近年、AI技術の進化により、ウェブライティングやコンテンツ制作の分野で大きな変革が起こっています。
中でも、話題となっているのがOpenAIが開発したChatGPTです。この記事では、2023年最新のChatGPTについて詳しく解説し、SEOへの活用方法やGPT-4の情報を踏まえた内容でお届けします。
このページに書いてあること
ChatGPTとは?
ChatGPT(チャットジーピーティー、Generative Pre-trained Transformer)とは、2022年11月にOpenAI社が公開した、人工知能チャットボットを指します。
最大の特徴として、チャットベースで様々な会話ができる点が挙げられます。また、単純なやり取りだけでなく、質問に含まれる誤りを指摘することができたり、適切ではない質問の回答を拒否することもできるなど、自然な会話・問答が可能となっています。
開発元であるOpenAI社の創設者には、テスラやTwitterでお馴染みのイーロン・マスク氏やAirbnbやDropbox社へ投資を行い成長させてきたサム・アルトマン氏など著名なビジネスマンが名を連ねています。
ChatGPTのはじめ方は?
ChatGPTを始めるには、OpenAI社の公式サイトにアクセスし、アカウントの作成を行いましょう。
アカウントの登録にあたって、メールアドレスかGoogle/Microsoftアカウントを使用することができます。
登録したアドレスにOpenAIからメールが届くので、メール本文の「Verify email address」から登録画面に移行します。名前と電話番号を登録すると、6桁の認証コードが記されたショートメールが送られてきます。認証コードを入力することで完了です。
ChatGPTの特徴
ChatGPTの特徴は、人間に近い文章作成能力です。さらに以下の3点が挙げられます。
- 広範な知識ベース
ChatGPTは、学習データセットに含まれる多様なテーマと情報を基に、幅広い知識を獲得しています。そのため、様々なジャンルの質問に対して適切な回答を提供できます。
- コンテキスト理解力
このモデルは、文脈や文章のニュアンスを理解する能力が高く、入力された文章や質問の意図を把握し、適切な回答や文章を生成することができます。
- 自然な会話スキル
ChatGPTは、人間らしい自然な文章を生成する能力があり、会話の流れに沿った応答や情報提供が可能です。
しかし、ChatGPTも完璧ではありません。学習データセットに含まれていない新しい情報に対応できないことや、時には不適切な表現を生成することもあります。有効活用するためには、最終的に人間が確認・肉付けを行い調整する必要があります。
このように、ChatGPTはその高い知識ベース、コンテキスト理解力、自然な会話スキルを活かして、ウェブライティングやコンテンツ制作に新たな可能性をもたらしています。
ChatGPTには言語の指定はある?
ChatGPTは、主に英語を中心に学習されていますが、他の言語にも対応しています。一般的な会話や簡単な文章生成には、多くの言語で十分に対応できるでしょう。
ただし、非英語の言語に関しては、その対応範囲や生成される文章の品質が英語に比べて劣る場合があります。これは、学習データセットにおいて英語のデータが圧倒的に多いためです。
そのため、英語以外の言語でChatGPTを使用する場合、特に専門的な内容や翻訳に関しては、生成された文章の品質を確認し、必要に応じて手動で修正することが望ましいとされています。
ChatGPTでできることは?
