8月に起こったSEO周りのイベントとして、個人的にはタイトルの自動生成が気にかかります。現状私の携わるサイトでは大きな影響は受けていませんが、非常に海外SEOサイトでは話題になっています。

まずはみていきましょう。

ページタイトル生成の新しいアルゴリズム

Webページのタイトルを生成する新しいシステムを導入しました。仕組みの概要は次のとおりです。

どの検索結果がクエリに関連するかを判断する主な方法の1つは、リストされているWebページのタイトルを確認することです。 そのため、Google検索では、検索者とクリエイター、出版社、企業などが作成したコンテンツを結び付けるために、検索結果のドキュメントに最適なタイトルを提供するよう努めています。

https://developers.google.com/search/blog/2021/08/update-to-generating-page-titles

タイトルの自動生成そのものは、今に始まったことではありません。特にクエリを中心として行われていました。今回のケースではページ全体の内容の反映した上で自動生成が行われるとのことです。

そもそもなぜ、タイトルが自動生成される?

なぜ、従来のHTMLタイトルタグを使用しないのか?というポイントに、グーグルサーチセントラルで回答例があります。

  • 長すぎるタイトル
  • キーワードの詰め込みすぎ
  • タイトルタグがない

などのケースでは、適切にページの説明がされていないとみなされ、この自動生成が起こるそうです。

そして下記のように続けています。

非常に長いタイトルに遭遇した場合、最初から始めてより有用な部分を切り捨てるのではなく、最も関連性の高い部分を選択する場合があります。

https://developers.google.com/search/blog/2021/08/update-to-generating-page-titles

今回の騒動は、鈴木謙一さんのブログでも数回に分けてお話しされています。

https://www.suzukikenichi.com/blog/will-google-provide-ways-to-opt-out-of-title-rewriting/

上記ブログでもありますが、Googleの広報役を務める Danny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏がいうには、

https://twitter.com/dannysullivan/status/1428738008115683330?s=20

多くの人がSEOを理解していて、意識しているわけではない。業務が忙しくてそういったことに手が回らない運営者もいるだろう。我々としては、全てのサイト運営者に最善で間違いを防げるように注力をしている。

https://twitter.com/dannysullivan/status/1428738008115683330?s=20

とのことです。

うーん。

なぜここまで話題に?

コアアップデートの後は必ず、大なり小なり批判的なコメントが出てくるのも珍しいことではありません。

ただ、今回のポイントとして、

  • そもそも、タイトルの自動生成というシステムを知らなかった人が多い
  • この自動生成が間違った情報を提供してしまっている。

この辺りの要素が原因で盛り上がっているようにも感じます。

頻繁に起こるイメージはなかったので、私も気にしていませんでしたがこの手の自動生成は存じていました。

ただ、今回のアップデートにより海外サイトでは自動生成の影響が以前にも増して増えてしまったのか「おいおい、なんだこりゃあ」って感じのツイートも多く見受けられます。

知らなかった上に、目に見えて増えてしまうと困惑するのも無理はありません。

致命的なミスも原因?

もうひとつ良くない点として、この自動生成によって間違った情報が提供されているという点です。

先ほどの鈴木謙一さんのブログにあるのですが、アメリカの大統領「バイデン氏」の名前である「joe biden」と検索すると、一番上位のサイトタイトルが「Vice President」となっています。Viceとは『副』という意味です。

現在バイデン氏は副大統領でなく、大統領です。過去に副大統領として務めていましたがその際の情報を誤って影響している模様です。

HTMLのタイトルでは「President」と設定されているにもかかわらず、自動生成された挙句間違った情報を提供していました。

みなが文句を言うのも無理はありません。

この自動生成が、順位付への直接的な影響はないとされていますが…うーん…

流石に不適切な事例が多すぎて、コミュニティやTwitterでも多くの意見が飛び交っていることから、Google側は8/27にジョン・ミューラー氏がこう述べています。

集まったすべてのフィードバックを参考にして繰り返しアルゴリズム調整するはずだ。状況が良くなるだろうと私は考えるものの、これ以上の変更はもうやめてほしいと SEO に取り組む人たちは言うかもしれない。しかし、きちんと意味をなす改良ができるものと私は期待している。

meta タグやあるいは他の方法で、修正からオプトアウトする仕組みについての話が出ていないわけでもない。だが個人的には、少なくとも近い将来には実現しないと思う。なぜなら過去にもそういうものを本当には必要としなかったからだ。

