マーケティング担当の方や、社内で新しくWeb担当になった方が避けては通れない悩みとして、「うちの会社のサイト、SEO対策ちゃんとやっておいてね!」「SEO対策に力を入れて、会社のサイトへの流入を増やしたいんだけれど…」なんて言われることではないでしょうか。
「そもそもSEOってなんだろう…」「SEO対策をやるにも、何から手をつけたら良いのだろう…」なんて思いますよね。
今回は、検索エンジンを使った集客支援サービスとして提供している私たちが、初心者向けに「SEO」の基礎知識を、超分かりやすく簡単に解説していきます。
- SEOとは、検索結果のページに上位表示をさせるための総称
- SEOの目的は『そのサイトの目標を達成してくれるユーザーを集める』こと
- 検索意図を理解して、ユーザーが本当に必要な情報を見極めて提供し続けること
このページに書いてあること
SEOとは?検索エンジンに対してサイトの最適化を行うこと
SEOとは、Search Engine Optimization(サーチ エンジン オプティマイゼーション)の略で、直訳すると『検索エンジン最適化』です。
検索エンジンとは「Google」や「Yahoo」のことです。例えば、何かを調べたい時に検索窓に向かって文字を打ち込みます。検索結果には、Webサイトが一覧表示されますが、多くの人は上から順番にサイトを見るので、上位に掲載されたサイトの方が多くの集客ができます。
つまり、表示の掲載順が集客に大きな影響を与えるということです。
検索エンジンには、「アルゴリズム」と言われる、掲載順位を決めるルールのようなものがあり、そのルールに合わせてサイトを構築・運営することによって上位に表示される可能性が高くなります。
つまり、SEOとは集客を増やすために検索エンジンの仕組みに合わせてサイトを最適化し、上位表示させることによって集客を増やす施策です。
SEOは必要?実際のデータから見る検索エンジンとの関係性
京都大学の調査では、20代〜50代で93.7%のユーザーが日常的に検索エンジンを使っていると回答しています。
2020年の日本の人口から、20代〜50代の人口を算出すると、6,143万人となり、その93.7%なら、約5,756万人となります。
人口 | |
---|---|
20代 | 1,271万人 |
30代 | 1,394万人 |
40代 | 1,814万人 |
50代 | 1,664万人 |
合計 | 6,143万人 |
検索エンジン利用ユーザー数 | 約5,756万人 |
日本国内だけでも日々これだけのユーザーが利用するのが検索エンジンというサービスなのですから、SEOはとても重要視されています。
実際、企業のマーケティング担当者350名に対して行われた、ソウルドアウト株式会社のアンケート調査では、「マーケティング・販売促進施策の中で最も効果があったと感じた施策」の回答で、SEOが最大票を獲得しています。
マーケティングの現場においてSEOが欠かせない施策になっていることがわかると思います。
SEO施策を行うべき検索エンジンは?Googleだけ対策しておけば問題ない?
検索エンジンには、日本では一般的にGoogle、Yahoo!Japan、Bingなど、いくつかの種類がありますが、Statcounterの調査では、2021年6月〜2022年6月の期間でそれぞれのシェアは、Googleがトップで76.22%となっており、圧倒的です。
Yahoo! | bing | その他 | ||
---|---|---|---|---|
シェア | 76.22% | 18.29% | 4.99% | 0.5% |
前述の検索エンジンの利用者数を割り出すと、Googleのユーザーが4,524.2万人となり、Googleだけで日本の人口の1/3をカバーできるであろうことがわかりますね。
Yahoo! | bing | その他 | |
---|---|---|---|
4,387.2万人 | 1,052.7万人 | 287.2万人 | 28.8万人 |
上記のユーザー数を見れば明らかですが、日本国内のSEOにおいてはGoogleの検索エンジンを対象に行うことがほとんどです。
Yahoo!Japanも、実はGoogleをベースにした検索結果を表示するようになっているため、Googleで上位表示できればYahoo!Japanでも上位表示されます。
GoogleとYahoo!Japanで約95%のシェアを持っているため、GoogleのSEOだけ押さえておけばいいということがわかるでしょう。
SEOの目的は順位を上げることではない
SEOの本質的な目標(ゴール)としては、『上位表示』ではありません。SEOの目的は『そのサイトの目的達成数を増やす』ということです。
冒頭でも、SEOは検索上位表示をする施策と伝えましたが、これは手段であって目的ではありません。
実際に、「集客はできるようになったけど、売り上げは上がらないんです」などのご相談をいただくことがあります。上位表示をすることで、集客はできるようになるかもしれませんが、サイトがただ見られるだけでは意味がありません。
サイトの目的を達成できて、初めて効果があったということになります。
SEOをやっていると、いつの間にかKPI(重要業績評価指標)であるはずの上位表示が目的になってしまって、本質を見失ってしまうということがよくあります。
本質的には、SEOでもそれ以外の集客施策でも、『そのサイトの成約を増やす』ことが目的で、上位表示できればいいというわけではないはずなので、それを忘れないようにしましょう。
サイトの目的を達成してくれるユーザーが探しているコンテンツを持つ
さて、本題に戻りますが、サイトの成約というのは、下記のようなものが一般的かと思います。
- サービスの問い合わせ
- 資料請求
- 売上発生(販売)
上位表示を目的にしてしまうと、検索順位を向上させるためのテクニックや、アルゴリズムのハックに注力してしまいがちです。しかし、これらはアルゴリズムが変わってしまうと、全く意味がなくなってしまいます。
上位表示ではなく、成約を増やすという意味合いでSEOと向き合うと、視点が変わり様々なことが見えてきます。
例えば、『ウェブマーケティング会社』 というキーワードで、1位に表示されているサイトが1日1,000人のSEO集客をしているとし、あなたのサイトは2位で1日700人の集客ができていたとします。
そこで、仮に検索結果に表示されているタイトルと説明文の改善を行い、1位のサイトの集客を奪い、2位のままでも1,200人の集客できたとしたら、単純に1位になるよりもメリットがありませんか?
このような、検索結果におけるタイトルと説明文の改善もSEOと言えます。
また、SEO経由の成約率が0.5%だったとして、流入キーワードのユーザー分析を行い、成約率を0.7%まで改善できたら、順位が変わらなかったとしても、成約数は1.4倍に増えたということになりますが、それもまた検索エンジン経由のユーザーに最適化したと言うことですので、SEOと言えますね。
上記は例ですが、このように、流入元が検索エンジン経由であるユーザーからの成約数を増やすことが目的で、そのためにできること全てがSEOになるということなんです。
どうすればサイトの目標を達成してくれるユーザーを集めることができるのか。
最も基本的な考え方は、『サイトの目的を達成してくれるユーザーが探しているコンテンツを持つ』と言うことです。
これはSEOに限らず、マーケティング全般に言えることですが、あなたの提供できる情報やサービスのコンテンツと、それを求めている人とのマッチングを行うということになります。
【まずはここから】とりあえずから始めるSEO対策
小難しい背景や、うんちくも必要なんですが、SEOには対応して行くスピード感も大切です。とにかく始めたい・始めないといけないといった方向けに簡単にまとめましたので、早速実装してみてください。
中長期目線でしっかりとSEO対策を理解したい方は、後述しているポイントや内容もぜひ熟読してください。
とりあえずから始めるSEO対策1.タイトルの調整
この記事を読んでいて、SEO対策をしたいページ・サイトは何を語っていますか?どんなキーワードで検索して欲しいですか?