ChatGPTでできることは多岐に渡ります。
- コンテンツ作成
ChatGPTは、ブログ記事やテキスト生成など、様々な形式のコンテンツを生成することができます。
- 質問応答
ユーザーからの質問に対して適切な回答を提供することができます。これにより、FAQページの作成やカスタマーサポート業務などで活用できます。
- テキスト翻訳
複数の言語間でテキストを翻訳することができます。流石に、専門的な翻訳サービスには及ばない場合がありますが、一般的な翻訳には十分な回答をしてくれます。
- キーワードリサーチ
検索エンジン最適化(SEO)に役立つキーワードのリサーチやサジェストを行うことができます。ただし最終的な選定は確認が必要です。
- 要約
長い文章やドキュメントを短い要約に変換することができます。まとめて欲しい文章の後に「3行でまとめて」などと指示することで、要約してくれます。
- プログラミングにおけるコード生成
プログラミングやHTML、CSSなど具体的な指示を出してあげることで、ChatGPTが必要なコードの生成を行ってくれます。上手に使うことで、既存コードの整理を行うこともできるかもしれません。
このように、ChatGPTは幅広い分野で活用が可能であり、効率的なコンテンツ作成や情報処理をサポートします。
しかし、注意しなければいけない点として、完全に人間の執筆者や専門家と置き換えるものではなく、補助的な役割という点です。
ChatGPTに丸投げではいけません。
ChatGPTの料金体系
ChatGPTは基本的には無料で使うことができます。
個人向けプラン
個人向けプランでは、
- 無料で使用できる、Freeプラン(GPT3.5)
- 月額20ドルPlusプラン(1ドル150円レートで、3,000円前後)
企業向けプラン
企業向けプランでは、
- 月額25ドルで使用できる、Teamプラン(1ドル150円レートで、3,750円前後)
- 大企業向けのEnterpriseプラン(費用は要相談)
となっております。
APIの料金体系
API経由で使用する場合、さらに料金体系が異なります。
- GPT-4 Turboベース・・・1kあたりのトークン 入力0.01ドル 出力0.03ドル
- GPT-4 ベース・・・1kあたりのトークン 入力0.03ドル 出力0.06ドル
- GPT-3.5 ベース・・・1kあたりのトークン 入力0.0015ドル 出力0.0020ドル
※料金体系は随時変更があると思われますので、詳細は公式サイトの料金表を参照してください。
ChatGPTを使いこなすためには、プロンプト(指示の出し方・命令)が重要
ChatGPTを使いこなすためには、平たくいうと「指示の出し方・命令」が全てになります。2023年3月現在、市場ではプロンプト戦国時代となっています。
ChatGPTもあなたにとってだけ都合の良いAIではありません。知りたいことや求めている内容に対して、背景や具体的な説明がないと、クリティカルな回答は返ってきません。
ただ、そういった点を加味しても、当たり障りなく丁寧な回答が返ってくるとは感じます。
ChatGPTを活用したSEO対策
ここからはChatGPTを活用したSEO対策について説明していきます。
実際に、有料プランを利用しGPT-4を使用した結果を踏まえて、実用性はある?という点を見てみたいと思います。
※結果においては、プロンプト(指示の出し方)などによって大きく左右されますが、あくまでも一般的なユーザーや、小難しくない使い方として、実験しております。
キーワードのリサーチ
ChatGPTはキーワードのリサーチを行うことができます。SEOにおいてはコンテンツ作成の要となる作業です。
SEO担当者であれば、キーワードプランナーやサーチコンソール、ahrefsやMozなど様々なSEOツールを用いて行う作業ですね。
ChatGPTが行ったキーワードのリサーチ結果
今回は、「コンテンツマーケティング」を軸に、キーワードのリサーチを行ってもらい、それぞれトピック、キーワード、検索意図を表にまとめてもらいました。
う〜ん。悪くない…。冒頭にある「コンテンツマーケティングの基本」は「コンテンツマーケティング 基本」の方が良いかなあ…などと細かな点は色々と思うことがありますが、概ね悪くないと感じます。
ただし、コンテンツ作りはあくまでもキーワードの選定が命なので、キーワードが決まってからの方がChatGPTは生きてくるんじゃないかなあなどと感じました。
そのため、個人的には「キーワードのリサーチはできるけれど、そこまで有用ではない」といった印象です。
ペルソナの作成・設定
ChatGPTではペルソナの作成や設定を行うことができます。
