8月、9月、10月と重ためのアップデートが続きました。

これはSEO業界でもなかなか珍しいことで、少しざわつきました…。

【アプデ】まさかの10月版コアアップデート展開!

8月に行われたコアアップデートに引き続き、9月はお役立ちコンテンツアップデート、10月はさらにコアアップデートと、異例なアップデート祭りに見舞われています。

過去に、Googleのダニーサリバン氏は、影響範囲の広い大きめなアップデートは極力同時に実施しない様に努めていると話していました。

https://twitter.com/dannysullivan/status/1570583101063168001?s=20

アップデートを連続させることでサイト管理者を困らせるといった悪意はなく、もし本当に困らせたいならそれこそ同じ日に展開するだろうとサリバン氏。

Google側では「行わざるを得なかった」といった状況でしょうが、流石に変動の大きさが落ち着きませんね。

日本時間の10月6日に展開されたアップデートは、10月19日にロールアウトしています。

10月verコアアップデートの影響.1 究極のユーザービリティ

具体的な企業名等は出しづらいのですが、「〜〜とは?」といったナレッジ系のクエリに対して、従来であれば企業規模は問わずとも、ある程度「内容・ボリュームが満たされている記事コンテンツ」が1ページ目に位置することが多い印象でした。

しかし、直近の検索結果では「〜〜とは、〜〜である」と一言で終わってしまう様な、企業の「用語図鑑」的なコンテンツの上位化が目立ちました。

以後の要因とも関連して続きます。

10月verコアアップデートの影響.2 ドメインパワー

企業ドメイン・事業ドメインなどサードパーティツールにて確認できる「DR」的な指標の強いサイトが上がってきたなという印象が大きいです。

結局といった感じですが、コンテンツの信頼性=企業ドメイン的な感覚は大きく変わりません。

そのため、「信頼できる大手企業が、簡潔に整理したコンテンツ」的なものの扱いがよりシビアになってきている様な印象です。

10月コアアプデまとめ

ちょこちょこあるケースですが、ドメインを分けている場合、サブドメ・サブディレ統一するなどもひとつの手かなと思いました。ただし、あくまでも運営サービスの軸が同じということが前提です。

とりあえずなんでも、強い親ドメインに統合してサブドメ・サブディレで運用すれば良いというわけではありません。

また、専門性の高いコンテンツの量や、引用時のデータ・裏付けの正確性なども今一度見直してみても良いかもしれません。

上がっても落ちても、まずは自社サイトだけでなく、新しく上位に表示されている競合群の研究から入るとスムーズでしょう。

【アプデ】Googleが画像のファクトチェック検証ツールをリリース

Googleは、画像のファクトチェックが行えるツールをリリースしました。

本記事執筆時では、日本語版のChromeで展開が見受けられませんでしたので、US版のChromeを使用して確認してみました。

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「About this image」といった項目が見受けられます。

ここをクリックすると、

  • 画像がいつGoogleによって検出されたか?
  • 画像のクレジット

が表示されるようになっています。

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ただし、クレジットについては明記されたコンテンツが存在しないと、「現在のところ、この画像に関する詳細情報が掲載された検索結果はありません。」と表示されてしまいます。

AI画像生成が進化して、より身近に使えるようになったことで、フェイク画像が流行ってしまうリスクも膨大に増えました。

この機能を土台に、オンラインの画像のあり方・使い方を見直すきっかけになると良いですね。

【基本知識】404エラーは必ず修正する必要があるのか?

掲示板redditにて、ジョンミューラー氏は404エラーの質問に対して回答をしました。

投げられた質問は下記です。

「今日、Google から GSC での修正の検証についてのメールを受け取りました。修正のほとんどは、私の Web サイトに存在しない URL の 404 エラーに関連しています。

スパム サイトが私の Web サイト上の存在しないページにリンクしているようです。Google から「修正の検証」を求められているため、どうすればよいかわかりません。

すべてのリンクを当社のホームページにリダイレクトする必要がありますか? このまま放っておいてもいいでしょうか?」

https://www.reddit.com/r/SEO/comments/17jhnxm/thousands_of_404_errors_in_gsc_from_spam_sites/