それに、現状でアルゴリズムがちょっと行き過ぎているというだけでオプトアウトの仕組みを提供する方向に向かうというのは間違ったやり方だと考える。解決するための追加の設定に頼るのではなく、アルゴリズムの改善によって解決すべきだ。

https://youtu.be/oJI5g0gKmfk

と。

鈴木謙一さんも何度もおっしゃっていますが、タイトルの書き換え拒否のツールが欲しいというところです。

確かに、空のタイトルやあまりにキーワードを詰め込んだタイトルであれば書き換えも頷けますが、真っ当なタイトル設定をしているにもかかわらず、微調整が入ってしまうのは複雑です。

ユーザー目線で考えるのであれば、タイトルが不自然な1位のサイトよりも、的確なタイトルが設置されている5位のサイトを選んでしまう様な…。ランキングだけではなく、CTRへの影響が心配されます。

今後どういった動きを見せていくのでしょうか…。

スパムリンクアップデートが完了

https://twitter.com/googlesearchc/status/1430225585289105410?s=20

予定では二週間ほどで終わるとされていたリンクスパムアップデートが、倍近い四週間で終わりました。

どんな内容?

リンクスパムとは、リンク集などの低品質コンテンツとみなされるページからの悪質なリンクを指します。

過去の同アップデートも含めて、その手のリンクを使っているサイトのペナルティを与えるわけではなく、無視する・評価をしないというのが趣旨のようです。

「そんなやり方で被リンクを集めても無駄だよ、無視するから意味ないよ」って感じでしょうか。

注意すべきポイントは?

ウェブサイトを収益化するために、アフィリエイトリンクを使用することは問題ではありません。

ただし、使用する場合はアフィリエイトリンクが手動で作成されたのか?動的に作成されたのか?に関係なく、リンクにrel = “sponsored”の記述することを強く推奨しています。

過剰なアフィリエイトリンク挿入も注意した方が良いかもしれません。

質の良いコンテンツを作成して、自然に有益なリンクを集めることができれば一番良いですね。

Chromeデベロッパーツールが日本語対応

F12でおなじみにデベロッパーツールがなんと日本語を含む80以上の言葉に対応です。

もともと使っている方達にとっては、英語で理解して慣れているので、日本語に慣れるまではむしろ扱いにくいイメージもありますが、今まで英語で扱いにくそうと感じていた方達にとては一歩踏み出すチャンスかもしれません。

正式には、9/21リリースですが、今すぐ使ってみたい方は、Chrome Canary を使ってみてください。

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実際にCanaryを使ってみました。ちゃんと日本語になっています。すごい…

ツールやサーチセントラルなど、まだまだ日本語対応していない部分も多いGoogleですが、これは嬉しいですね。

米国版 About this result でランキング要因を提供

About this result とは、米国版Googleにて2021年の2月から導入され、検索結果にて表示されているサイトが『どの様なサイトからの情報なのか』を表示する機能です。

従来は、https接続の安全性や、Wikipediaに登録されている場合はそこからの引用、Wikipediaに登録されていない場合は、Googleがいつインデックスをしたのか、などが掲載されていました。

実際に弊社の上位記事について見てみましょう。

About this result
「カバレッジの問題」で検索結果です。

掲載されている理由について書かれている部分について説明していきます。

・These search terms appear in the result: カバレッジ and 問題

検索クエリに含まれるワードがページに存在しているかどうかです。今回の場合、「カバレッジ」と「問題」ですね。

・A term related to your search appears in the result: coverage

検索クエリに関連するワードがページに存在しているかどうかです。「coverage」が含まれています。

・The result is in 日本語

対象言語のことを指します。今回の場合は、「日本語」ですね。

This result seems relevant for this search, even though it typically appears for searches outside the United States

対象地域のことです。今回で言えば、米国外の検索で表示されていますとのことです。

今後、多くの地域で対応していくとのことですので、日本語版のChromeでも対応されていくことでしょう。

具体的なランキング要因とはいかないので、この情報を得たところで全てが分かることはありませんが、これからSEOに触れていく方たちにとっては、競合サイトや上位サイトの調査に有益だと思います。

まとめ

コアアップデートが終わったと思ったら、タイトルの自動生成という大きな波がなだれ込んできましたね、

Google側は細かな調整が進んでいくと思うので、慌てずに待ってほしいとのことでしたが、こちらとしてはクリックにも関わるタイトル問題は一刻も早く落ち着いて欲しいところです。

筆者も、今後の一挙手一投足を海外のSEOメディアサイトを追いながら確認していきます。

この記事が多少なりとも、お役に立てばと思います。
記事を読んで不明な点等がありましたらお気軽にTwitter(@kaznak_com)などでご質問ください。

ではまた。