ペルソナの策定は、SEO対策において非常に大切な作業ですが、一方で手間がかかるので、小さな試作毎にじっくりやる余裕がないのも事実…。
ChatGPTが行ったペルソナの策定結果
先ほどのコンテンツマーケティングについて、ペルソナを策定してもらいました。
素晴らしいですね。これが数秒で出てくるとは驚異的です。
「また、SEO対策や効果測定についても知識が限定的であり、専門家によるサポートが必要と感じています。」
(ChatGPTによる回答)
という点も良いですね。記事を執筆する際に、専門用語を減らして、わかりやすい表現を行おうという意識も植え付けられますね。
キーワード選定、ペルソナの設定、ペルソナに向けた記事作成という前提を用いて、見出しの作成や内容の執筆まで行うことができると、コンテンツの方向性や一貫性が出て、クオリティが高くなりそうですね。
ペルソナについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
見出し構成の作成(コンテンツ作成の補助)
コンテンツ作成(主に、記事などの読み物コンテンツ)に重要な作業が見出し構成の作成です。ラッコツールや拡張機能を活用して、上位10〜20サイトの見出し構成情報を抜いてきて、「共通している項目はないか」「自社で追加できそうなオリジナル要素はないか」…と骨の折れる作業です。
ChatGPTでは「特定のキーワードで記事を描きたいので見出し構成を考えてください」などと指示することで、適切な見出し構成を回答してくれます。
ChatGPTが行った見出し構成の作成結果
「コンテンツマーケティング」というキーワードで記事を書くつもりで、指示を投げてみます。
良いですね、まとまりがよく必要最低限のボリュームや意図はなぞれていると感じます。
プロンプト(指示)によっては「ペルソナを考慮して」や「検索意図を深く踏まえて」など、もう少し内容にオリジナリティを持たせた構成作成も可能なようです。
ただし、シンプルな指示でこれだけの見出し構成を作成できるのは素晴らしいと感じます。
オリジナルコンテンツの作成
ChatGPTにおいて、オリジナルコンテンツの作成は非常に得意な領域ではないでしょうか。
ここで注意したいのは、ある程度のボリュームや回答はくるものの、「しっかり内容の裏付けができているのか?」という点です。
悪くいうと、「それっぽい回答を、それっぽいボリューム感で回答してくれる」という感じでしたので、内容の確認や真偽はしっかり確認しておくべきでしょう。
ChatGPTが行ったキーワードのコンテンツ作成の結果
流れとしては、ここまでリサーチされたキーワードで、作ってもらった構成で、内容を執筆してもらうイメージですね。
なかなか良いと思います。
ただ、後ほど説明しますが、このコンテンツをそのまま記事化&公開するのは好ましくありませんので、注意してください。
それでもここまでくるとキーワードの選定ヒントからペルソナ策定、見出し構成、執筆まで依頼だけ投げると全て対応してくれています。
ChatGPT恐るべし…。
メタデータを最適化するためのアドバイス
ChatGPTは、SEOに欠かすことのできないメタデータのアドバイスが可能です。
ChatGPT単体で、ウェブサイトの編集やコーディングができるわけではないため、あくまでもアドバイスになります。
また、必要に応じて、メタデータの使い方や使用例をわかりやすく学ぶことができるでしょう。
ChatGPTが行ったメタデータのアドバイス結果
「descriptionタグとは何ですか?」という質問を投げかけてみます。
ちゃんとコードで具体例が表示されるのが嬉しいですね。
また、ワードプレスを想定してなのか、「php」という点もステキ。
さらに感動したのは、
「ただし、descriptionタグの内容が直接的に検索エンジンのランキングに影響を与えるわけではないことに注意してください。それでも、ユーザーエクスペリエンスやクリック率向上の観点から、適切なdescriptionタグを設定することはSEO対策において有益です。」
(ChatGPTによる回答)
という説明でした。
SEOを始める際に、勘違いしやすい「descriptionタグはSEOに直接関係する?」といったあるあるなテーマをしっかり解説してくれている点が素晴らしいですね。
ディスクリプションタグについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
番外編:コーディング作業
ChatGPTはコーディング対応も非常に優れています。
しかし、SEO施策とは直接的な関係がないため、「番外編」とします。
プロンプト(指示)の出し方にもよるのですが、自分がやりたいことをしっかり伝えることで、ある程度コーディングのヒントや枠組みを作ってくれます。
