率の低い商品ばかりを売って忙しいのに儲からない…という事態になりかねないので、必ずROI(利益率)も合わせて見るようにしましょう。
注意点:少額予算やデータ不足時のブレ
もう一つの注意点は、データ量が少ないときの数値のブレです。
予算が少額で、月に数件しかコンバージョンが発生しないような場合、たまたま高単価な商品が1つ売れただけでROASが跳ね上がることがあります。
逆に、たまたま売れない期間が数日続いただけでROASが激減することもあります。
データが少ない段階でのROASはあくまで参考程度にとどめ、ある程度の期間や件数が蓄積されてから判断するようにしてくださいね。
まとめ

ROAS(ロアス)について、意味や計算方法、改善策まで解説してきました。
最後に、重要なポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- ROASとは:広告費に対してどれだけ売上が上がったかを表す指標(広告費用対効果)。
- 計算式:売上 ÷ 広告費 × 100(%)。
- 重要性:売上への貢献度が可視化され、予算配分の判断基準になる。
- 注意点:損益分岐点を把握し、利益(ROI)も考慮して目標を立てる。
最初は難しく感じるかもしれませんが、計算自体はとてもシンプルです。
まずは自社の損益分岐点ROASを計算して、現在の運用状況が良いのか悪いのかを確認することから始めてみてください。
数字の意味がわかると、広告運用がもっと面白く、やりがいのある仕事に変わっていきますよ。
あなたの運用が成果につながることを応援しています!
roasについてよくある質問

- Q. ROASとROI、どちらを重視すべきですか?
- A. 目的によります。日々の広告運用の調整や、売上の最大化を目指すなら「ROAS」を、事業全体の最終的な利益確保を重視するなら「ROI」を重視しましょう。基本的には両方の視点を持つことが大切です。
- Q. ROASが100%ということはどういう状態ですか?
- A. 広告費とそれによる売上が同じ金額(トントン)の状態です。例えば1万円の広告費で1万円売り上げた場合です。原価などを考慮すると赤字になっている可能性が高い状態と言えます。
- Q. 目標ROASはどうやって決めるのが正解ですか?
- A. 「損益分岐点ROAS」を計算し、そこに確保したい利益率を上乗せして設定するのが基本です。「1 ÷ 粗利率 × 100」で損益分岐点を出し、それよりも高い数値を目標に設定してください。
- Q. ROASを改善するには何から始めるべきですか?
- A. まずは「無駄なコストの削減」から始めると効果が出やすいです。成果の出ていないキーワードや配信面の除外設定を行いましょう。その上で、クリエイティブ(画像・文言)の改善に取り組むのがおすすめです。
- Q. ROASが高すぎる場合に問題はありますか?
- A. 一見良いことですが、「機会損失」の可能性があります。もっと広告費を使えばさらに売上を伸ばせるのに、予算を絞りすぎているかもしれません。利益が出ているなら、入札を強めて売上の規模拡大を狙うのも手です。