サイト・ページのタイトルはとっても重要な指標になります。
まずは
- 伝えたい内容や検索されたいキーワードが含まれているか?
- クリックしたくなるようなタイトルになっているか?
- 言いたいことの軸を絞り、整理されているか?
を意識してください。
良い例>「SEO対策とは?すぐにできる対応方法やトレンドのAI活用についても網羅します」
悪い例>「SEO対策の内部対策と外部対策を解説しつつ、記事の書き方やタイトルの付け方まで全て詳しく解説ていきます。」
とりあえずから始めるSEO対策2.descriptionタグの調整
後述していますが、descriptionタグとは、検索結果のサイト名の下に表示されている説明文のことです。
文字数は近年80文字前後で表示されることが多いです。
この説明文は、あってもなくてもランキングに関係ありませんし、Googleが勝手にサイトの中身を見て出力してくれるケースもあります。
しかし、自身で考えて狙った説明文を表示してあげる方がクリック率の変化にもつながるため、ページの中身をしっかり整理したわかりやすい説明文を用意しておきましょう。
とりあえずから始めるSEO対策3.掲載している情報は新しいかどうか?
当たり前ですが、クリックしたサイトの内容が古かったらがっかりです。
特に、専門性の高い情報等は情報の鮮度がシビアですので、掲載している内容が新しいものかどうか?をしっかり確認しておきましょう。
それだけでもサイトのコンテンツの質が大きく変わってくるでしょう。
とりあえずから始めるSEO対策4.関連ページ同士の内部リンク
サイト内で関連するページがあれば内部リンクをお互いに設置しておいてあげましょう。
ユーザーにとって使い勝手が良くなるだけでなく、検索エンジンもページの存在や価値を判断するきっかけになります。
▼内部リンク設置の具体例
軸ページ:「SEOとは?」の記事内に設置する内部リンクページ「内部対策とは?の記事」が「外部対策とは?の記事」など。
とりあえずから始めるSEO対策5.上位サイト・競合サイトを研究する
細かな調査は我々のような専門家が必要になりますが、自身が上位に表示したいと考えているキーワードで検索をした際に、上位に表示されている競合サイトを研究してみましょう。
おそらく、パッと見ただけでもわかることがたくさんあると思います。
- コンテンツの量が多い
- デザインが見やすい
- サイトの使い勝手が便利
…などなど。
サイトを動かす予算やリソースの問題はあるかと思いますが、感じた差をピックアップしておき、自社であればどこから改善を進めるべきなのか?を考えて行くことが大切です。
とりあえずでもSEO対策を始めてみる
サイトを動かして行くことで、わかることも多く、ノウハウも蓄積して行くでしょう。
まずは、「自社のサイトに対して何かSEO対策をやってみたい」という方は上記をチェックしてみてください。
ここからは、また細かな内容について解説してきます。
※最後まで読んだ上で行動を起こす方が、より効果を得られる可能性が高いです。
検索エンジンの基本的な仕組み
ここからは、検索エンジンがどのような仕組みで検索結果を作っているかを理解していきましょう。
まず、どのような流れでコンテンツを評価しているのかをご説明します。
Googleの検索エンジンが順位を決めるステップを簡単に説明すると、下記のような流れになります。
なんだか難しい言葉が出てきましたね。
厳密にはもっと細かいのですが、簡単に言うとこんな流れだと思ってもらえれば、現段階ではOKです。
内容について順番に説明していきます。
クロールとは
クロールとは、検索エンジンのロボットがサイトを徘徊することです。
Googleのロボットは『Googlebot』(グーグルボット)といい、Googleが認知しているURLを定期的に徘徊しています。
このクロールによって検索エンジンはコンテンツの内容をざっくり把握します。
ここで重要なのは
- Googleは認知しているURLしかクロールできない
- Googleがクロールのしやすい環境を整えておく
ということです。
例え世界中のサイトをクロールしているGoogleと言えども、知らないURLを突然訪れるすることはできません。
しっかりとGoogleにURLの存在を伝えることができなければ、SEOの最初のステップであるクロールをしてもらうことができないのです。
ではどうするかということですが、下記のような方法で検索エンジンに対してURLを知らせることができます。
- Googleが既に認識しているURLにクロールして欲しいURLへのリンクを貼る
- 検索エンジン用のサイトマップにURLを掲載し、Googleに申請する
【2022/4/27日更新情報】
Googleのジョンミューラーは、3月のSEO Office Hoursにて、
インデックス登録をリクエストすることに不利な点はないが、何のシグナルも情報もない新しいサイトだとしたら、少なくとも URL を伝える取っ掛かりにはなるとしても、その URL を Google が取得する保証はない。
知り合いに頼んで、その人のサイトからリンクを張ってもらうのがいい。
https://youtu.be/lMc456P2fLs
と話していました。少しジョーク要素も入っているようです。ただ、グーグルに新しいサイトを発見してもらうには外部リンクの方が、リクエストよりも役に立つようです。
クロールのために他にはできることは?
