- アンカーテキストにはリンク先のキーワードを含める
- リンク先に指定するURLは統一したものに絞る
- 重要なページに向けて内部リンクを多く集める
- ナビゲーションではリストを意味するulタグを使用する
- グローバルナビゲーションのリンク先は重要ページに
- パンくずリストは構造化データでマークアップする
このページに書いてあること
内部リンク設置のポイント
Webサイト内のWebページどうしのリンクには、大きく2つの役割があります。まず、ユーザーと検索エンジンのクローラーがWebサイト内を見て回るための道としての役割と、Webサイト内の構造をユーザーと検索エンジンに伝えるという役割です。いずれの役割も、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても欠かせない、重要なものです。
こうした内部リンクを設置する際、どのWebページからどのWebぺージに向けてリンクを貼るのかに注意する必要があります。1つには、ユーザビリティの向上における直接的なポイントとなるからです。もう1つには、各ページのコンテンツとWebサイトの構造がどのようになっているのかを、検索エンジンに適切に伝えるポイントとなるからです。
具体的にコツを解説すると、まずはリンクのテキストであるアンカーテキストに、キーワードをしっかりと含ませることです。そして、リンク先には正規のURLを指定するということも欠かせません。
さらに、関連性の高いWebページ同士をしっかりとリンクでつなげ合うということと、重要なページに向けてWebサイト内からも多くのリンクを集めるということもおさえましょう。この4点をしっかりと考慮し、Webサイト内のリンク構造を設計する必要があります。
アンカーテキストについて理解しよう
アンカーテキストとは、リンクとなっている部分のテキストのことです。
HTML例
<a href="url"></a>
Code language: HTML, XML (xml)
HTMLでいえば、上記などのaタグ(アンカー)で囲まれた、テキスト部分のことです。このアンカーテキストは、ユーザーと検索エンジンの両方に、リンク先のWebページがどのようなものであるかという情報を伝えている。
Webサイト内に設置されている内部リンクの場合でも、外部サイトからの外部リンクの場合でも、アンカーテキストが適切であれば、ユーザーと検索エンジンのどちらにとっても、リンク先のWebページがどのような内容なのかが理解しやすくなります。アンカーテキストは、ちょうど道路標識のように、この先に何があるのかを明確に指し示すものといってよいでしょう。
アンカーテキストの例
<a href="url">SEOの最新常識</a>
Code language: HTML, XML (xml)
たとえば、このようにアンカーテキストを設置すれば、リンク先が「SEOの最新常識」について書かれているWebページであると理解できるでしょう。これはユーザーだけでなく検索エンジンにとっても同様です。かんたんにいえば、「SEO」、「最新」、「常識」といったキーワードに適合することになるため、検索エンジンがそのキーワードにおける評価を上げてくれるとイメージして構いません。
キーワードを必ず含める
アンカーテキストは、SEOを考えるうえで非常に重要なものです。そのためWebサイト内にリンクを設置する際、十分にキーワードを意識して設定しましょう。
たとえば「料金」のWebページに向けてのリンクを設置する場合は、必ずアンカーテキストに「料金」というキーワードを含ませて、検索エンジンに向けてリンク先のWebページが「料金」に関するページであると伝える必要があります。したがって、「こちら」や「ここをクリック」のようなアンカーテキストは望ましくありません。このように設定してしまうと、検索エンジンがリンク先がどのようなWebページであるか理解できなくなってしまいます。アンカーテキスト内にリンク先を示すキーワードを含ませるように、しっかりと意識しましょう。
正規のURLにリンクされているか確認しよう
内部リンクでは、リンク先に正規のURLが指定されるように気を付ける必要があります。正規のURLとは、かんたんにいうと代表となるURLということです。「www」の有無や、「index.html」など、あってもなくても同じWebページが表示できるURLというのが複数存在する場合がありますが、このURLが統一されていないと好ましくありません。複数のURLが存在する状況であっても、代表となるURLを統一してリンクを貼れば、検索エンジンにリンク先のURLをしっかりと伝えることができます01。
リダイレクトなどの転送設定がされていればWebページの遷移は問題なく行われますが、SEOを考える場合、正規のURLに直接リンクされていたほうがよいでしょう。
内部リンクの数=コンテンツの重要度
検索エンジンは、リンクが多く集まっているWebページを重要なWebページと認識します。つまり、検索結果で上位に表示させたいWebページに対しては、Webサイト内からもリンクを多く集める必要があります。
たとえば、トップページは重要なWebページの筆頭です。ほとんどのWebサイトでは、すべてのWebページからトップページへのリンクが貼られています。なぜなら、トップページ自体が各ページへとつながるハブであり、トップページに戻ることができないと、ほかのWebページに遷移できないなど、Webサイトとしての使い勝手も悪くなるからです。こうしてリンクを多く集めているトップページは、検索エンジンから重要なWebページとして認識されることになります。
トップページ以外の重要なWebページにも、こうしてリンクを集めておきましょう。このような内部リンク構造を作るためには、Webサイト内のナビゲーションや、パンくずリスト(前記事参照SEOを意識したページ構築のポイント)などの設置が有効です。とくにパンくずリストは、Webサイトの構造を検索エンジンに的確に伝えるという役割もある非常に重要なものですが、カテゴリ構成等をしっかり作り込んでおくと、検索エンジンに各ページの上下関係を正確に伝えることができます。このように各ページの上下関係が明確になっていると、上層ページのキーワードと下層ページのキーワードを複合させた検索キーワードでの表示順位を高められることも覚えておきましょう。