※そのまま使えるケースも往々にしてありますが、一定の検証は必要だと感じます。
下記は、HTMLとCSSについての例です。
簡易的な依頼という点もありますが、回答バッチリですね。
該当のファイルに直接書く場合の手法も解説してくれており、非常に丁寧です。
近年では人気のあるテキストエディター「VSCode」にてテストコードの生成や、解説、コメントの追加を行ってくれるプラグインが追加されました。
コーディング業界にもAIが浸透してきていますね。
ChatGPTを用いたSEOを行う際のメリット
ここまでのお話で、ChatGPTを用いてコンテンツの制作ができることはわかりました。
では、ChatGPTを用いてSEOを行うことについて、具体的に「何が」メリットなのか注目してみましょう。
ChatGPTを用いたSEOを行う際のメリット1.対応スピードが速い
ChatGPTにおける1番のメリットは「回答・対応スピードの速さ」ではないでしょうか。
SEO担当者でいえば、キーワードの調査だって、競合を調べたり外部ツールを用いて調整をしたり…と慣れていても物理的な時間を要します。
しかし、ChatGPTにお願いをすれば、ものすごい速さで回答が返ってきます。もちろん、内容の信憑性や裏付けを取る必要はありますが、非常に効率的です。
0~1を作ってくれるイメージですね。
ChatGPTを用いたSEOを行う際のメリット2.優秀な要約力
SEOを行う際のあるあるテーマとして、新しいお客さんの業界に馴染みがなかったり、ニッチな業界ゆえに理解が浅いということがあります。
ChatGPTを使うことで、全く知らないテーマや業界について、知り始めるきっかけになります。
また、全く知らないテーマに対して、0から自分で要約して理解することは大変な作業です。ChatGPTを用いて知りたい業界やテーマを知ることで、情報の大枠を理解することに繋がります。
一般的なテキストに限らず、プログラミングを用いたコーディング作業にも同じことがいえます。
ChatGPTを用いたSEOを行う際のメリット3.柔軟な対応力
ChatGPTは、ビジネス以外の面でも活躍してくれます。
ちょっとした悩みの相談や話し相手になってくれる点こそが、むしろChatGPTの優れた点なのではないでしょうか。
下記は、ChatGPTに話し相手になってもらった例です。
ChatGPTを用いたSEOを行う際の注意点
ChatGPTを用いたSEOを行う際のデメリット1.まだまだ不完全
ChatGPTも早くて優秀ですが、完璧ではありません。もちろん、求めている情報の難しさやプロンプトの内容にも左右されます。
生成されたコンテンツやコード例を活用するためには、途中途中で信憑性のチェックや、内容に偽りがないかの確認が必要です。
仕事の手助けや、サポートとしては大いに優秀ですが、完全にChatGPTに任せてしまうのはまだまだリスクがあると言えます。
また、情報の知識も最新ではないため、ある程度新しいテーマになると期待できるような回答は得られないでしょう。
ChatGPTを用いたSEOを行う際のデメリット2.指示の出し方に気を遣う必要がある
冒頭でもお伝えしたように、ChatGPTはあなたの命令内容が全てです。もっと掘り下げていくと、あなたの命令にも背景や意図があるはずです。
「SEOに強いコンテンツを作りたい」と命令しても、それなりに丁寧な回答をChatGPTは返してくれます。
ただ、より優秀な回答を求める場合は、「弊社はWebマーケティング会社です。自社サイトにおいて、いままでは記事コンテンツを少し作っただけで、あまり他の施策はできておりません。このような状態における弊社が、SEOに強いコンテンツを作るためには、そのようなことから行うべきでしょうか?」
というように、背景をしっかり伝えることで、求めているものに近い答えや、ヒントを得ることができるでしょう。
※指示・命令はあくまでも例です。
ChatGPTを用いたSEOを行う際のデメリット3.あっという間に時間が過ぎる
「まだ我々がChatGPTのようなAIに慣れていない」などの要因もあると思いますが、ChatGPTに良い指示を出そうと思って、たくさんやり取りを行っていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
ChatGPTの本来の目的は、仕事の効率化や補助が目的になるため、本末転倒にならないように注意をしましょう。
ChatGPTとSEO対策
ここまでの情報や結果を踏まえた上で、「ChatGPTはSEO対策を担えるのか?」という点について掘り下げていきます。
ChatGPTでSEO対策はできる?