また、検索エンジンがクロールしやすい環境も整えておくといいですね。
例えば、下記のようなサイトは人間でもみづらいですが、このようなサイトは検索エンジンもクロールがしづらくなってしまいます。
- リンク切れがたくさんあって訪れても見れないURLがたくさん存在している
- サーバーのエラーが頻発する
- サイトの表示がとても重い
クロールについても、深掘りすると話が脱線するので別の記事で詳しく説明しますね。
無事にURLを認識、クロールしてもらえたら次のインデックスのステップに進みます。
インデックスとは
インデックスとは、検索エンジンにページを記憶してもらうことです。
Googleはクロールした際、検索結果に出すかもしれないな、と思ったURLを記憶します。
もちろん、記憶したURLでないと、検索結果に表示はされません。
クロールしてもらったとしても、インデックスされないこともあります。
例えば、下記ようなURLについては、インデックスがされないかもしれません。
- 内容が薄く価値がない
- 他のコンテンツと似ているか同じ内容
- クロールに問題のあるURL
インデックスの状況については、後ほど解説するGoogle SearchConsole(サーチコンソール)で確認することができます。
「インデックスカバレッジって?」という人へ
インデックスされたら、次はアルゴリズムによる評価のステップに進みます。
内部対策
内部対策とは、サイト内に洗練されたユーザーの求めている情報が掲載してあり、検索エンジンにとっても理解がしやすいようにサイトの構成を整えておくことです。
ざっくり一言で言うと『いいサイトにしましょう』ということです。
内部対策は検索エンジン向けに行うべき内部施策(クローラビリティの改善)と、ユーザーに向けた内部施策に分けることができます。
検索エンジンに向けたSEO内部施策
先ほどお伝えしたように、そもそも、「サイトがユーザーに見やすい」「ユーザーの求めている情報の掲載」などの話以前に、まずは検索結果にWebサイトが表示されなければいけません。また、すでに表示されていて中身のコンテンツをリニューアルしたとしても、検索エンジンにサイトを更新した旨を知ってもらう必要があります。
ここでは検索エンジン向けの内部施策について解説していきます。
検索エンジン向け内部施策1. コンテンツ・ページの質を高める
これは検索エンジンだけでなく、ユーザーへの施策という意味合いでも同じことが言えます。
- 他サイトを丸々コピー
- 内容が少なすぎる
- 情報の信憑性がなさすぎる
などは言うまでもなく論外です。
上位に表示されている競合サイトを参考に内容を寄せていくのはある程度仕方がないことだと思いますが、その上で自身の考えや体験など一次情報を盛り込んだ上でオリジナリティのあるコンテンツを作成することが大切です。
また、検索ユーザーの検索意図をしっかりと汲んで読み手にとってよりよいコンテンツを作ることも重要です。
2021年現在、非常にこの「コンテンツの質の高さ」というものが問われており、「なぜかインデックスされない!」などという声もよく耳にします。
まずは、良い情報を提供することを大前提にコンテンツ作成に臨みましょう。
検索エンジン向け内部施策2. XMLサイトマップを作成して送信する
クローラーはXMLサイトマップに登録されているURLをもとにページを順繰り確認していきます。必ずしもXMLサイトマップに記述してあるからといって、すべてのURLが確認されるわけではありませんが重要なぺページや必要なページは記述してXMLサイトマップを作成しておくようにしましょう。
※1.クローラー
クローラーとは、インターネットにあるサイトや掲載されている画像などの情報を取得し、自動的に検索データベースを作成する巡回プログラムのことを指します。SEOにおいてはサイトを評価するために来てくれるロボットと認識しておきましょう。
※2.XMLサイトマップ
XMLサイトマップとは、サイト内の構造や画像などを含むコンテンツを検索エンジンに効率よく理解してもらうためのファイルでのことを指します。
▼グーグル公式も参照してください。
検索エンジン向け内部施策3. robots.txtの設定
robots.txtは検索エンジンのクローラーを制御することができるファイルのことです。
このファイルを用意することで、クロールが必要なページのクロール頻度を上げることができます。
具体的には、
- クロールが必要ないページとクロールしてほしいページを指定して、無駄なクロールが発生しないように制御するため。
- XMLサイトマップの場所をクローラーに伝えるため。
がrobots.txtの役割です。
そもそもですが、クローラーは1回サイトに来ただけでは、サイト内全てのページをクロールするわけではありません。
※1.画像内記述の意味
user-agent・・・制御したいクローラーを記述する文言「*」の「場合は来るもの拒まず状態」基本はこの設定でOKです。
Disallow・・・クロールを制御するページの指定。特定のページやディレクトリを指定する際に記述が必要です。「/」としてしまうと全てのページにクロールの制御がされてしまうので注意してください。
Sitemap・・・xml拡張子のサイトマップを書きます。なくても問題ないですが、記述した方がクロールしてもらいやすい気がします。
※2.クローラーが1回の訪問でクロールすることができる(もしくはする)ページ数の容量のことをクロールバジェットなどと称しますが、その容量の限度はサイトの権威性によって変動していて、そのクロールバジェットよりもページ数が多いサイトは、1回の訪問で全てのページがクロールされないようです。
そうなってしまうと、検索エンジンにインデックスされるのが遅くなってしまう、古い情報のまま更新されないなどの恐れも考えられます。
このような状態になるのを防ぐために、robots.txtでクローラーを制御しておきましょう。
検索エンジン向け内部施策4. 内部リンクを適切に設置する
サイト内の内部リンクはクローラーがページを徘徊する上でページをみつける手がかりとなります。各ページごとに関連した内部リンクを適切に設置することを心がけましょう。
なぜなら、Googleの検索エンジンはhref 属性が指定されたaタグのみ、リンクを辿ることができるためです。
悪い例
詳しくはこのページをみてください!の「このページ」にリンクが貼られている。
(「このページ」では、クローラーはリンク先が何か理解できない)
良い例
詳しくは「SEOの基本を詳しく解説」のページを見て下さい!
(リンク先のテキストを明記することで、クローラーはリンク先がSEOの基本について記載されていると認識することができる。)
検索エンジン向け内部施策5. パンくずリストを設置する
パンくずリストがあることで、検索エンジンが内部リンクを辿りやすくなり、サイトに訪れているユーザーも自分が現在いる階層を理解することができます。
WordPressを使用されている方であれば、現在はプラグインで簡単に導入が可能なものも多いので、チェックしてみてください。私は「YoastSEO」がおすすめです。
また、パンくずリストは上にあっても下にあってもSEOに影響することはありませんが、上にある方がユーザーには親切でしょう。
▼※1.パンくずリストのイメージ画像
諸説ありますが、童話「ヘンゼルとグレーテル」にて、森の中で道に迷わないためにパンをちぎって落とすことで目印にしていた様子から「パンくずリスト」と名付けられたとも言われています。
パンくずリストは、設置することで内部リンクを自然に増やすこともできるため、大切な要素です。
検索エンジン向け内部施策6. URLの正規化を適切に行う
URLを正しく正規化することで、ページの評価が分散してしまうリスクを回避しましょう。
例えば、販売サイトであれば、「同じモデルの商品の色違いページ」などが重なると思いますが、正しく正規化を行わないと、重複コンテンツ・ミラーコンテンツとしてGoogleが評価をしてくれない恐れがあります。
これらのリスクを回避するために、下記いずれかの方法で正規のURLを指定することが重要です。
- rel=”canonical” リンクタグを使用する
- rel=”canonical” HTTP ヘッダーを使用する
- サイトマップにはオリジナルのページのURLのみ記載
色違いの例で話を進めると、大元の商品ページが「正しいオリジナルページです」と検索エンジンに伝えることが必要になります。「canonicalタグ」などで、正規化を行い、XMLサイトマップからは色違いページは削除しましょう。
※1.リンクタグの例
HTMLファイル内のhead内に記載