内部リンクを効果的に機能させるためには、ナビゲーションが欠かせません。
ナビゲーションにはさまざまな種類がありますが、次はグローバルナビゲーションとパンくずリストを中心に、
活用ポイントを紹介していきます。
ナビゲーションの基本
前半は内部リンクについて解説しましたが、内部リンクを効果的に配置するためには、ナビゲーションの活用が重要です。ナビゲーションとは、Webサイト内のページに共通するリンクメニューのことで、すべてのページに共通する「グローバルナビゲーション」や、ページの側面に表示される「サイドバーナビゲーション」、階層順にリンクを示す「パンくずリスト」などが代表的なものです。
グローバルナビゲーションの設置方法
グローバルナビゲーションは、Webサイトのすべてのページの上部や下部に設置される、もっともポピュラーなナビゲーションである。たとえば企業のWebサイトなどでは、「サービス」、「料金」、「会社概要」、「お問い合わせ」といった項目が並んでいる部分です。前述したとおり、検索エンジンは、内部リンクが多く集まっているWebページを重要なWebページだと判断します。つまり、すべてのWebページに共通して設置されるグローバルナビゲーションのリンク先は、それだけで重要なWebページだという判断を下されることになります。そのため、グローバルナビゲーションに掲載するページは、重要度を考慮して慎重に選びましょう。
グローバルナビゲーションの設置では、順序のないリストを表示するulタグを使用することを推奨します。デザイン上は、段落を表現するpタグなどでも記述することが可能ですが、ナビゲーションはリンクのリストであることから、あくまでリストを意味するulタグを使うことが一般的です。検索エンジンもそのように認識するためulタグで記述することによって、これがナビゲーションであることをしっかりと伝えましょう。
また、設置場所としてはheaderタグ内が望ましいです。headerタグは最新のHTML5から使用することができるようになったが、そもそもheaderタグ自体が、ナビゲーションなどを示すために設けられたものだからです。ここにグローバルナビゲーションを設置すれば、基本的にはすべてのページで共通のリンクメニューであるということを、検索エンジンに伝えることができます。当たり前の場所に当たり前のコンテンツがあることが、検索エンジンにとってわかりやすいWebサイトを構成するポイントなのです。
パンくずリストの役割
パンくずリストとは、ユーザーがWebサイト内のどこいるのかを分かりやすくするため、上位の階層となるWebページを階層順に並べ、リンクとして設置されたリストのことです。基本的には、コンテンツの上部に掲載されていることが多いです。
検索エンジンからWebサイトを訪れるユーザーの場合、Webサイトのトップページに訪れるとは限らない。なぜなら検索キーワードによっては、検索結果にWebサイトの下層ページが表示される場合も少なくないからです。初めてユーザーにWebサイトを訪問してもらった場合、そのページがWebサイト内のどのカテゴリに属しているのかわからないが、パンくずリストという手がかりが掲載されていれば、こうした問題を解決できます。
SEOを考えるうえでも、パンくずリストは非常に重要です。先ほど触れたように、パンくずリストで各ページの上下関係を示すことで、検索エンジンにWebサイトの構造を適切に伝えることができるからです。さらに、カテゴリ分けがしっかりと整えられているWebサイトの場合、アンカーテキストにリンク先ページのキーワードを含めることが容易に実現できるので、ユーザーにも検索エンジンにも、各ページのテーマを分かりやすく伝えることができます。
パンくずリストを構造化データで設置する
パンくずリストはその名のとおり、リストです。そのためグローバルナビゲーション同様、HTMLではulタグを使用するこが望ましいです。ただしここでは、通常のHTMLのマークアップではなく、「構造化データ」という特殊なデータを使ってマークアップする方法を紹介していきます。
構造化データとは、HTMLで記述されている情報を、検索エンジンのようなロボットでも理解できるように意味付けするメタデータのことです。そのため、構造化データを使用することで、検索エンジンにパンくずリストであるということをより正確に伝えることが可能になります。構造化データにはさまざまな種類とプロパティがあるが、詳細についてはまた、今後の記事にて解説します。
具体的な設置例としては、 画像②を見てみましょう。ここでは、schema.orgという仕様のmicrodataという形式を使って記述しています。なお、schema.orgではJSON-LDという形式も使用できるが、JSON-LDでは別途通常のHTMLでパンくずリストを記述しなければならない点に注意が必要です。JSON-LDのコードはHTMLのどこに挿入してもよいですが、headタグ内かパンくずリストの近くがよいでしょう。
環境に合わせて書き換える必要があるのは、リンク先のURL、アンカーテキスト、metaタグのcontent属性の3つです。リンク先のURLは、ここでは「https://sitename.com/arts」 や「https://sitename.com/arts/books」などに該当する。アンカーテキストは、ここでは「芸術」や「本」などのことです。metaタグのcontent属性はパンくずリストの順番を意味し、「1」から順に指定していきます。
このように、構造化データを使ってパンくずリストをマークアップすることが、今後のスタンダードになっていくといわれています。単純なHTMLよりも少し難しく感じられるかもしれないが、ぜひともマスターしておきましょう。