結論からいうと、「コンテンツを作る手助けをすることはある程度できる」です。
ざっくりと、特定の概念やテーマを知る手助けにはなると思うので、知識を得るためのきっかけとしては優秀なパートナーになるかと思います。
ただし、ChatGPTの持つ知識の情報が最新ではない点や、絶対正しい情報である保証ができないため、「完全に自動化・量産」は厳しいのではないかと感じます。
工数の削減にはなるものの、本質的なSEOの巻き取りにはならないでしょう。
AIとSEOの関係性
従来「AIコンテンツは自動生成コンテンツと見なされ、ガイドラインに違反する」と見なされ、Googleの権威ジュン・ミューラーも「使いようによってはスパムになりうる」と意見していました。
しかし、「AIは悪かどうか?」論争に対して、2023年の2月にGoogleはAIコンテンツについてのガイドラインを策定し、言及をしています。
以下にGoogleの定めたAIコンテンツのポリシーを簡易的にまとめておきます。
- AIの適切な使用はガイドラインに違反しない。
- AIコンテンツを使ったからといって優遇も冷遇もされない。EEATを満たすことを意識して。
- AIに著者名を与えて、コンテンツの著者としてAIを列挙することは推奨しない。
- ただし、コンテンツ作成にAIを使用した旨は開示しておくことを推奨する。
AIが作成したコンテンツかどうか見分けるためのツール
実際に、AI用いたコンテンツかどうか見分けるツールがいくつかあります。
ただ、前提として、あくまでも「AIかどうかの判定」は一定の規則性や文章のバランスなどをもとに判定されるため、場合によっては学者さんの書いた論文などがAI判定されてしまうケースもあります。
本当にAIが書いたかどうかの判定は難しいと思っておきましょう。
判定ツール1.OpenAI公式の判定ツール
(以下公式より引用 https://platform.openai.com/ai-text-classifier)
- 最低 1,000文字、つまり約 150〜250語が必要です。
- 分類器は常に正確であるとは限りません。AI が生成したテキストと人間が書いたテキストの両方に誤ったラベルを付ける可能性があります。
- AI によって生成されたテキストは、分類器を回避するために簡単に編集できます。
- 分類器は、主に大人が書いた英語のコンテンツでトレーニングされているため、子供が書いたテキストと英語以外のテキストで間違っている可能性があります。
文字数が少し必要になりますが、公式が出しているツールという点だけで信憑性は高いです。
検索窓に1000文字以上のテキストを入力して、ボタンを押すだけで使用できる点も◎
判定ツール2.GPTZero
ブリヂストン大学の学生によって作られ、論文にChatGPTが使用されていないかどうかの判定を行うために作られたものだそうです。
こちらも最低で250文字以上のテキストが必要です。
ただし、GPTZeroはあくまでもChatGPTに特化したチェックツールで、他のAIツールを用いると制度が落ちる懸念があります。
BingのAIにはChatGPTが使われている
2023年2月7日に、米MicrosoftはOpenAIを取り入れた新しいBingの発表を行いました。
実装当時、正確性はなんともいえませんでしたが、レスの速さや新しいUI/UXの面から話題になりました。
新しいBingについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
Bingに使用されているAIはGPT-4だった
2023年3月15日に行われた「GPT-4」の発表後に、マイクロソフトが「Bingに使用しているAIはGPT-4だった」と明かしました。
Bingのバージョンでは5週間ほどはGPT-4の初期バージョンを導入していたものの、今後は正式版を検索用にカスタマイズしたバージョンへ置き換えるとのことです。
新しいBing実装時、筆者もウェイティングリストに参加し、使い倒してみましたが、新GPT-4(2023/03/15以降ver)に比べると制度がだいぶ劣るような気がしました。
ChatGPTに関するぶっちゃけ話
この記事は当初、2023年の4月に執筆を完了しました。
筆者はその後もさまざまな使い方を続けてみましたので、現状感じることや良かったこと等をぶっちゃけベースで追記しておきたいと思います。
ChatGPTぶっちゃけ話1.ライティング補助ツールとしては安定感がない
ChatGPTはある程度の「型(かた)」があれば、冒頭でもお伝えしたように「ペルソナ作成」、「ペルソナ意識の構成作成」、「執筆」と間間に人の手を入れつつもコンテンツ作成が可能です。
ただ、ある程度気を使ったプロンプトでお願いをしても、ふわふわした完成度は否めません。
特に、話の一貫性がないので、どこかで「主語がサービスの提供者側のお話なのか?」「サービスを受けるユーザー側のお話なのか?」といったような部分がばらつく傾向を感じます。