<link rel="canonical" href="http://seo-shosinsha.jp" />
Code language: HTML, XML (xml)
HTTPヘッダーの記載例
よく記載されている例ですが、HTML以外での正規化が必要な場合(pdfファイルなどのケース)
.htaccessに記載
Link: <http://www.example.com/hoge/dl-content.pdf>;rel=”canonical”
検索エンジン向け内部施策7. サーバーの負荷を減らす
サーバーの最適化も重要な内部施策です。
基本的な部分で言うと、
- PHPのバージョンを更新しておく
- ロードバランサーなどの負荷を分散させる機能を活用
- クラウドフレアをはじめとした、CDNを活用
などがサーバーの最適化に繋がります。
サーバーの負荷が減ることで、応答速度が早くなり、検索エンジンもクロールが快適になります。
※公式でも、サーバーの負荷がかかると、クロールバジェットの上限が下がり頻度も減ると記載されています。
※1.PHP
htmlで生成されたサイトのことを「静的」と表現します。それに対してWordPressなどのサイトのことを「動的」と呼びます。PHPは掲示板・問い合わせフォーム・ショッピングカートなど、動的なWebページの生成が必要なさまざまなアプリケーションで使われます。たとえば問い合わせフォームでユーザーが入力した内容やショッピングカートでユーザーが購入した商品の種類や数によって確認画面などで表示される内容が変わりますが、これらはPHPの処理によって実現するものです。
※2.CDN
CDNとは「Content Delivery Network(コンテンツデリバリーネットワーク)」の略で、ウェブコンテンツを効率的かつスピーディーに配信できるように工夫されたネットワークのことでを指します。
極端な例を挙げるます。アクセスをしたいユーザーに対して、見たいサイトのサーバーが東京にあるとしましょう。国内にいるユーザーであれば、まだ問題ないでしょう。それが裏側のブラジルにいるユーザーからすると物理的な距離によって表示までの時間がかかってしまいます。
その問題を解決するために、東京都とブラジルの中継地点にあるサーバーを使用することで、実際の距離よりも短い距離で通信を行うことが可能になります。それがCDNです。
(ものすごく極端な例えなので、詳しく知りたい方は「CDNとは」などで検索してみてください。)
検索エンジン向け内部施策8. 内部エラーを極力減らしておく
例えば、途中で404エラーがあって行き止まりになってしまったり、繰り返しリダイレクト(転送)が行われていたり、内部リンクが設置されていないなど、クローラーにとっては動きづらいサイトとして、最後まで隅までページをチェックしてもらえない恐れがあります。
エラーが少なく、クローラが巡回しやすいサイトであることが、ページを隅から隅まで巡回してもらい、評価してもらえるチャンスを増やすきっかけになります。
また、検索エンジンだけでなくユーザーがサイトを見ていた際も、エラーが多いと小さなストレスを与えてしまったり、「このサイトエラーページばっかりで大丈夫かな?」などと信用を損ねてしまいます。
【特に注意して直すべき内部エラー】
- 404エラーを起こしているページの放置
- 繰り返し行われているリダイレクト
- 内部リンクが設置されていないページの存在
- httpsページとhttpページが混合している
- リダイレクトURLへリンクされていたり、リンク先のページが404エラーなど
- サイトマップ周りのエラー
検索エンジン向け内部施策9. 構造化データを活用する
SEO初心者の方でもわかりやすくお伝えすると、検索エンジンに理解を促すために追記するタグのことを指します。
例えば、検索エンジンに対して、「ココログラフ」という文字列をただの文字列として認識させるのではなく、「これは私たちの会社の名前ですよ」と伝えることが目的です。
大きなメリットとして、前述した通り検索エンジンに対して、より理解を促す目的があります。
そして、もう一つは検索結果にリッチスニペットが表示されるチャンスが生まれます。
書き方は少し難しいと思いますが、正しく欠けているかどうか判断してくれるリッチリザルトテストというツールもGoogleが提供しています。
その他、詳細はGoogle公式のアナウンスをご覧ください。
※1.リッチスニペット
リッチスニペットとは、ユーザーが検索結果画面からどのページをクリックするか、その判断を助けるための視覚的にページ内容が想像できるような情報を指します。
該当のページがクロールがされているか、サーチコンソールを使用して確認する
検索エンジン向けに様々な施策を打ったところで、適切にクロールをしてくれているかを確認する方法を紹介しておきます。
今回は、ページ単位で確認する方法を紹介します。
まずは、サーチコンソールにアクセスし、左メニューの「URL検査」をクリックしましょう。
クリックすると、検索パフォーマンス上のエリアに確認したいURLを入れるように求められます。
確認したいページのURLを入れてEnterキーを押しましょう。
すると、このような項目が表示されますので、その中の「カバレッジ」をクリック。
と、このように最新のクロール日時が記載された情報が表示されます。
ここで確認しておきたいのは、「前回のクロール」部分です。そこまで更新もせず重要でないページであれば、日時が空いていても大きな問題ではありませんが、早く公開したい新しいページや、更新頻度が高いページにおいてこの日時が更新されていない場合は、対応を考えなければいけません。
クロールを急ぎたい場合は、
- 重要なページから内部リンクを設置する
- そもそもコンテンツの質が低い場合もあるので、ページはちゃんと作り込む
- サーチコンソールからサイトマップを送信する
などの対応が必要です。
ユーザーに向けたSEO内部施策
ここからは、いくつか具体的な内部SEO施策について解説していきます。
最も基本的なことは、検索ユーザーの求める情報を掲載するということです。検索エンジンは、『検索ユーザーの満足するサイト』を上位に表示したいと思っています。
ユーザーは検索という行動を通して探しものをしていますが、探している答えが見つからない検索エンジンなんて、誰も使いたくないと思いますよね。
ですので、最低限ユーザーに対する答えを持ったコンテンツを掲載することが基本条件となります。
さらに、
- 遅いより早いサイト
- 使いづらいより使いやすいサイト
- 見づらいより見やすいサイト
- 安全でないより安全なサイト
- 痒いところに手が届くような情報が掲載されている
の方がいいサイトだと思いますよね。
このような点を評価する仕組みになっていますので、これらの対応をしていくことが内部対策となります。
ユーザー向け内部施策1. キーワード選び
SEO対策において非常に重要なのが『キーワード』です。
検索ユーザーは、自分の疑問をキーワードに変換し、検索窓に入力します。
例えば、SEOとは何なのかが知りたければ、『SEOとは』などと検索するでしょう。
そうして検索した人がSEOを学べるページに辿り着き、知りたかったことを知ることができるということになります。
同様に、検索エンジンもユーザーの求めるコンテンツを検索結果にまとめることを目的にしており、そのために様々な仕組みでコンテンツの評価を行い、検索結果を作っています。
検索しても探しているコンテンツが見つからない検索エンジンなんて使わないですもんね。
ユーザーのニーズを満たしてあげるコンテンツをサイトに掲載するだけでなく、そのコンテンツを求めるユーザーがどんなキーワードで検索するのかを予測し、そのキーワードに合わせてコンテンツを修正し、検索エンジンに対してもユーザーに対しても、探している答えとなるコンテンツを提供するということが、SEOの最も基本的な考え方になります。
このような話から、もう少し検索ユーザー寄りの最適化については、「SUOとは?検索エンジンよりユーザーに最適化しSEOを強化する」のページでも解説しています。
ユーザー向け内部施策2. タイトルとディスクリプションを適切なものに変更
キーワードを選ぶことができたら、次はそのキーワードをページに設定してあげることも大切です。
例えば、この記事ではSEOの基本的なことや初心者の方に向けて書いているので、
「SEO 初心者」とキーワードを設定したとします。そしたらページのタイトルにもキーワードを設定します。
「SEOとは?超初心者向けSEO対策の基礎と仕組み」
こんな感じで、自然な感じに入れたいキーワードを含ませてあげればOKです。