ジョンミューラーはこう返します。

「無視してください。ページが存在することを意図していない場合は、404 を返すことが期待されます。

ページが存在するはずだと思っていた場合、このエラーは良い思い出となるでしょう。」

https://www.reddit.com/r/SEO/comments/17jhnxm/comment/k72n3sa/

例えば、私たちはahrefsなどのサードパーティツールを用いて、クロールエラーのチェックを行います。

特に、手癖で治しがちなのが、「404エラーのページを適切なページへリダイレクトする」ことです。

しかし、404エラーは必ずしも悪質なエラーではありません。むしろ正常なステータスコードの一種です。「ページが存在しない」という返答をすることが時には適切なケースもありますよね。

変にリダイレクトを行うよりも、UI/UXを考慮したオリジナル404ページ等を作成することで、さらに良いWeb運用を行うことができるかもしれません。

404エラーが発生している際は、まずそのエラーが意図しているものかそうでないのか?実際の状態と合わせて適切なステータスコードなのか?を確認することが大切です。

【テクニカル】構造化データ(schema)マークアップはランキング要素ではない?

ダニーサリバン氏は、X(旧Twitter)にて、「構造化データのマークアップを行うことで、特定の表示強化等には役立つものの、マークアップをしているから・していないからを基準にトップに表示されたり、カルーセルに掲載されるわけではない」と述べました。

以下は本文です。

何かを解消するためにスキーマを使用してもランキングは向上しません。これは、特定の表示や機能強化の資格を得るのに役立ちますが、それを持っているからといって、何らかの形で結果の一番上やカルーセルの先頭に押し上げられるわけではありません。

スキーマによってランクが向上するわけではありません。

スキーマはランキングとは何の関係もありません。そのため、スキーマ ガイドラインに違反するものがあったとしても、ランキングには影響しません。なぜなら、スキーマはそもそもランキングに関与していないからです。ランキングを決定するために他の要素も考慮します。ただし、これにより、サイトがスキーマ拡張を行うことができなくなる可能性があります。

とはいっても、サーチコンソールで構造化データのエラーが指摘される放置はしづらいです。
UI/UX面でも、可能な限り対応はしておきたいです…。

あくまでも一意見として、あまり過敏に捉える必要はないかと思いますが、運用しているサイトが進行上・構造上、なかなか手をつけづらい場合は、この言葉を胸に安心してください。

【表示速度】CLSのスコアはランキングの大幅な低下理由にはならない

redditにて、ジョンミューラー氏は表示速度について触れています。

とあるユーザーが、

オーガニック検索トラフィックの突然の減少について、累積的なレイアウトシフト(CLS)が原因になりますか?

詳細:CLS 問題: 0.25 以上 (モバイル)」があると特定されました。原因は、すべてを押し下げる Google 広告バナーの読み込みが遅いことだと思います。トラフィックが発生する約 1 週間前にサイトに追加していました。減少しました。広告ユニットを削除し、Google が修正を検証するのを待っています。これが急激な減少の潜在的な原因でしょうか?

https://www.reddit.com/r/SEO/comments/17cpwgc/sudden_decrease_in_organic_search_traffic_is/

それに対して、ジョン・ミューラー氏は一言

no

Googleのゲイリー氏も話していたが、ページエクスペリエンスの更新は劇的な影響はなく、タイブレーカーのシグナルの様なものと。つまり競合と競っている際の、気持ちの1押しになる程度と。

もちろん、やらないよりは遥かにやるべき施策として捉える必要があります。ただ、他にもやるべきこと・改善点があるタイミングで、ページエクスペリエンスの改善だけ取り組んだところで大きな期待はできないということです。ある程度サイトが整備されたタイミングで初めて行うことを視野に入れるべきでしょう。

10月に行われたSEOカンファレンスでも、ジョン・ミューラー氏は、「CWV(Core Web Vitals)に焦点を当てすぎない様に」と話していました。

シグナルにすると言われてしまうと、どうしても意識はしてしまいますが…。

まとめ

アップデートが続くことで、いろいろな影響があるでしょう。

もちろんあれこれ考えるのも大切なのですが、まずは検索結果を見ながら傾向を把握し・取り入れていくことが重要です。日々、検索結果でも小さなアップデートが行われていますし、他社の状況を追うことで気づくことや発見もあるでしょう。

また、何かを取り入れてすぐに結果が変わることは少ないため、中長期で施策のプランを立て、アプデに乗っかれる準備をしておくことも大切ですね。