(もちろん、ある程度そういった部分の統一を含めてプロンプトを投げるべきなのでしょうけれど…)
「ChatGPTでSEOライティングは全て作り切る」というくらい全力でその作業やプロンプト作成に勤しむならともかく、日常のSEO業務の補助として使うには、やはり安定感がないように感じました。
ChatGPTぶっちゃけ話2.エクセルの先輩としては最強クラス
筆者がChatGPTを使っていて特に良いと感じたのは、「エクセル作業の補助」でした。
SEO担当業者にとって、エクセルは切ってもきれないツールです。データの加工や、集計の仕方など、さまざまなシーンで必要になるのですが、抽出したい・求めている条件に応じた関数の応用がなかなか難しいポイントでした。(ここは、担当者のリテラシーに依存するとは思うのですが…)
ChatGPTにエクセルの先輩になってもらうことで、
- 求める条件の関数を組む速さ
- エラーが生じた際のデバッグの速さ
- 単純に作業時間短縮
と良いことづくめでした。
特に「エラーが生じた際のデバッグの速さ」がよく、ある程度ChatGPT側が、「じゃあこの関数だとどうでしょう?」といった代替え案を提案してくれるので、細かな修正に悩む必要がなくなりました。
ただ、エラーが思うように解消されない場合は、根本的な指示が悪いケースも考慮してください。エラーが解消されない場合、求める条件の考え方を変えてみたり、伝え方を変えるだけで意外とあっさりエラーが解消されるケースも多いように感じました。
エクセルに対する補助としては、ChatGPTに頼る比率が多いものの、ある程度柔軟に使ってあげることがポイントですね。
ChatGPTぶっちゃけ話3.コーディング・プログラミングの「補助」が優秀
エクセルのお話と同じなんですが、ChatGPTはプログラミング系の補助も優秀です。
ただ注意点として、「ある程度その言語やプログラミングにおける記述のノリが理解できている」状態であるべきだと感じます。(完璧じゃなくても、普段見慣れている・使っているなど、「この記述はこんなことやってる」というノリがわかる程度には)
もちろん、何もわからない状態から求める結果を導くコーディング・プログラミングを記述できるのがChatGPTの凄さではあるのですが、その使い方は実務とは少しかけ離れているかな?とも感じますので。(趣味の範囲なら全然OKかと思います。)
ですので、「今あるコーディングに、ちょっとアレンジしたい・簡易的な仕様を追加したいけど、調べながらやるには重たいな」みたいな作業の補助役として活用すると、仕事がスムーズに進むでしょう。
【2023年7月追記】やっぱりちゃんと仕様を理解していないと難しいかも
先日、ChatGPTを活用してGASを書いてもらいました。
ただ、原因不明のエラーや、「特定のシーンのみエラーが生じる」などの現象がたまに起こります。
こういった際に、ChatGPTに対して「こういったエラーが生じているよ」とエラーの修正を依頼することもできるのですが、ある程度エラーに関する知識や状況を整理できないと負の無限ループに入ってしまいます。
脳死で慣れない言語のコーディングや、補助をお願いする際は十分注意してください。
ChatGPTぶっちゃけ話4.普段触らない言語や作業のハードルを下げる
ここも近い話なんですが、筆者の実例で感じたお話をします。
普段、制作周りのコーディング知識(HTML、CSS、ちょっとしたJavaScriptなど)や、WordPressを触る機会が多いので、phpのノリはわかっている。みたいな状態です。
「ちょっとGASとか組んで、ライブラリ参照して、欲しいデータの抽出とかできなかなあ」なんて思っていても、学習コストなどを踏まえるとハードルが高くなります。(時間もかかるし、実際やってみたら思いの外難しくて嫌になりそうなどの懸念)
思い切ってChatGPTにやりたいことを相談したら、クリティカルにやり方と記述を教えてくれました。(手順が非常にわかりやすい・外部のライブラリ参照など慣れない面倒そうな作業も簡易的に提案してくれるなどなど)
筆者は「あ〜、これならもう少しGASとか工夫して普段の作業効率化に勉強しようかな」って気持ちになりました。
ただ、これも前述した通りある程度コーディングやプログラムにおける文法の理解が大前提にあるからだとは思います。知っていれば、「ここを変えれば、こういう結果出せるのね」といったアウトプットができるので有意義な活用ができるかと思います。
Custom instructionsについて
2023年7月20日に、ChatGPTの応答方法をあらかじめ制御・指定できるような機能の「Custom instructions」が実装されました。(有料Ver仕様ユーザーが先行?)
Custom instructionsでは、
- 回答を依頼する自分側の説明や前提条件
- 回答するChatGPT側の振る舞いや立場などの設定
を新たに設置することができるようになりました。
【もっとわかりやすく解説】Custom instructionsって何がすごい・便利なの?