続いて、ディスクリプションについてです。ディスクリプションとは、ページの要約文のことです。
画像のように検索結果の表示された際に簡単なページの説明書きとして表示されます。
こちらのディスクリプションも、ただなんとなくページの説明をするのではなく、キーワードを適度に含めたうえで、わかりやすく、検索ユーザーがページを見たくなるような魅力的な文章を意識して設定しましょう。
サイトがWord Pressで作られているようでしたら、「Yoast SEO」や「All in One SEO Pack」などのSEOに関するプラグインを使用すると、簡単に設定できるようになりますので使ってみてください。
ユーザー向け内部施策3. 関連する知っておくと良いコンテンツを増やす
サイトのコンテンツの量によって変わってきますが、コンテンツが少ない場合は、ページの追加が必要です。ある程度コンテンツが整っているのであれば、既存コンテンツの改善が必要です。
例えば私たちのサイトにもコラム記事があります。そこではSEOに携わる方ならば避けて通れない「サーチコンソール」というツールのエラー別対処法などを取り上げています。
ツールに限らず、必ず一緒に使う知識・学ぶ知識などを考えてみるとヒントが見えてきます。SEOに関するサイトであれば、「外部施策」・「内部施策」と大枠があって「内部施策」の中でも「タイトルのコツ」や「ディスクリプションのポイント」などと広げていくことができます。
しかし気をつけるべきポイントとしては、「脱線」しないことです。「SEOの話」⇨「ページの表示速度の話」⇨「早いネット回線の話」⇨「おすすめのサーバーの話」などと、話やテーマを広げようとするあまり、気づいたら全然違う話で盛り上がってしまっていた。なんてコンテンツも見受けられます。注意しましょう。
ユーザー向け内部施策4. コンテンツの内容の質を上げる
検索するユーザーは必ず何かしら「悩み」や「疑問」を抱えているはずです。
その方たちが「どのような目的を持っているのか」や、「解決したいことはどのようなことか」を理解したうえでコンテンツを作る必要があり大切な部分でもあります。
例えば、「SEO ポイント」と検索した方が居たとします。
SEOに関する知識やツールを知りたいのはもちろんですが、その方は本質的にはただ情報を知りたいだけでなく、自社サイトの上位化・知名度のアップ。更には集客や売り上げのアップがゴールだと思います。
そう考えると記事にもただ情報だけを紹介するのではなく、詳しいコツやもう一歩進んだ話として、扱うコンテンツのジャンル別の注意点などとさらに細かい話を盛り込んであげることによってユーザーにとってはより満足してもらえるはずです。
コンテンツ作成に役立つポイントをいくつか挙げておきます
・Q&Aサイト(有名なYahoo知恵袋や女性向けの悩み相談掲示板の発言小町など)の活用
Q&Aサイトで対策キーワードを打ってみるとユーザーの悩みとそれに対するベストアンサーが掲載されているので、記事作りの参考になる可能性があります。
・サジェストキーワードを参考にする
検索窓に文字を入れると関連した検索ワードが下に並ぶあの機能です。
ニーズの高いキーワードなのでこちらも参考にしましょう。
・上位表示されている他サイトのコンテンツを参考にする。
既に上位に表示されているサイトは、今までお伝えしてきた内容が検索エンジンにも正しく評価されているので参考になることはたくさんあります。上位サイトにあって自分のサイトにはないコンテンツや逆に上位サイトにはないけれど自分のサイトで作成出来そうなコンテンツなど。
ただし、同じ内容を文章もそのままコピーしてしまうと検索エンジンにはコピーだとばれてしまいますので評価もされないので気を付けてください。
・自分しか知らない内容を入れる。
他のサイトには書いていないオリジナルのコンテンツは強力な武器になります。自分が感じたことや思うことなどをうまく取り入れることができると理想的です。
ユーザー向け内部施策5. スマートフォンへの対応も忘れずに
2018年3月27日に本格導入されたモバイルファーストインデックスにより、モバイルサイトのコンテンツが評価対象となったため、スマホサイトのSEOが本格的に必要となりました。普段生活をしていればスマホでの調べ物や、買い物の便利さといいスマホへの対応の重要さがお分かりかと思います。
スマホ対応においても大切なことは沢山あります。
例えば、画面が小さいために大切な内容や操作性に気を使ってユーザーが不便を感じないような工夫や、PCサイトとの差異を極力減らすことなどが挙げられます。
ユーザー向け内部施策6. 表示速度の改善
サイトの表示速度もスピードが速いに越したことはありません。
しかし、この部分については誰が見ても「サイトの表示に時間がかかっているね」と感じる場合に優先して行う施策とお考えください。
というのも、表示速度における指標、CWV(コアウェブバイタルズ)については、Googleが「ランキング要素に取り入れる」といった意思を示したことで少し必要以上な期待が生じてしまったと感じております。
相対的なニュアンスとして、表示速度改善がUI/UXの改善になり、結果としてユーザーの使いやすいサイトとして扱われることでサイトの評価が向上するといったことはあるかと思います。
ただ、このスコアを向上させようと固執したところで、サイトのランキング向上になるかと言われるとそうでも無いようです。(引用:ポッドキャストより「Google: 段階的な改善はランキングに影響しない可能性がある」)
サイトの表示速度改善は作業が重たい
表示速度改善をするためには、使用しているサーバーの変更から、描写に関わるフロントエンド側ファイルの整理など、非常に重たい作業が伴います。
また、ちょっとしたエラーで、サイトが崩れてしまったり余計なエラーを作ってしまったりなど…。
まず、大前提としてユーザーのために必要なコンテンツや、サイトの使いやすさが整っているかどうかを意識しましょう。
作業を試みる場合は、
- バックアップを取りつつ、こまめに表示の確認を行う。
- 様々な外部要因との兼ね合いを丁寧に整理する
- 表示速度の向上に固執しすぎない
などの要因に注意しましょう。
3つ目の、「表示速度の向上に固執しすぎない」というのは、スコアを上げることに集中しすぎてしまい、サイト描写が見づらくなったり、必要以上に外部ファイルを削ってしまいサイトのデザインや色(雰囲気)を変えてしまうなど…。デザインを取るか、スコアを取るか、本末転倒にならない注意が必要です。
外部対策
外部対策を一言で言うと『人気のあるサイトにしましょう』と言うことです。
内部対策でもお伝えした『検索ユーザーの満足するサイト』は、人気ないサイトよりも人気のあるサイトだと思いますよね。
そこで、Googleはいくつもの人気を測る指標を、計測しています。
例えば、
- 話題になっているサイトやページ
- リンクの多いサイトやページ
- よく検索されるサイト
などが、指標になります。
人気があるサイトは、様々なところで話題にあげられたり紹介されています。
Googleは、世界中のサイトを徘徊しながらコンテンツを評価します。また、リンクによるサイトのつながりをはじめ、どのようなページやサービスを紹介しているのかなども計測することで、各サイトの人気を図っています。
被リンクを集めるにしても、いきなり面識のないサイトの運営社から「うちのサイトにリンクしておいて!」なんて言われてリンクを貼る人はいないですよね。SEO以外のプロモーションや認知の促進を行うことが外部施策の最も基本的なアクションとなります。
被リンクについて
とはいえ、やはり被リンクの多いサイトは強いです。というのも下記をご覧ください。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
https://www.google.com/about/philosophy.html?hl=ja
Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。また Google では、多くのプログラマーの力の結集によって技術革新が進むオープンソース ソフトウェア開発にも力を入れています。
Googleが掲げる10の事実から引用
言葉が難しいですが、「多くのリンクを獲得しているということは良いサイト」という考え方をGoogleはもっています。原理としては、「より多くの論文に引用されている・使用されている論文は良い論文である」という考え方が元になっているようです。
現在の施策として、昔に比べるとリンクの影響が少なくなったとも言われていますが、それでもいまだにリンクの力は強いです。
ただし注意です!
被リンクを求めるあまり、自作自演で自分のサイトを複数作ってリンクを設置したり、低品質のサイトからむやみやたらにリンクをつなげることなどは意味がないのでやめましょう。
また、SEO会社から「リンクたくさんつけますよ!これでサイトの評価あがりますよ!」なんて言葉には注意してください。むしろ人工的なリンク活動が裏目に出てペナルティーを受けてしまうケースも多々あります。
▼より詳しいリンクに関する情報は、グーグルサーチセントラルのリンクプログラムを参照してください。
被リンクを集めるための一歩目は、他の人たちが記事やサイトで参考にしたくなるような、引用したくなるようなコンテンツを作成することです。
海外SEOサイトで見た例だと、自分が優れていると感じるコンテンツをもっているのであれば、同じようなことに関して言及しているコンテンツを探して、その作者に「ぜひ私の記事も引用してください」などとDMを送るなんて話も海外記事では見受けられました。海外特有のノリにも感じますが、このような行為をきっかけに良い関係が築いていけるのも素敵ですね。
外部対策と言うのは、SNSや他のプロモーションを活用しながら、話題をおこし、シェアとリンクを促進し、最終的にサイト名やブランドネームで検索されるような人気のあるサイトを作らなければなりません。
そのためには、わかりづらい、使いづらいサイトは人気になりませんので、しっかりと人の役に立つコンテンツを作り、使いやすいサイトを作っていかなければならないと言うことになります。
SEOは、内部対策だけでも外部対策だけでもなく、双方が密接に関連しているんですね。
中古ドメインには注意が必要
被リンク用に中古ドメインを取得するケースも少なく無いかと思います。
ただし、2024年3月に行ったコアアルゴリズムアップデートでは、「中古ドメインの関連性」に対して非常にシビアな扱いを受けています。
そのドメインが過去に行っていた内容と、現在使用している内容に乖離があるほど、良い評価を受けることが難しくなると言うことです。(参照:2024 年 3 月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと)
具体的には、
期限切れのドメインの不正使用とは、期限切れのドメイン名を主に検索ランキングを操作する目的で購入し、ユーザーにとってほとんどまたはまったく価値がないコンテンツをホストするために再利用することです。たとえば、医療サイトとして以前使用されていたドメインを購入して、以前の所有者によるそのドメインの評判に基づき、検索で上位に掲載されることを期待して、低品質のカジノ関連のコンテンツをホストするために再利用するといった行為がこれにあたります
https://developers.google.com/search/blog/2024/03/core-update-spam-policies?hl=ja
といった内容です。
もちろん、ユーザーを第一に考えたオリジナル コンテンツのサイトを立ち上げ、それに古いドメイン名を使用することは問題ないと、記載があるので強引にドメインパワーだけを使用する目的で、中古ドメインを取得しないようにしてください。
Wayback Machine等で、過去の運用履歴を確認することも必要です。
E-E-A-Tと呼ばれる指標
SEOを行うにあたって初心者のうちは、あまりシビアに考えなくても良いかもしれませんが、SEOを考慮する上では、「E-A-T(専門性、権威性、信頼性)」と呼ばれる指標が存在します。
※さらに、2022年12月15日に、Googleは、従来のE-A-T(Expertise/専門性・Authoritativeness/権威性・Trustworthiness/信頼性)の指標に対して、新たにもうひとつの「E(Experience/経験)」という概念が追加されたと発表しました。
- E Expertise=専門性
- E Experience=経験 <New!