一般的に、ChatGPTを効率よく使用するためのプロンプト(指示・呪文)というものがあります。
例えば、「SEOについて解説をして欲しい」と思った際に、ただ、「SEOを解説してください」と投げるのではなく、「あなたはWebマーケティングのベテラン担当者で、私は中小企業の新人Web担当です。リテラシーの低い私にも理解できるように、わかりやすく解説してください」などと回答を求めた方がわかりやすい回答を得られるという傾向があります。
このように、自分とChatGPT側の知識レベル等を指定することで、より求めている回答の精度やボリュームを良くする動きが有識者にはありました。
ただ、この呪文を毎回設定するのは少し面倒です。そこで、今回アップデートされた「Custom instructions」で事前に設定しておくことで、「効率よく使うプロンプト」を準備したり気にする必要が無いといった動きが可能になり、一手間省けるのです。
【まともな使い方Ver】Custom instructionsの使い方 上部箇所の例
まずは、実際に使える・便利な使い方例をご紹介いたします。
まずは、上部のエリアですね。リテラシーが高く無い設定をしてみます。
”私は、入社1年目のWebマーケティング担当者です。まだ用語や業界の風習を理解できておらず、絶賛勉強中です。また、ロジカルなお話は苦手です。一度に多くのお話をされると混乱しやすいです。”
としてみます。「SEOについて教えてください」と同じ質問で、指定した場合としていない場合の回答を比べてみます。
まず、何も指定しなかった場合の一般的な回答をみてみます。
良いですね、有識者からすれば十分整理されているように感じます。
ただ、これを新卒のWebマーケティング部門に配属された方に理解してもらうには少し難しい・用語が固い感じがしますね。
では、先ほどのプロンプトを有効にした回答をみてみましょう。
わかりやすい!
用語を使わざるを得ない箇所は、用語を解説しながら、優しい表現でSEOについて解説してくれています。
お客様や後輩に対して、何か小難しい概念を噛み砕いて説明したり、資料に起こして説明するには非常に有効な機能・プロンプトですね。
【まともな使い方Ver】Custom instructionsの使い方 下部箇所の例
続いて、下部のChatGPT側に指示する条件も追加してみましょう。下記のようなプロンプトを追加しておきます。
”私が何かをお願いする際は、常にお願いすることのテーマに対して「ベテランかつプロフェッショナル」な立場として回答してください。
例えば、私が記事の執筆や構成作成をお願いする場合は、あなたはプロのライターに、旅行代理店のペルソナやアイデアを求めた場合、あなたはベテランの旅行代理店スタッフになって回答をして欲しいです。”
としてみます。これは結構どのやり取りにも共有して使用できるので、便利で使い勝手が良いかと感じます。
先ほどと、大きな変化はありません。
ただ、先ほどよりは「少し簡潔に解説して、随時分かりづらいことは聞いてくださいね」的なスタンスを感じますね。
状況に応じて、調整しつつ使ってみてください。
※プロンプトの使い勝手や感覚は個人によって異なるため、あくまでも一例としてお考えください。弊社は補助ツールとして活用例を紹介しており、AIに対するプロンプト専門業者ではありません。
【もっと自由な使い方Ver】Custom instructionsの使い方
ここまでは、実戦的な使い方を紹介してきましたが、ChatGPTの真骨頂は「対話」にあります。もう少し有意義な使い方をご紹介します。
【ハードボイルドVer】Custom instructionsプロンプト
▼元ネタ
Twitterより、@Callimiya様より拝借いたしました。
いいですね。夜更けのバーなんかでしっぽり語られている情景が浮かびます。
プロンプトは下記です。
”あなたはChatbotとして、ハードボイルドな男のロールプレイのchat botになります。 性格はとてもハードボイルドで、ドライな性格です 必ず海外の小説の名言を会話中に入れてください ユーザーに対して全てタメ口の乱暴な話し方で、「兄弟」と呼んでください”
【ゆっくりVer】Custom instructionsプロンプト
@Callimiya様は他にも、人気の「ゆっくりシリーズ」も作成されています。
これも普段、それ系の動画を見ている方にとっては、話が入りやすい感じがします。
プロンプトは下記です。
”あなたはChatbotとして、ゆっくり魔理沙とゆっくり霊夢になりきって返答をします ユーザーの質問に対して、霊夢が話題を取り上げる→魔理沙が返答する→それに対して更に霊夢が質問をする→魔理沙が返答をする、というフォーマットを繰り返して会話を行います ゆっくり霊夢の一人称は「私」で、必ずタメ口で話をします。ゆっくり魔理沙の発言に対し質問をします。 ゆっくり魔理沙は一人称は「私」で、必ずタメ口で話をし、全ての語尾に「ぜ」か「だぜ」「んだぜ」を文節に応じてつけます フォーマットは以下です ゆっくり霊夢「」 ゆっくり魔理沙「」”