- A Authoritativeness=権威性
- T Trustworthiness=信頼性
の4つの指標の頭文字をとったもので、Googleも検索品質評価ガイドラインに公式として言及しています。
この指標を意識して、直接できる対応策はありませんが、「ソース元が信頼できる情報を引用する」、「同じカテゴリーについて専門的な知識をしっかりと提供できているかどうか」などのことに注意してサイトの運用やコンテンツ作成に臨みましょう。
また、何かのレビューや紹介を行う場合は、「自身の体験や経験に基づいた内容」を忘れないでください。ありきたりの情報だけであれば誰でも書くことができます。あなただけが感じた雰囲気や情報も有益なコンテンツになります。
先ほどお伝えした、構造化データの活用もおすすめです。
YMYLと呼ばれる指標
YMYLとは、「Your Money or Your Life」の略です。人々の幸福や健康、安全に対して潜在的に影響を与えるテーマのことを指します。
主に、
- ニュースや政治的なテーマ
- 経済にまつわるテーマ
- 健康や安全にまつわるテーマ
- 人種や宗教などにまつわるテーマ
が主な指標となっております。
我々の日常でも気をつけるべきテーマであると同時に、言葉を選んだり正しい情報を取捨選択していかなければいけません。
それはネット上でも同様で、YMYLを扱うページに誤情報が載っていると、その情報を信じた人の生活にネガティブな影響を与えてしまう恐れがあります。ですので、YMYL領域には、情報の正確性や信頼性を判断するための厳しい基準が設けられています。
SEOのメリットとデメリット
ここからはSEOのメリットとデメリットを説明していきます
SEOを行うメリットは
クリック率を高めるきっかけになる
SEOは、検索結果での表示回数に占めるクリックの割合(クリック率)の高さがメリットとなります。
検索結果に出稿ができるリスティング広告に比べて、集客がたくさんできるということです。
皆さんも経験があるかと思いますが、広告のクリックは敬遠されがちです。理由は様々でしょうが、広告ですと『何かを売りつけられるのでは』という心理が働くために、クリック率は低い傾向にあります。
対して、自然検索の上位サイトはお勧めされている感覚があるのではないでしょうか。
AISASの法則と言って、消費者はAttention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(購買)→Share(情報共有)
多くの消費者は、上記のように購買するアクションの前に検索を行います。
つまり、自然検索で流入してくれたユーザーは「購買意欲の高い見込み客」として期待することができます。
広告費用がかからない
自然検索の掲載は、1位に表示されていても費用がかかることはありません。
検索上位にあげることができれば、お金をかけることなく集客することが可能です。
製作したコンテンツは資産となる
広告集客などの場合、費用をかけている間は費用がなくなるまで表示をしてくれますが、どんなに優秀なページでも、費用がなくなってしまったら一切の表示はされません。
対して、SEO施策で制作したコンテンツは削除するまで消えません。費用をかけなくても訪問者にコンテンツを表示し続けます。
検索エンジンのアルゴリズムや競合サイトの登場などによって、多少の順位の変動はありますが、いきなり大きく崩れることは少ないです。
SEOを行う上で、コンテンツを作ることは常に行う施策となり、定期的に改善しを重ねることで、継続的な集客効果が得られるというメリットがあります。
ブランディングを高めることができる
Webの世界では、「〜〜といえば、ココログラフ」などのように認知されることで、ユーザーにとっては価値のあるものだと認識をさせることができ、信頼にも繋がります。
検索結果の上位に表示をさせることは、ブランドとして認知されていないものを育てていくようなイメージに近いです。
SEOを行うデメリット
掲載順位を安定させることが難しい
検索エンジンが掲載順位を決める仕組みは、常に見直され更新されていきます。
日々評価の基準が変わっていくため、検索順位も日々変わっていくということになります。
掲載順位を決定するのは検索エンジンですので、時には検索エンジンの都合で、順位の下落や変動が起きることもあり、最悪の場合、集客の大幅な低下の可能性があります。
時間と労力がかかる
近年、Googleのアルゴリズムは様々な指標を評価軸に取り込んだため、本質的に優れたサイトを評価します。
簡単にいえば、良質なコンテンツを提供することがSEOに直結するのですが、深堀りすれば検索ユーザーが知りたいことを理解し、その答えを提供するだけでなく網羅的で専門性が高く、みやすく、わかりやすい上に、権威性まで必要です。
ちょっと何言ってるかわかりません!と思う方もいるかと思いますが、競合サイトと比較して、ありとあらゆる面で優れたサイトを作っていかなければならないのです。
それこそ大手企業が多額の資金と大規模なリソースをかけて作られるようなコンテンツを超えるようなサイトを作らなければならないのです。
細かい修正や良質なコンテンツの追加など積み重ねが大切な作業になるので、検索エンジンに評価されるまでも労力と同じく時間もかかるのです。
初心者には難しい時代になってきている
上記の話に近いですが、近年のSEOは非常に試作が多岐にわたります。キーワードの選定から、競合のリサーチ、ツールを用いてデータや数字の分析・解析、コアウェブバイタルへの対応としてフロントエンド周りの知識が必要など、とにかく知らなきゃいけないこと、できなきゃいけないことが多いです。
いきなり未経験の初心者の方が「自社のSEOを完璧にしよう!」と思っても思うように進まず、どこから手をつければ良いのだろう…となってしまいがちです。
Webや世の中は常にアップデートが行われていて、我々担当者においても毎日が勉強で、昔の知識を振りかざしているだけでは対応することが不可能です。
検索エンジンは皆が考えているほど優秀ではない
これはネガティブな発言ではないのですが、我々が思っている以上に検索エンジンは優秀ではないと感じています。それは、どんなこともで都合よく解釈し、理解できるほどテクノロジーの発展が進んでいないと言うことです。
あまりトレンドや、SNSのSEO屋さんの発言に振り回されることなく、「ユーザー目線でどうかな?」を常に軸に施策を行う必要があります。
アルゴリズムとは
アルゴリズムとは、検索エンジンがサイトやコンテンツを評価する仕組みのことで、その評価指標は200種類を超えると言われています。
▼グーグルよりアルゴリズムの仕組み
一部の内容を紹介すると、
- 検索意図、キーワードとのマッチング
- どんな人が作ったコンテンツか
- テーマに対する関連性や専門性が高いか
- 人気のあるコンテンツか
- 見やすく使いやすいサイトか
などなど、Googleは様々な指標を評価軸に取り入れ、コンテンツを評価していると言うことですね。
そうして評価されたコンテンツが検索結果に表示されるわけです。
基本的にSEOは、この一連の流れに対して最適化をしていくことになりますが、どのような方法があるのか解説していきます。
AIによるサイトの評価
さらに近年では、Rank Brain(ランクブレイン)という、GoogleのAIがサイトの評価を行い検索順位を決定する仕組みも導入されました。
以前は人の手によって作られたアルゴリズムがサイトの評価指標になっていましたが、このRank Brainの導入により、AIが膨大なデータを活用してユーザーの満足度を測り、その傾向をアルゴリズムに自動的に反映していくようになりました。
つまり、よりユーザーの満足度を満たすサイトを評価するという仕組みがスピーディーになったことによって、コンテンツ内容だけでなく、デザインや使いやすさ(UI・UX)などのトレンド、使いやすさ、わかりやすさといった部分まで考慮してSEOに取り組まなければならない時代となりました。
【番外編.1】ケビン・インディグ氏によるSEOに取り組む上で認識しておくべき10の第一原則
有名なECサイト向けのプラットフォームである「Shopify」(ショピファイ)のSEOチームリーダーとも言えるケビン・インディグ氏が「SEOに取り組む上で認識しておくべき10の第一原則」としてまとめを発表しています。
上級者はもちろん、初心者の人にもわかりやすい項目で端的にまとめてあったので抜粋しておきます。ぜひ参考にしてみてください。
1.検索はクエリ/キーワードによって駆動されます
2.検索エンジンは、結果をランク付けし、新しいサイト/ページを発見するための基本的なシグナルとしてバックリンクを使用します