Custom instructionsまとめ
人間は、話し手の表現や口調によって理解度が大きく変わるんじゃ無いかと思います。(適当)一見、堅苦しい話でもこういった口調で語られること、理解が進む可能性も…。
SEOとはどこまで関係があるか?が微妙なラインですが、非常に有意義で面白い活用方法だと思い、いくつか紹介いたしました。
※ご紹介されているアカウント様、不快に感じられましたら削除いたしますので、遠慮なくご一報ください。
自分だけのカスタマイズ機能「GPTs」
2023年の11月に、新機能として「GPTs」が発表されました。
簡単に言えば、目的に特化した専門性の高い部屋を作れ、公開できる・されているものを使用できるといった様子です。
例えば、
- プログラムにおけるコードの補助専用
- データの学習専用
- エクセルの関数専用
- 話題に対してのアイデア出し専用…etc
などなど、さまざまなテーマに合わせた専用のGPTsを作ることができるようになりました。
また、作ったGPTsは公開することが可能で、他の人が作り公開したものを利用することも可能です。
GPTsの作り方
それぞれ、
- 名前(GPTsの名前)
- 説明(GPTsは何を目的とされて作られたのか)
- 使用方法(GPTsに対するプロンプトや目的)
- 会話のきっかけ(このGPTsに対するプロンプト例をいくつか記載します)
- 知識(回答の参考にしたい知識等があれば、ファイルをアップロードします)
- 機能(GPTsが使用できる機能を制御します。外部APIとの連携も可能です)
となっています。
必要な情報を入力して公開・使用することが可能です。
※注意点として、公開を前提としている場合、個人情報や企業の情報を学習させておかないなどには十分注意してください。
GPTsの使用感とアイデア例
前提とするプロンプトの入力が省けるので、やり取りが少しスムーズになった印象です。
自分で作るにはそれなりのノウハウと、課題解決のためのイメージがクリアでないと、「別に普段のChatGPTでよくない?」となりがちなので、公開されているものを使う前提の方が良いかもしれません。
他者様のなるほどGPTs例▼
- カメラの写真を載せるとそれに合うレンズを提案してくれるGPTs
- テーマを入力すると、イメージキャラクター画像を生成してくれるGPTs
- 資格試験等のための過去問を出題してくれるGPTs
- 孫子の兵法を学習したAIが相談にのってくれるGPTs
- 冷蔵庫の中身を管理させ、レシピ等を提案してくれるGPTs 製作者様
(個人的にこれ感動したので非公開のようですが、製作者様のリンクを掲載しておきます。)…etc
調べているうちに、面白くなってきてしまったのでこの辺にしておきます。
非常に皆様柔らかい思考をお持ちで、実に使ってみたGPTsが山ほどありました。
SEOを意識したコンテンツの作成はココログラフにお任せください!
ChatGPTは今後も進化していくでしょう。
しかし、2023年4月時では、イーロンマスクによって「6ヶ月はAIの訓練を止めてくれ」と警鐘が鳴らされています。AIの進化スピードが早すぎて、不測の事態に人類が対応できない懸念などが要因となっているようです。
ChatGPTにおいては様々なケースを試し、使い方を理解しておく一方で、急激な進化のためにChatGPTが利用停止となる恐れも考慮して、ChatGPTに依存し過ぎないブレーキも持ち合わせておく必要がありそうです。
また、ChatGPTだけでコンテンツの量産はまだまだ難しいのが現状です。ココログラフでは、人間にしかない魅力的なSEO思考でコンテンツ作成支援も行っております。
ココログラフではSEOではなく「SUO」を行います。
弊社ではSEO対策における、SEO(Search “E”ngine Optimization)をSUO(Search “U”ser Optimization)と呼んでいます。
「検索エンジンに向けた上辺だけのコンテンツ作成だけでなく、人に対して行う本質的なマーケティング施策を行いましょう」という意図を大切にしています。
独自開発のレポートで一目で状況がわかる!
ココミルレポートは、ココログラフが開発したレポートです。
人やエリアなどの検索状況に応じて変化するパーソナライズな検索結果に対応し、サイトに発生している全てのキーワードの順位・表示回数・クリックをレポート化し、コンバージョンに貢献しているページと、そのSEOの貢献度を可視化しています。
SUOにおいて、キーワード単体の順位状況をレポート化することに意味はありません。サイト全体でどんなユーザーのどんなニーズに対応できていて、どのような人がコンバージョンするのかに焦点をおいたレポートを行います。
▼ココミルレポートについて詳しくみる
ココログラフの実績
下記は、弊社の実績例になります。
月額制のしっかりしたコンサルティングはもちろん、スポットでのちょっとしたご相談も大歓迎です。
お気軽にご相談ください。