3.ページは、キーワード(セット)をランク付けするためにユーザーの意図を満たさなければなりません
4.Googleはブランドクエリにブランドを優先します
5.ページはインデックスに登録せずにランク付けすることはできません。また、クロールせずにインデックスに登録することもできません。
6.Googleは、高速で安全な、スパムのない結果を好みます
7.単一のページは何千ものキーワードにランク付けできます
8.Googleは検索結果を現地の言語でランク付けします
9.タイトル、内部リンク、altタグ、コンテンツは、Googleがページの内容を理解するのに役立ちます
10.モバイルとデスクトップの検索結果は異なる場合があります
https://www.kevin-indig.com/seo-first-principles/
初心者の方だけでなく、さまざまな知識を詰めんでしまうと、あれやこれやと試作や情報がこんがらがってしまいます。悩んだ時こそ、一度初心に立ち返ってみましょう。
【番外編.2】ジョンミューラー「SEOばかり考えていないで、ユーザーの役に立つコンテンツ作りを目指しなさい」
グーグル・SEOの権威とも言えるジョンミューラーが2022年の8月にこんな発言を漏らしていました。
「SEOブログやランキングのための情報を追うのはやめて、ユーザーにとって真に役に立つコンテンツづくりを行うべきだ」と。
【▼詳細はこちらの記事でも紹介しています▼】
ジョンミューラーの言いたいこととして、「SEOへの意識が強すぎると、上位サイトの情報をなぞって言い回しを変えているだけのコンテンツや、その傾向が強くなってしまい、ユーザーが本当に知りたい情報に対してあまり深掘りができていない」といったコンテンツが増えてきていることへの懸念でしょう。
上位化のためには、どうしても競合サイトの情報を参考にせざるを得ないですが、極力自分の経験や感じた感想を発信し、オリジナル・ユニークなコンテンツづくりを行えるようにしたいですね。
※この発言は、2024年4月現在(本記事更新時)も引き続き同じように繰り返されています。
SEOに便利なツール
SEO対策に役立つ便利なツールを5つご紹介しておきます。
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
サーチコンソールはGoogleが無料で提供しているツールの一つです。過去にはウェブマスターツールと呼ばれていました。
簡単に言えばページの健康状態を確認できるツールで、検索クエリの詳細を確認できたり、サイトの順位を下げる可能性がある問題が発生していないかなど確認ができます。
また先ほど検索エンジンの仕組みでお話しした「インデックス」についてもこちらで確認ができます。
▼サーチコンソール(ご利用にはグーグルアカウントが必要です)
ココミルレポート
ココログラフのSEOコンサルが、日々の業務をしやすくするために開発したレポートシステムです。
サイトが検索結果に表示された全てのキーワードの順位・表示回数・クリック数などのデータはもちろん、様々な状況のキーワードを抽出し、対象のサイトがGoogleでどのような状況にあるかをわかりやすくまとめています。
大規模サイトでも、どのページのどのキーワードを注力すべきかが、誰でも簡単に把握できます。
▼サチコレポート
Screaming Frog SEO Spider
ひと言でいえばWEBサイトのURLを入力するだけで、そのサイトの情報をくまなくチェックして一覧にしてくれるツールです。
Screaming Frog SEO Spider Toolでは、サイト内の全URL、H1タグやH2タグ、metaタグの文言と文字数、発リンクや被リンクや内部リンク、プロトコルコード、全画像のファイルパスなど、WEBサイトの中のありとあらゆる情報を抽出してくれます。XMLサイトマップも404ページや301ページ以外だけを抽出することもでき、とても便利です。
『Screaming Frog SEO Spider Tool』は、無料版と有料版があり、無料版では500ページまでサイト内を調査することができます。ちなみに「Screaming Frog SEO Spider Tool」の名前はちょっと長いので、「カエル」などのニックネームで呼ばれることも多いです。
▼Screaming Frog SEO Spider
Ahrefs
こちらは完全有料(日本円で、月額約12000円から)になりますが、世界中で支持されているSEOツールの一つです。自サイトのエラーや細かなデータを見ることはもちろん、一番の強みは競合サイトのデータも細かく取得できることです。
SEOにおいて、被リンクは重要な指標ですが、数だけでなくどのようなサイトからリンクをされているのか、というリンクの質も重要視されています。Ahrefsは被リンク元のURLやアンカーテキストなどの細かいデータも取得可能です。
▼ahrefs
Google Analytics(グーグルアナリティクス)
こちらもGoogleが無料で提供しているweb解析のツールです。
現在は「グーグルアナリティクス4(GA4)」ともよばれています。
訪問してくれたユーザーがどのようにページにたどり着いたのか、年齢層や性別、デバイスの種類まで詳しく確認することができます。
どのページにどれくらい滞在していて、どのページでユーザーはすぐに見るのをやめてしまうのかなども確認することができるのでこちらもページのコンテンツを見直すのに欠かせない存在です。
▼グーグルアナリティクス
ChatGPT(AIツール)
AIツール全般、使用方法を巡って話題に上がりますが、有名なツールの1つ、ChatGPTを例に取ってお話ししておきます。
ChatGPT(チャットジーピーティー、Generative Pre-trained Transformer)とは、2022年11月にOpenAI社が公開した、人工知能チャットボットです。
2024年現在、AIの活用術が盛り上がっており、SEOにも数多く取り入れられています。
ただし、あくまでもコンテンツ作成の補助やアイデア出しの補助として活用することが好ましく、AIに全て記事を作らせるというのは、推奨されていません。
節度を守って正しく活用しましょう。
ただ、近年は「AIを用いた」ということを明記した上で、ユーザーの役にたつコンテンツであれば問題やペナルティ等の対象にはならない旨も話題になりました。
SEOとは まとめ
以上が簡単なSEOの概要となります。
冒頭のポイントにも掲載していますが、端的に言うと、
- SEOとは、検索エンジンの仕組みに合わせてサイトを最適化すること
- SEOは『そのサイトの目標を達成してくれるユーザーを集める』ことが目的
- ユーザーニーズを満たすコンテンツを掲載しキーワードに合わせて修正をする
が、SEOの本質だと思います。
一般的には、「検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、検索結果ページでサイトを上位に表示させるための対策」であるという認識が強いと思います。
しかし、SEOの本質はこれだけにとどまるものではなく、冒頭で解説したように、SEOとは「検索エンジン最適化」です。検索エンジンに最適化させることで、検索エンジン経由での集客を増やすということはもちろんですが、商品・サービスの購入や問い合わせなど、サイトの目標を意味する「コンバージョン」を達成し、成果を最大化することが最終的な目的のはずです。
検索結果ページでサイトを上位に表示させることは、あくまで目的に至るまでのプロセスでしかないわけなのです。
本来、SEOというべきものは、検索結果ページでの上位表示のみを目的とせず、サイト自体に本質的な最適化を行うことであり、単純にどのキーワードでどれだけ高い表示順位を獲得できているかという点だけではなく、検索エンジン経由でのユーザー流入数やコンバージョン件数はどれだけで、成果がどれだけなのかという点も含めて考えなければならないということですね。
サイトで展開しているビジネスやその目的と深く関わりながら施策を行わなければ、本質的ににSEOでの成功は望めないということなのです。
同時に、Googleにどうしたら評価されるかばかりを気にしていてはいけません。
「ユーザーに喜んでもらうにはどうしたらよいか」から始めましょう。
そして「見込み客にとって今一番価値のある情報は何か」、「見込み客に今一番必要な情報をどうやったらストレスなく届けることができるか」。
それを流行や様々なデータを参考に、ひたすら考え続けること。
これがSEOの最も基本的な考えと言えるでしょう。
この記事が、皆さんのSEOの第一歩になれば幸いです。
記事を読んで不明な点等がありましたらお気軽にTwitter(@kaznak_com)などでご質問ください。
ではまた。